ヨーロッパではレースWEEKはサーキットに宿泊!? 気になるモーターホームの内部に潜入
マシンや工具などの荷物をサーキットに搬入する際に使われる、トラックやトレーラー。日本では荷物を運ぶ為にのみ使用されますが、ヨーロッパでは宿泊施設としての役割も担っているようです。
モーターホームはサーキットでのホテル代わり
モトGPなど、世界を転戦するレースの中継を見ていると、パドックに並ぶトラックやトレーラーの大きさに驚くことがあると思います。
それらはレース車両や工具、ピット用の資材などを運搬するためのトランスポーター(以下:トランポ)なのですが、日本のバイクレースで見かけるトランポは4トントラックが定番で、大きくても8トントラックといったところです。
ただレース車両やピット用の資材を運ぶためだけのクルマであれば、日本も海外も同じサイズのトランポで事足りるはずですが、なぜ車両のサイズに違いがあるのでしょうか。
スペインで行われているMotoGPへの登竜門的レース『CEVレプソルインターナショナル選手権』に参戦していたチームが使用するトランポの中に潜入し、その内部を探ってみました。

海外のレースで見かけるトランポは『モーターホーム』と呼ばれており、荷台部分の後ろのドアから入ると貨物室、横のドアから入るとリビングやキッチン、トイレやシャワー、ベッドルームなどを完備した生活スペースとなっています。

また、このモーターホームに設置されているベッドルームは仮眠用ではなく、レースWEEK中はチームスタッフやメカニックが寝泊まりするために使用される場合がほとんどです。
そのため、日本と海外のトランポの規模の違いは、サーキットで寝泊まりすることを前提にしているかどうかと言っても過言ではないでしょう。

さらに、ヨーロッパでのレースWEEK中のパドック裏には、キャンピングカーやキャンプ用テントがズラリと並び、大きなトレーラーを所持することができないプライベーターチームなども基本的にはサーキットで寝泊まりをしているようです。
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日本にはパドックに泊まるという文化がありません。そのため、大きなレースがある週のサーキット周辺ホテルは1年前から全てエントラント(レース参加者や関係者)が押さえてしまい、観客がホテルを取るのはかなり困難な状況です。
レースWEEK中は必ずそのサーキットにいることになるエントラントがサーキットに宿泊すれば、自動的にレースの現地観戦を希望する観客が利用できる宿泊施設が増加します。
宿泊施設が足りないという問題が無くなれば、遠方からもレースの現地観戦に行きやすくなることは間違いありません。
そう考えると、トランポの大きさはレースの集客にも大きく貢献しているといえるのではないでしょうか。
【了】