覚えていますか、初めてバイクに乗ったときのこと ホンダ「ベンリイCB50」がそう問いかけてくる!!

クルマの免許で乗れるバイクの原付1種(排気量50cc以下)クラス。もしかしたら若い人には、操作の簡単なスクーターのイメージしかないかもしれません。しかし、いまバイクが大好きなお父さん世代では、50ccのバイクはとても身近な存在でした。『ベンリイCB50』もそんな1台です。

デュアルメーターの装備など、当時は本格スポーツモデルだったことがわかる!

 ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)内にある「ホンダコレクションホール」では、展示車両が動態保存されています。そのうちの1台、ホンダ『ベンリイCB50』に乗ることができました。なんと、今から48年も前。1971年に発売された貴重なモデルです。

「ベンリイCB50」に試乗する筆者(青木タカオ)

 当時のCBシリーズは、排気量50ccから750ccまで11機種が揃う幅広いラインナップとなっていました。その末弟である『ベンリイCB50』は、大学卒業男子初任給が4万円程度の時代に新車価格7万5000円でした。かけそば100円、コーヒー(喫茶店)120円、はがき7円という物価の頃です。

 車体はコンパクトですが、タンクが塗り分けられていたり、クロームメッキのパーツが用いられて上質感があります。メーターも速度計だけでなくタコメーター(エンジン回転計)も備え、軽量スポーツモデルであったことがわかります。

 また、ヘルメットホルダーは『CB500』に次いでの採用で、装備面も充実していました。スポーティなメガホンタイプマフラーもこのクラス初です。

エンジン始動はプライマリーキック機能を採用したベンリイCB50

 エンジンはキックスタートのみ。ギヤがニュートラル以外に入っていても、クラッチレバーを握っておけばエンジンが始動できるプライマリーキック機構を採用しているのも、当時としては先進的と言えます。

バイク操作を学ぶにうってつけの扱いやすさ

 完調に整備された『ベンリイCB50』の走りは軽快でした。もうすぐ半世紀が経とうというオートバイとは思えぬコンディションの良さで、SOHCエンジンは低中速が滑らかで扱いやすい特性。唐突にパワーが出ることがないため、多くのライダーがこうした50ccバイクで、クラッチの繋ぎ方などライディングの基本を学んだものです。

ベンリイCB50を走らせると懐かしい想いに浸ることができます

 走っていると、初めてバイクに乗った頃を想い出し、懐かしい気分に浸ってしまいます。『ベンリイCB50』のような70~80年代の小排気量バイクに乗ると、大人になって忘れてしまったそんな淡い気持ちが蘇るのはなぜでしょうか。

 筆者の記憶ですと、16歳でバイクの免許を取った頃のCB50はすでに絶版で、「ベンリイ」のネーミングが外された80年代の『CB50S』が安価な中古車として売られていました。

ホンダ『ベンリイCB50』(1971)

 ホンダの50ccクラスは水冷2サイクルエンジン搭載の『MBX50F』(1985年発売)や『MTX50R』(1983年発売)を中心に、ミニサイズの本格派『NSR50』(1987年発売)も登場していたと思います。お父さん世代のベテランライダーには懐かしく、若い人には未知な話しをしてしまいました。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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