バイクの運転免許 クラッチ操作が必要ないバイクに乗るなら「AT限定」という選択もアリ?
クルマの免許と同じように、バイクにも「AT限定」があります。クラッチ操作を必要としないバイクに限り、排気量別に設定された免許です。
バイクもクルマのようにAT免許がオススメ?
バイクやクルマの免許を取る際に、最初に大きく立ちはだかる難関がクラッチ操作ではないでしょうか。
クルマで見ると、いまや免許取得者数は、AT限定免許がマニュアル免許を上回っています。一方、バイクでもAT車(スクーターなど)の種類が増え、選択肢が広がっていますが、バイクのAT限定免許の取得者割合はどうなのでしょうか?
普通二輪の「AT免許」率は7%
普通自動車免許にAT限定が設定されたのは1991年のことです。クラッチ操作を覚える必要がないため、そのぶん教習時間も短くなり、AT限定免許取得者は徐々に増加しました。
警察庁が発表した「運転免許統計(平成30年版)」によると、第一種普通免許の合格者約115万5000人のうち、AT限定の取得者は約74万人と、約64%を占めます。地域別にみると、2018年中の普通免許取得者のうち、東京では約72%、神奈川では73%、大阪では71%と、この傾向は都市部でより強いようです。
一方バイクに目を向けると、小型限定普通二輪免許のAT限定免許率は約70%に上るものの、普通二輪では約5%、大型二輪にいたっては0.1%ほどです。
バイクのAT限定免許取得は簡単? 卒検が難しいという声も
小型限定普通二輪免許は排気量125cc未満、普通二輪免許だと400cc未満のバイクを運転することが可能で、いずれも16歳から取得できます。AT限定免許を取ると、それぞれの排気量の範囲でAT車に限って運転できます。AT車の主流は、やはりスクータータイプです。
しかし、排気量に関係なくすべてのバイクに乗ることができ、18歳以上が取得できる大型二輪免許のAT限定では、排気量650cc未満という制限があります。制度創設当時、AT車の最大排気量が650ccだったためのようです。
クルマの免許取得は「AT限定の方がMTより容易だ」ということが定説のようになっています。しかしバイクの場合、この点に関する意見はさまざまです。
たとえば、スクータータイプの車両が卒業検定に使われることがありますが、MT車のように燃料タンク部を両足で挟むニーグリップができません。また、半クラッチによる微妙な駆動操作もなく、逆に出力コントロールが難しいという声もあります。
ほかにも、車体に比べてタイヤサイズが小さいためバランスが取りづらく、クランクやS字カーブ、一本橋などでは操作が難しいという声もあるようです。
AT車とMT車、これから免許を取得するなら用途にあわせて
通勤や街乗りなどタウンユースが中心になる人には、バイクのAT車は使い勝手の良い移動手段です。頻繁にクラッチ操作をする必要もなく、主流となっているスクーターも、最近ではおしゃれでスタイリッシュなモデルも増え、見た目も楽しみながら便利に使いたい人にはピッタリです。
一方、バイクの操作が大好きで、ツーリングやスポーティな走りを楽しみたいという人にはMT車がおすすめです。クラッチ操作やギアチェンジは、ライディングをよりエキサイティングなものにしてくれるでしょう。
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