マツダ「ロードスター」とホンダ「CBR400R」の共通項は、肩肘張らずに走らせることができる!

マツダ・ロードスターは、ビギナーからベテランまで楽しめるスポーツカーです。一方のホンダCBR400Rもロードスターと同様に懐の深いモデルに仕上がっています。

スポーツ走行を主とする4輪車と2輪車、共通点を探ってみた

 空は青く晴れ渡り、そよぐ風が気持ちいい日曜日の午後、僕はマツダ・ロードスターをドライブしていました。その時に見かけたCBR400Rに興味を掻き立てられたことが、今回のロードスターとバイク企画になった理由です。

走りに特化しつつ間口が広いスポーツモデル

 遡上のあげたクルマは4輪ロードスターであり一方は2輪バイクです。共通しているのは、走りに特化していながら、敷居が低いことです。ごく一握りの腕っこきのレーサーが操って初めて本領を発揮するのではなく、初心者マークの残るビギナーからベテランまで肩肘張らずに走らせられる点で、魂に共通項がありますね。

 ロードスターは不思議なことに、4つのタイヤで大地に踏ん張っているのにも関わらず、巧みにバランスをとりながら走らせるべきクルマです。まるでバイクの感覚に似ている。もちろん立ちゴケすることはありませんが、ワインディングを駆け回る時には、前後のタイヤグリップの調和をとりながら、あるいはブレーキングとアクセレーションをタイミングよくシンクロさせながら走らせると悦びが倍増するのです。

 曲芸師のように両手を広げてタイトローブを渡るように・・といったら大袈裟かもしれませんが、一本の走行ラインを丁寧になぞるようにしてコーナーリングする。そのことに集中してドライビングを楽しむことがロードスターの個性を全身に浴びる秘訣かもしれません。まるでCBR400Rをバシッと一定角度にバンクさせ、フラフラさせずにコーナーを後にした時の快感に似ているのです。

通常は、限界まで追い込まず半分くらいのテンションで走行を味合と理想的

 タイヤが悲鳴をあげるまでロードスターを追い込むこともドライビングプレジャーのひとつのスタイルかもしれませんが、僕はこのクルマを限界まで落とし込むのは性に合いません。もちろんロードスターでサーキットを攻め立てても、タイトロープを渡るかのような絶妙なバランスを発揮しますが、それはサーキット走行の時に限定し、ワインディングでは限界の約半分くらいのテンションで走りを味合うことが理想のように思います。

 搭載する直列4気筒1.5リッターエンジンは、最大出力132ps/最大トルク152Nmを発揮します。単体で見ればそれほどパワフルとは言えない数字です。実際に、発進する瞬間には、ちょっと回転を上げてクラッチミートしないとエンストするのではないかという不安があります。そのあたりもCBR400Rと似てなくもありません。クラッチを踏み込む時の踏力が軽い点もそっくりでした。

ロードスターは、パワーはそこそこながら、コーナリングはバイクの様な立ち振る舞いをみせる

 絶対的なパワーはそこそこなので、加速に爆発力はありませんし、息を止めたくなるようなダイナミックな迫力ではありません。ですが、ボディ重量は驚くほど軽く約1トンに抑えられています。コーナリングの立ち居振る舞いは、ヒラヒラと木々の葉が舞うかのようです。コーナーを舞う。ロードスターにはそんな言葉が似合うかもしれませんね。

 こう言って良ければ、ロードスターは4つのタイヤを履いたバイクのような感覚です。キャンパストップに手をかけてヒョイっと開け放てば、太陽の陽の光と首筋を撫でる心地よい風が手に入ります。まさにバイク感覚なのです。

 ロードスターとCBR400Rのどちらを購入しようか迷う・・・などという、クルマとバイクを俎上に上げ販売店からいただいた見積書みて頭を悩ませるなどという、一般的には考えづらい楽しみもありえるかもしれませんね。ロードスターは4輪バイクのようでした。

キャンバストップを開けて走行するとロードスターは、バイクのような爽快感を味わえる

 振り返ってみると、今回乗り比べた二台は、 こんなキーワードでくくれるかもしれませんね。「軽快」「乗りやすさ」「優しさ」「爽快感」そのどれもがロードスターらしくもありCBR400Rらしくもありました。

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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