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大型二輪車のポテンシャルの高さを認識しているドライバーは少数!? 〜リターンライダーKANEKO’S EYE〜

クルマ業界に25年以上。ドライビング・インストラクターや自動車に関する研修トレーナーをしている経験を活かし「ブランド」「商品」「こだわり」「疑問」など、現在のバイク界をピュアな目線でレポートします。今回は、大型二輪車のポテンシャルを一般ドライバーが理解していない可能性についてお話します。

大型二輪に乗って感じた安全への思い

 大型二輪免許を取得してから、早速何台かの大型バイクに乗せていただくチャンスがありました。シートに跨りエンジンをスタートした瞬間の重みのある振動、街の中を走り始めたときのアクセルに対しての反応と、エンジンの太いトルク感は、あきらかに今まで乗ってきた400ccまでのバイクとは違います。これが大型バイクの世界なんですネ。

ホンダ「Rebel 500(レブル500)」に試乗する筆者(金子陽一)

 教習所ではじめて動かしたときにそのトルクに感動しましたが、リアルな街中での走行は、よりいっそうの違いに驚き、力強いトルクとズッシリと伝わる重厚感から、あらためて大型バイクに乗っている実感がガンガンと湧いてきます。

 一般道でのアクセルの開け方にも慣れ始め、力強いエンジンの扱いを楽しみながらも、丁寧さを意識し、街の流れに合わせて走っているときに気がついたことがあります。

 そのとき自分はホンダCB1000Rに試乗し、走行モードは市街地推奨の「STANDARD」。そこは片側3車線ある道路で比較的見通しも良く、自分は中央の車線を走っていました。少し先へ行ったところで左に曲がるクルマが多くなるタイミング、その影響で中央の車線のペースが落ちてきます。そこで安全が確認できたので右へ車線変更し、前方を走るクルマまでの距離もありCB1000Rを加速させたときです。少し多めにアクセルを開けましたが、その加速は自分のイメージしている流れの加速とは全く違うモノで強烈に鋭いのです。

「何を今さら当たり前のことを!」と思われるかも知れませんが、アクセルを開けた瞬間、バイクをしっかり捕まえておかないと自分だけ置いてかれてしまうと感じるほど猛烈に速い。これは危ない。何が危ないって、周りがこの加速を知らないでしょう。

ホンダ「CB1000R」

 自分は今までに様々なクルマで走るチャンスを経験して来ました。市販されているハイパワーなクルマも、とんでもなくパワーアップされたチューニングカーも、そしてサーキットでタイムアタックのドライバーも担当させていただいたときもありました。当時のチューニングカーの中には、一瞬だけ強烈に速いクルマもあり、タイムを出さないと水温は上がる、油温は上がるで、タイヤがタレてタイムが出なくなる以前に、クルマが壊れてしまいます。

 速いクルマに乗ったときの加速感はもちろんのこと、それをできるだけ安全に走らせるための目線、周囲の動き、景色の流れ方、空気感というのか気配みたいなモノをある程度理解しているつもりです。それでも大型バイクの爆発的な瞬発力は想像していたものの、実際に体験すると自分のイメージを超えていました。それは狙ったポイントに向けてワープするかのように移動している感覚です。

4輪のレースに参加中の筆者(金子陽一)

 ライダーは経験や自制心さえあれば、やりすぎても何とかなるかも知れません。近年のモデルならトラクションコントロールやABSの装備もあります。しかし、周りのクルマのドライバーは、これだけ強烈に速いバイクが存在し、普通に走っているということをどれだけ理解しているのでしょうか? 

 ドライバーがイメージする距離感と加速がリンクしないことが普通にあると思います。ただでさえ小さく見えるバイクですが、ドライバー目線で、まだと確認した距離感でも、次の瞬間にはもう目の前や真横にワープして来ているということが全然あり得ます。

カワサキ「W800」に試乗

 大型バイクの爆発的な瞬発力もまた魅力のひとつ。しかし、ポテンシャルの高さを認識しているドライバーは少数の可能性もあり、まずはライダーがそれをしっかり理解していることが大切だと、あらためて思います。

 バイクは本当に楽しい乗り物。安全に気をつけなくてはならないポイントをしっかり学びながら、これからますます楽しんで行きたいと思います。 あ~、それにしても自分のバイクが欲しい…。

【了】

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Writer: 金子陽一

トップドライバーを目指し自動車レースに参戦。幾度かの資金難から挫折しかけたところをチューニングカー雑誌の編集部に拾われ、タイムアタック/レポートドライバーを担当。現在、それらの経験を活かし自動車ブランドが開催するドライビングレッスンのインストラクター、そして販売店スタッフ向けの研修トレーナーとしても活躍中。学生時代に乗っていたバイクからはしばらく離れていたが、近年、最新バイクの進化、またバイクを取り巻く最新アイテムの進化に感動しバイク熱が復活。大型自動二輪免許も取得。クルマで経験してきたセンサーを活かして「バイク」「ブランド」「アイテム」「こだわり」など、最新のバイク界をピュアな目線でレポートする。

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