なぜ中途半端な排気量? カワサキが「KLX230」の排気量を232ccにした理由とは? 250ccとは何が違う?

カワサキは2019年5月にインドネシアで発売されたオフロードモデル「KLX230」シリーズを2019年10月より国内導入します。今回のモデルではなぜ230ccという中間排気量が選ばれたのでしょうか。

開発リーダーが語るKLX230のコンセプトとは

 カワサキは2019年10月より新設計の空冷単気筒SOHC 2バルブ232ccエンジンを搭載した新型オフロードバイク「KLX230R」と、その公道仕様モデル「KLX230」を発売します。

KLX230に搭載された空冷単気筒SOHC 2バルブ232ccエンジン

 今回発表された新型モデルについて、多くのライダーが疑問を抱く点が『232cc』というエンジンの排気量でしょうが、その理由についてカワサキの技術本部 第二設計部 第三課 課長の和田浩行さんは次のように話します。

「KLX230の商品コンセプトとしては、英語でLight/Maneuverable/Capableというキーワードを掲げていますが、これは、軽量で扱いやすく走破性があるモデル=デュアルパーパス、すなわちよりオフロードをより楽しめるモデルということに基づいて開発しました。

カワサキの技術本部 第二設計部 第三課 課長の和田浩行さん

 また、初級から中級クラスのライダーをターゲットにすることで、より幅広い人にオフロードを楽しんでもたいたいということを前提にしていますので、軽量化や日常での使い勝手を考慮した快適性の面を踏まえた上でエンジンのボア・ストローク、バランサーの有無も含めてKLX230の排気量を決定しました。

 公道走行のできないKLX230Rにおいては不快な振動を打ち消す“バランサー” 無しのエンジンにしていますが、公道で使用できるKLX230に関しては快適性を考慮してバランサー有りのエンジンとしています。バランサー無しの場合では軽量化につながる反面、振動の面でネガティブな要素が出てきますが、そうした面も含めて許容できる排気量として232ccを選んでいます。

『KLX250』と『KLX230』に搭載されたエンジンの違いは?

 今回設計したエンジンでは低中速でトルクがグッと立ち上がるセッティングしてあります。KLX250のエンジンは低中速が痩せ気味で高回転でトルクが立ち上がる仕様でしたので、出力自体は出ているんですけど上手く扱いきるには高回転をキープする必要がありました。

公道走行可能なオフロードバイク「KLX230」

 対してKLX230では低中速のトルクをかなり増やして、アクセルを開けた瞬間からグッと加速ため、かなり乗りやすいフィーリングにしてあります。開発ライダーとも話をしたんですけど、言葉がいいのか悪いのかわかりませんが『カワサキらしからぬ優等生なエンジンだ』といわれました。

 確かにカワサキのエンジンは、クセがあって乗りにくいタイプもあるんですけど、KLX230のエンジンに関してはかなり優等生です。もちろん、232ccという排気量であったり空冷2バルブであったりすることから馬力は低いですが、このエンジンならではの特性を感じて貰えればと思っています。

KLX230Rに搭載された空冷単気筒SOHC 2バルブ232ccエンジン。外観的にはKLX230用と同じに見えますが、振動を打ち消すバランサー無しの設計となっています。

 また、空冷エンジンということから、『スーパーシェルパ』という車名ではないのかというご質問も受けましたが、今回の車両ではオフロードでのファンライドを重視して作り込みをしていくと考えた場合に、ファンライドといえば『KLX』ということで、こちらのブランドを選択しています。

 カワサキとしては近年、『Ninja』や『Z』など同ブランドの車両を同じイメージで統一してきていますが、そうしたことを踏まえた上でも、この車両はKX、KLXのラインに沿ったものだと判断しています」。

※ ※ ※

 現在、アジア圏ではオフロードの人気が高まっており、カワサキがインドネシアで販売するKLX150などは爆発的な売れ行きを見せているといいます。日本においてはオフロード走行を楽しめる環境が少ないという問題もありますが、「KLX230」の登場で市場がどのような盛り上がりを見せるのか、期待が掛かります。

【了】

カワサキ「KLX230」シリーズの画像を見る

画像ギャラリー

最新記事