バイクが家庭用の電源に? 電動バイクの新メーカー「aidea(アイディア)」から新型EV4車種が登場【TMS2019】

東京モーターショー2019で誕生した電動バイクの新メーカー「aidea(アイディア)」は、電気を蓄電出来るモデルを筆頭に、4車種の新型車を世界初公開しました。

モビリティの未来をより明確に

 東京モーターショー2019の開催初日となる10月23日に誕生した電動バイクの新ブランド「aidea (アイディア)」は、新型の電動バイク4車種を同イベントで世界初披露しました。

電動バイクの新ブランド「aidea(アイディア)」が世界初公開した新型車

 a=advance(先進)、i=innovation(革新)、ai=愛、d=development(開発、発展)、e=energy(エネルギー)、e=efficiency(効率)、dea=ラテン語で女神、idea=理想、発想、などの意味が込められた「aidea」は、1996年に Nicola Pozio(ニコラ・ポツィオ)により創設されたイタリアのアーバンコミューターブランド「ADIVA(アディバ)」を前進に持つブランドです。

 2000年に最初の製品として開閉式ルーフ、リアボックス、オーディオシステムを備えた画期的なスクーター「BENELLI ADIVA 150」を発売。暑さ、寒さや雨風をしのげる快適なコミューターとして、多くの人々に愛されました。その後も常識にとらわれることのない独自の発想と技術を展開してきた「アディバ」は、全てのライダーの「移動を喜びにする」先進的なプロダクトを開発し続けています。

 一般家庭1日分の電気を車載の電池に貯め、電気を外部に供給出来る「V2H」機能を備えたユニークな車両などを展示したAidea代表取締役、池田元英社長は今回の発表に際し、以下のように話します。

電気を外部に供給出来る「V2H」機能を備えた『AA-Cargo V2H』

「aideaは先日まで3輪屋根付き、ボックス付きのスクーターを展開するメーカーを経営しておりました。本日より新たにaideaとして会社を変更し、新たに電動のモビリティを提供するとともに、豊かなライフスタイルを皆様にご提案し、実践していただくような会社として誕生させていただきました。

電気を外部に供給出来る「V2H」機能を備えた『AA-Cargo V2H』

 私、池田元英はこでまで電力に関するキャリアを積んできました。以前は、電力の受給管理、マネジメントをする会社を経営していましたが、スマートグリット(電力の流れを供給側・需要側の両方から制御し、最適化できる次世代送電網)の実証実験のようなことを散々やらせてもらいました。

 その時に感じたのがクルマというものが電池そのものであるという時代になっていくなと感じました。また、再生可能エネルギーについても、電力の固定価格買取制度、ご家庭の太陽光パネルなどの制度が約10年経ち、買取の制度が終わり始めます。

 さらにこの11月からさらに10年経ってしまうと、電力会社に安く売るか、ご自身で使うかという選択肢しか無くなってしまいます。そこで作った電気を電動自動車に貯めるという方法があると思いますが、その場合、電気自動車用の設備が必要になります。また、電気自動車自体も決して普及しているとは言い難い状況です。

一昔前の日産「リーフ」に匹敵する14.4kwh 133Vのバッテリーを搭載する『AA-4』

 そこで第3の選択肢として電動バイクという選択肢があるのではと考えております。弊社のバイクですが、原付クラスの車両としては4kwhの『AA-Cargo』と『8kwhのAA-Cargo V2H』を用意しております。また、軽二輪(125cc超250cc以下)に相当する『AA-4』では14.4kwhを発揮しますが、これは一昔前の日産リーフのような容量になっています。

 先日、台風19号がありまして、被害により電気が無い生活が如何に大変なものかということが身に沁みたことかと思います。そうした時に我々の車両はクルマほど移動にキチンとした道を要しないというこだったり、動く電池であるということを考えると、どれだけ用途があるかご理解頂けると思います。

フロント2輪の電動バイク『AA-1』。航続可能距離は108km程度とされています

 それだけではなく、私どもはモビリティの未来というものをより明確にしてきたいと思っております。今、我々のほうでチャレンジしていきたいと思っているのが、クルマの約4分の1のサイズのバイクで効率よく人を運ぶことが出来ないかということです。

 既存のインフラを有効活用しながら、新たな提案が出来ないかというのが我々『aidea』の考えです」。

※ ※ ※

 電動バイクの新参メーカー『aidea』は、2019年の東京モーターショーで、「電気を使って走る」「バイクを電源にする」「バイクの喜びを広げる」という3つの要素を提案しています。

 早ければ年明けからデリバリーが始まる『aidea』の車両は、イタリアでデザインされ、日本国内の工場で生産されるようです。

【了】

電気バイクの新参メーカー「aidea(アイディア)」製のバイク

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