謎に包まれた金色のバイク!? ドゥカティ製エンジンを搭載したカスタム車両の正体とは?
東京モーターサイクルショーの会場で金箔を身にまとったカスタムバイクが展示されました。この一台はどのような経緯で製作されたのでしょうか。
京都の伝統工芸を取り入れた孤高のカスタムバイク
東京モーターサイクルショー2019の会場には新型車両のほか、メーカーやパーツブランドが手がけた数々のカスタムバイクが展示されました。
その中でも一際、異彩を放っていたのが、京都の老舗オートバイディーラー「カスノモーターサイクル」によるドゥカティ製Lツインエンジンが搭載された金色の一台です。このカスタムバイクは、そのベースにドゥカティ「スクランブラー」が使用されていますが、完成した姿を見る限り、ベースモデルの面影はほとんど残されていません。

そこで、この一台を作り上げた経緯について、カスノモーターサイクルの販売促進部・下田豊氏にうかがってみました。
「この一台はドゥカティが主催したスクランブラーのカスタムコンテスト用に製作したもので、部門3位を獲得した車両です。2018年の大阪モーターサイクルショーでデビューしましたが、製作から1年経過したこともあり、外装をすべて作り直しました。
スタイル的にはカフェレーサーを目指しましたが、フロントカウルのロングノーズなどで独自性を打ち出しています。
以前は真鍮製の外装を装着していましたが、時間とともにくすみが出てしまうため今回のリニューアルではボディ表面に24Kの金箔を用いました。これは京都の伝統工芸を応用したもので、表面にわざとシワを出すことで、塗装にはない質感としています。
また、フレームはノーマルを使用していますが、足まわりのパーツはすべて変更しています。エンジンまわりにおいてクランクの軽量化でレスポンスを高めていますが、レトロな雰囲気を出すため、インジェクションを外し、あえてキャブレターに変更しました」。
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下田豊氏によると、この一台は、警察署からの要望で、2019年5月に群馬県安中市で開催される交通安全パレードで実際に走行するといいます。
カスタムや改造というものに対してネガなイメージを抱く方もいるでしょうが、この一台のようにベースモデルから大幅に姿を変えることができるのも、バイクならではの魅力かもしれません。
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