大幅に進化した新型「YZ250FX」「YZ450F」 ヤマハの開発陣が「YZ」シリーズに込める想いとは?
ヤマハが販売する競技車両「YZ」シリーズから新型モデルが発表されました。なかでもフルモデルチェンジした「YZ250FX」とマイナーチェンジした「YZ450F」は、今回の改良で大幅な性能アップに成功しています。
多くの箇所を見直すことで戦闘力と扱いやすさを向上
ヤマハは、8月20日より販売を開始するオフロード及びエンデューロ(クロスカントリー)向けの競技用モデル「YZ」シリーズのプレス向け技術説明会を6月末に開催しました。

今回発表された中でも目玉となるのが、フルモデルチェンジしたエンデューロ競技用「YZ250FX」と、マイナーチェンジしたモトクロス競技用「YZ450F」ですが、この2台には様々な新技術が採用されています。
前モデルに比べ3kgの重量減を果たした2020年「YZ250FX」においては、「YZ250F」と同一のパワースペックを誇るエンジンを採用しながらも、専用の駆動系/クラッチを採用。あわせて燃料タンク容量を増加させることで、よりクロスカントリー・レースに最適なモデルへと仕上げられました。

また、シャシー面においても安定性に優れる高剛性の新フレーム、スリム化されたシートやタンクの採用による操作性の向上、路面との干渉を軽減するサイドスタンドなどを備えることで“走る喜び”と戦闘力のアップを果たしています。
対して“超熟成YZ”というコンセプトを基に開発された「YZ450F」においては、マイナーチェンジながら新設計のヘッドやピストンを採用したエンジン、断面の特性を変更することで剛性バランスを変更したフレームで前モデルのウィークポインを解消。
ユーザーから要望の多かったブレーキの強化や、フロントフォーク周りの剛性チューニングによる軽快なハンドリングなどにより、全方位での大幅なパワーアップを実現しました。
ヤマハにおける「YZ」モデルの立ち位置とは?
今回の技術発表会に際し、「YZ」グループ全体の指揮をとる村山友貴リーダーはその同シリーズの立ち位置について以下のように話ます。
「YZに代表されるモトクロス、エンヂューロモデルは、モーターサイクルスポーツのゲートウェイとなっており、ヤマハのコンペティションモデル(競技車両)が輝いてることで事業貢献につながると思っております。
幼いころから乗れるPW50も用意していますので、小さなころからヤマハのバイクに乗っていただき、その後もヤマハのモデルに乗っていただけたらと思っています。仮にオフロードをやらなくなったとしてもヤマハのバイクは良いというふうに思って頂くためには、まず最初に我々が手がけるYZがしっかりいいモデルになっていることが事業貢献につながるとも感じています。

我々はモータースポーツをやりながら色々な技術開発を行っています。レースはよく「走る研究室」などと言われますけれど、レースはもちろん、量産車開発やヤマハのモーターサイクル全体へ技術をフィードバックする側面をもちながら開発を進めております。
私たちYZグループは数年前から“Off-road Mania(オフロードマニア)”というテーマを掲げ、オフロード領域におけるNo.1ブランドを目指しています。基本的にはこれは2つの軸で成り立っておりまして、1つ目の軸はトップカテゴリーのレースで強い“FASTEST BLUE(ファステストブルー)”というもので、先進技術を惜しみなく投入し強い、速いヤマハを作り上げていくというものです。
また、もう一つの軸であるボトムアップ型では、子供から大人まで生涯にわたって付き合える“信頼のブランド”を実現するため、ステップアップしていくモデルを用意しております。
実際の構造としましては、キッズ向けファンバイク“PW50”から始まり、ライダーの成長と共にYZ65、YZ85というようにバイクをステップアップしていくという形を取らせて頂いております。
また、YZ450FやYZ450FXなどのファン領域のモデルにおきましてもYZ250F、YZ450Fというように、その時のスキルに見合ったものを提案できるという形をとっています」。
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