カワサキ「Z2」フルレストア フレーム単品で始めてわかるリアルコンディション

画像ではわかりにくいかも知れないですが、このように真横からダウンチューブを見ながら左右のパイプを重ね合わせることで、曲がりや歪みを明確に判断することができます。このダウンチューブが曲がっているZは数多いそうです。衝突やお釜堀によって、そのしわ寄せがダウンチューブへ集中するようです
ペイント前のリアウインカーブラケットも、この通り形状をしっかり保っていました。袋状にブラケットが溶接されているため、転倒によって、ブラケットがペちゃんこに潰れてしまう例は数多く見受けられるそうです
カワサキ調のブラックで見違えるような美しさに仕上がった750RS/Z2-A後期モデルのメインフレーム。パウダーコートは塗膜が頑丈なので、ボルトの締め付けなどで塗膜がパリパリと簡単に割れてしまうことがありません。安心して組み立てられるのが何よりです。フレーム打刻もご覧の通りシャープで、ぼってり仕上げにならないのがパウダーコーティング・カトーさんです
メーターカバーやヘッドライトケース、テールランプベース、トップブリッジなどなどの部品はフレーム本体とは異なり、半ツヤ仕上げ(3分ツヤ)のブラックにて仕上げていただきました。メインフレームと同じツヤ有りブラックで仕上げると、組み立て完成時の絞まりが今ひとつ無くなるような気がして……
分解開始から約半年後には、それぞれに仕上げた各パートが集合体=コンプリートとなって、カワサキ750RS/Z2-A後期モデルが完成。この画像は、フルレストア完成直後の現車=カワサキZ2-A後期モデルそのものですが、この状態へ至るまでには、様々な紆余曲折がありました。今しばらく、フルレストア作業リポートにお付き合いくださいませ
別件取材で関西方面へ出掛けた時に、その途中で東名高速インターを降り、仕上がったフレームや周辺部品を引き取りに行ってきました。仕上がったフレームや小物部品にはキズが付かないように新聞紙で包装されていました。早く組み立てたい気持ちになりますね!!
分解直後のメインフレームを台の上に載せて、一歩後退して眺めることで、ダウンチューブの曲がりや歪み、フレームのよじれなどなどに気が付くようになります。アンダーフレームの高さが左右共通なのと出っ張り部品が無いので、安定状態で置けるのも初代カワサキ空冷Zシリーズの特徴なのかも!?
一歩後退してから、正面や真後ろから眺めることで、ヘッドパイプの歪みやねじれ、シートレールの傾きや曲がりなどなどを明確に判断することができます。リヤのステップフレームが内側に入ってしまっていることも無かったので、過去の転倒などによって、フレームへのダメージは無さそうです
集合管マフラー仕様で乗り続けられていたバイクは、サイドスタンドの跳ね上がりでステップマウントパイプが磨耗している例が多いそうです。今回も僅かに当たりがあったのでペイント依頼前にロウ付けで補修しました。シートレールエンドのウインカーステーは、潰れがなく程度良好。過去に大転倒はゼロなのかも!?
ヘッドパイプ下前方に溶接されているガセット。Z1AやZ2A前期モデルまでは、抜き穴が2箇所あり、その穴から亀裂が始まっている例も数多いそうです。この抜き穴は、カワサキ純正オプションの「オイルクーラーキット」りステーを締め付ける穴だそうです

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