バイク熱が最高潮の東南アジア ヤマハは幅広いモビリティを続々とタイ市場へ投入

タイ王国はバイク王国。販売台数1位のホンダに溝を開けられているヤマハは、タイ国内で幅広いモビリティを展開しホンダに対抗しています。

日本未発表モデル「QBIX(キュービックス)」も多数登場

 東南アジアのタイ王国(以下タイ)は、年間約180万台(2017年実績、統計値は以下同)と数多くのバイクを販売しているバイク大国です。そんなタイで、ホンダに続くマーケットシェアをもっているのがヤマハ。約78%という圧倒的なホンダのシェアにはかないませんが、販売のうち約15%がヤマハのバイクです。

ヤマハ「QBIX(キュービックス)」

 そんなタイの首都バンコクで「バンコクモーターショー2019」が開催されました。もちろん、ヤマハも広いブースにたくさんのバイクを並べて出展。その様子をお伝えしましょう。

 ヤマハブースでもっとも多くの台数を展示していたモデルが「QBIX(キュービックス)」と呼ぶ125㏄のスクーター。角を丸めた四角形をモチーフにした、ポップで遊び心あふれるデザインが特徴です。2017年のバンコクモーターショーで初公開されました。

 個性を好む若い世代に向けたモデルで、豊富に用意された明るいカラーリングもオシャレに敏感なユーザーへの提案。タイのヤマハによるオリジナルモデルで、ヘッドライトやテールランプもフルLED。「ブルーコア」と呼ぶエンジンにはアイドリングストップ機能も組み込んでいます。

 ところで、タイではヤマハもハイブリッドバイクを販売しています。それが「グランド フィラーノ ハイブリッド」。ほんのわずかの差で「世界初の量産ハイブリッドバイク」という称号はホンダの「PCXハイブリッド」にとられてしまいましたが、発売はほぼ同時期の2018年夏。バンコクモーターショー2019のヤマハブースでも実車を確認できました。

ヤマハ「GRAND FILANO HYBRID(グランド・フィラーノ・ハイブリッド)」

 ハイブリッドシステムは、発電機とスターターを兼ねたモーターを一体化した「スマートモータージェネレーター」を活用して発進時のみをアシストするタイプ。クルマでいうところの「マイルドハイブリッド」ですが、エンジンの負担を軽減することで燃費向上の費用対効果が高いのがポイントと言えるでしょう。またブースのスタッフに尋ねたところ「モーターアシストによる発進の力強さもセールスポイント」だそうです。

競技用電気トライアル「TY-E」も動的展示

 そんなヤマハブースでは、「動きのある展示」として催されたアトラクションも大人気でした。それは「TY-E」という先行開発車両のトライアルバイクを使ったデモンストレーション。プロライダーの黒山健一選手が操るTY-Eが、ステージの上やフロアに作られた特設コースを派手な動きで走り回るのです。

電動トライアルバイク「TY-E」ででも走行を行う黒山健一選手

 そんなアトラクションが実現できた理由は、TY-Eの先進的な特徴によるもの。なんと、エンジンのない電動バイクなのです。小型高出力モーターを組み合わせて走行性能を高めつつ、システムの小型軽量化を実現。TY-Eは試作車両ながら、すでに電動車両だけが参加可能な「トライアルEクラス」として国際格式の世界選手権にも参加しています。

 若者向けのスクーターから、市販ハイブリッドスクーター、そして電動のトライアルバイク。ヤマハブースは若者のライフスタイルへのバイクの親和性を高めるとともに、未来へ通じる電動化の動きを感じさせるものでした。

 もちろん、大型のスポーツバイクもあり、そのほか水上バイクやゴルフ場のカートなども展示。ヤマハが幅広いモビリティ企業であることをあらためて実感しました。

【了】

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車は10年乗ったポルシェ・ボクスターSから乗り換えたルノー・ルーテシアR.S.トロフィーと最終型マツダ・プレマシー。

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