小林ゆきは見た! 東京で完全新型車「Ninja ZX-25R」を世界初公開!! 話題をかっさらったカワサキ【TMS2019】

国内メーカーで唯一完全新型車「Ninja ZX-25R」をワールドプレミアしたカワサキのブースから、狭いスペースにグローバル視点の展開が垣間見えました。

真っ向勝負で挑む姿勢が、やはりカワサキ

 東京モーターショー2019で、展示面積は国内4メーカー中一番狭かったものの、もっとも注目を集めたと言って過言ではなかったのがカワサキブースです。

コンパクトなスペースにはサプライズのニューモデル、従来から人気のあるモデル、伝統を感じさせるモデル、鈴鹿8耐の展示など、バランスよく配分されていたカワサキブース

 スーパーチャージドエンジンを搭載するスーパースポーツモデル「H2(エイチ・ツー)」をベースに「Z」の名前がかぶせられたニューモデルが出ることは、事前のティーザー広告でも明らかでした。しかしそれ以外のサプライズ出品となった「Ninja ZX-25R」は、まさかの新型、排気量250ccの並列4気筒エンジンを搭載したものです。

 長らく空白だったフルカウル250cc4気筒エンジンのスポーツモデルという分野に、再び一番乗りで参入することで一社独占、ユーザーをかっさらうのか。それとも、他社も参入して250マルチのカテゴリーが活況を帯びるのか……。

世界にさきがけアンベイルで発表となった2機種(ワールドプレミア)

 かつて250ccクラスのフルカウルモデルが全滅していたときに、カワサキは「Ninja250」を投下してニッチの風穴を開けたところ、一躍人気モデルとなって他社も追随したという過去がありますから、今回もまた同じような状況を狙っているのは間違いありません。

 秋は国際バイクショーの季節で、2019年は東京モーターショーのあとに、イタリア・ミラノで世界最大のバイクショー「EICMA(エイクマ、通称:ミラノショー)」が開催されますが、あえてこのモデルを東京で発表したのは、アジア圏のマーケットを重要なターゲットとしているためでしょう。実際、プレスデーには多くのアジア各国のプレスがカワサキブースを取り囲んでいました。

カワサキブースには、特にアジア圏からのメディアが多数、プレスカンファレンスに集まった印象

 新型「Ninja ZX-25R」は、レッドゾーンが1万7000回転あたりとなり、かつてのカワサキ「ZXR250」やホンダ「CBR250R」、ヤマハ「FZR250」、スズキ「GSX-R250」など各社が性能競争でしのぎを削っていた、あの頃のレーサーレプリカに比べれば、環境性能や排気騒音対策で最高出力など押さえ気味になるとは思います。

 しかし、当時より格段に性能が上がっているタイヤやサスペンション、F.I.(燃料噴射装置)の技術によって、乗り味は向上しているはずです。

ワールドプレミアとして発表されたカワサキ新型「Ninja ZX-25R」

 まだステージ上でクルクルと回っている姿を鑑賞することしかできない段階ですが、早く乗ってみたい! とワクワクさせられるニューモデルです。

やはりカワサキ、展示には他メーカーとは一線を画す意図が

 このほか、世界スーパーバイク選手権シリーズでチャンピオンを獲得した「Ninja ZX-10RR」や、「Ninja H2 CARBON」などスーパースポーツ系と、往年のメグロとともに展示された新型「W800」など、カワサキブースではスポーツラインとクラシックラインをバランスよく展示していました。

今年の鈴鹿8耐で優勝したマシンとライダーのレザースーツの展示コーナー

 そんな中、異彩を放っていたのがATVのニューモデル「TERYX KRX1000」です。北米では人気のカテゴリーですが、日本では法令上走らせることができないモデルなのです。話を伺ったところ、川崎重工業の会社紹介のような意味もあって展示しているとのこと。

 東京モーターショーは世界中から報道関係者が来場し、世界中に情報発信される場だということを考えると、カワサキはグローバルな視点でブース展開をしているのだということがよくわかる出展内容でした。

【了】

他メーカーとは一線を画すカワサキブースとは?

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Writer: 小林ゆき(モーターサイクルジャーナリスト)

モーターサイクルジャーナリスト・ライダーとして、メディアへの出演や寄稿など精力的に活動中。バイクで日本一周、海外ツーリング経験も豊富。二輪専門誌「クラブマン」元編集部員。レースはライダーのほか、鈴鹿8耐ではチーム監督として参戦経験も。世界最古の公道バイクレース・マン島TTレースへは1996年から通い続けている。

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