1度は経験してみたい!? ボルドール24時間レースに参戦した感想を聞いてみた

ロードレースの世界耐久選手権として高い人気を誇るEWC。毎年、1チーム2から3名のライダーが世界を転戦し、8時間と24時間の耐久レースを戦いながらシリーズタイトルを争います。その最終戦である鈴鹿8耐は日本でも大人気で、参戦・観戦の経験があるという方も多いと思いますが、24時間レースとなると話は別。1日を通して激戦を繰り広げる24時間耐久レースに参戦した感想を、開幕戦ボルドールで実際に聞いてきました。

24時間耐久は、鈴鹿8耐の3倍感動する!?

 2019年9月20から22日の3日間、フランスのマルセイユ地方にあるポール・リカール・サーキットで開催された、2019-2020 FIM EWC(世界耐久ロードレース選手権)の開幕戦 ボルドール24時間。

 日本で行われる同シリーズの最終戦「鈴鹿8耐」を参戦・観戦した経験のある方なら分かるでしょうが、8時間の耐久レースは参戦・観戦ともにかなりの体力を消耗し、さまざまなアクシデントなどの苦難を乗り越えてチェッカーを受けるからこそ、終わった後は大きな感動に包まれます。

チェッカーを受けてピットロードに帰ってきた浦本 修充選手

 そう考えると鈴鹿8耐の3倍の時間を戦うボルドール24時間は、8耐の3倍は過酷になるため、レース終了後にはかなりの感動がうまれるはずです。

 今季は悪天候によるレース中の赤旗で、実質の走行時間は約12時間となってしまいましたが、それでも8耐の1.5倍の長さです。そんなボルドール24時間レースを終えた感想をライダーや関係者に聞いてみました。

●#71 浦本 修充 選手(Team JEG-KAGAYAMA ライダー )

スタートへ向け準備をすすめる浦本 修充選手

 ボルドール24時間を終えた率直な感想を教えてください。
 
「8耐以外の耐久レースに参戦したのは初めてで、結局24時間じゃなかったけど、やるからには24時間走りたかったですね。1度、経験しておきたかったです。

 当然、もっとつらかったとは思いますが・・・つらい思いはしたくないですけど、ちょっと悔しいです。24時間やるつもりで来たので、12時間じゃ足りないな~と思ったし、体力的には全然問題なかったです」。

 24時間レースに参戦するために何か特別な準備はしましたか?

「普通にいつも通りのトレーニングしかしてないです。自分の勝手な感覚ですが、トレーニングを増やしたからといって24時間疲れずに走るのは多分無理だと思うので、重要なのは気持ちの部分だろうなと思いました。

 ただ、それは自分の想像でしかないので、そういった意味でも走るからには24時間を経験しておきたかったです。12時間だと、このコースはレイアウトが楽なのでフィジカル的にはそんなに疲れたという感じにはなりませんでした」。

●#17 大久保 光 選手 (ITeM17 ライダー)

クラス優勝の記者会見を受ける大久保 光選手

 ボルドール24時間を終えた率直な感想を教えてください。

「世界耐久ロードレース選手権の24時間耐久に出るのは2回目で、2年前にル・マンで24時間戦っているのですが、今回は天候によって赤旗が出てレースが長時間中断されてしまったので約半分ぐらいの耐久レースとなってしまいました。

正直24時間レースをやりたかったなという気持ちが強いのですが、これも24時間レースだと思うので、また参戦する機会があれば、しっかりと戦える準備をして参戦したいと思います」。

ライダー以外の関係者の感想は?

●OGK Kabuto 南さん (ヘルメットメーカーのサポートスタッフ)

ピットで浦本選手のヘルメットを持つ南さん

 ボルドール24時間を終えた率直な感想を教えてください。

「今回、メーカーとしてサポートしているライダーがボルドール24時間に初参戦するということと、天候や気温などのコンディションがコロコロ変わる24時間レースでヘルメットがどのような状況で使われているかを知りたかったことも有り、サポートスタッフとして同行することにしました。

 実際にヘルメットのサポートスタッフとして参加してみた感想は、今回のレースは雨が降ったり止んだりと状況が細かく変化したので、いろいろなシールドを準備する必要がありました。

 また、緊急ピットインなどもあり、大変は大変でしたけどライダーが無事帰ってきてよかったです」。

 24時間レースでライダーのサポートをするために、何か特別な準備はしましたか?

「どんな状況でも対応できるように、物だけはたくさん持ってきました。

 今回のサポートライダー1人のために準備した物の量は、普段、全日本ロードレース選手権でサポートしているライダーの5人分ぐらいです。

 24時間レースと考えると、1人約10スティントはある計算になるので、全日本のフリー走行、予選・決勝の5人分ぐらいは必要になります。

 でもそれも全て想定なので、ちゃんと24時間レースを体験したかったですね。」

●竿尾さん (Team JEG-KAGAYAMA 電気担当エンジニア)

Chris Leesch選手(右)と話をする竿尾さん(左)

 ボルドール24時間を終えた率直な感想を教えてください。

「トラブルが本当に多くて、チーム自体も今回ボルドール24時間に初めて参戦したこともあり、テストも少なかったし、少ない情報の中で24時間をどうやって戦っていくかというのを考えてやっていかないといけないのですが、思うようにいかないこともあって……。

 12時間で良かったなとホッとしています。24時間あったらもっと大変だったと思うので……。

 ただ、トラブルがあっても無事完走できたのはポジティブな結果だと思います」。

 24時間レースでマシンの電気関係を担当するために、何か特別な準備はしましたか?

「24時間耐久というのが初めてだし、海外で仕事をするのも2回目・3回目というレベルなので、何が必要なのかとか想像が全くつかなかったんですよ。

 なので、実際に現地にきてみて自分の持てる能力を最大限に使ってやるしかなかったので、特別用意したものなどは無かったです」。

※ ※ ※

 9月21日の15時にスタートして、22日の15時にチェッカーを受ける。24時間行われたことに変わりはありませんが、レース開始後3時間が経過した18時すぎに天候が悪化し赤旗中断。その後レースが再開されたのは翌朝6時という異例の事態により、走行時間が実質12時間となった今回のボルドール。

 鈴鹿8耐しか経験したことのないライダーやスタッフにとっては、それでも1.5倍の長さです。しかし、ボルドールを終えた彼らの感想のほとんどが、「24時間を経験したかった」でした。 

 ぶっ通しで24時間、世界レベルの戦いを繰り広げるというほとんどの人が体験したことのない「未知の領域」こそが、EWC 24時間レースの魅力なのかもしれません。

【了】

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