恰幅のいいライダーとの二人乗りが非常に気になります!! ~木下隆之の、またがっちゃいましたVol.14~

レースに挑む人は、コーナーリングに影響する体重を厳格に管理しています。1kgでクルマの動きが変わるからです。しかし、恰幅のいいライダーがバイクに乗った時の操縦性に与える影響が気になります。

レーシングドライバーは厳格に体重管理されレースに挑んでいます

 僕が出場しているブランパンGTワールドチャレンジアジアは、厳格な体重管理がされている。レース前には必ず体重測定が科せられる。ヘルメットやレーシングスーツといったサーキット走行時と同一の装備を身にまとい体重計に乗るのである。

ブランパンGTアジアに参戦中のBMW Team Studie 左:砂子塾長 右:木下隆之(筆者)

 といっても、健康管理を買って出てくれているわけではない。体重の多い少ないは個人の裁量に任されているから、不摂生して太ろうが、禁欲で鼻血出そうが、絶食でカサカサに痩せようが知ったこっちゃない。履いて廃るほどいるレーシングドライバーの健康状態なんて、まったく気にしちゃくれない。

 なのに、なぜ体重計に乗るのか……。ご想像通り、性能の均一化である。基準の体重を75kgと定めている。それより軽量ならば、その分の鉛をマシンに積まされる。重ければ軽量化が許される。マシンには厳格に最低重量が定められているのに、ドライバーのウエイトに大きな差があっては不公平というわけである。

 それもそのはずで、たとえ500馬力前後のレーシングカーであっても、そこでの5kgや10kgは速さに直結する。最高速度は馬力と走行抵抗で決まるから、ウエイトは無視されるものの、加速やコーナリングはウエイトの影響を強く受ける。慣性の法則が証明するように、ウエイトが軽ければ軽いほど運動性能を好転させるのだ。

 だから僕らはまるで、世界戦を前にしたボクサーのように計量にのぞむ。というほど大袈裟ではないのだが、ヘルスメーターの100gに一喜一憂するのである。

恰幅の良いライダーとのタンデムや如何に!

 ということを考えながらボンヤリとしていたら、なかなか恰幅のいいライダーを思い出した。

 僕等は1200kgもあるマシンに乗っていながらも1kg単位での操縦性変化に神経を尖らせているのに、想定体重150kgオーバーと思しきこの男性が操縦性に与える影響たるや天文学的である。

 走りはどうなってしまうのだろう。タンデムしてみたい……。

【了】

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Writer: 木下隆之

1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。

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