突如でてきた「カワサキ」の電動バイク なぜ開発? いつ発売?【EICMA2019】
カワサキは2019年11月5日から10日にかけてイタリア・ミラノで開催されたEICMA2019で電動バイクのコンセプトモデルを発表しました。なぜカワサキは電動バイクの開発に取り組んでいるのでしょうか。
「操る楽しさ」に拘ったカワサキのプロジェクト
カワサキは2019年11月5日から10日にかけて行われたバイクの見本市「EICMA2019」で現在、開発を進めている電動バイクのコンセプトモデルを発表しました。

カワサキは「強さと優しさを共存させる」「操ることを悦びにする」「あらゆる可能性に挑戦する」という3つの「走り=RIDE」への「こだわり=IDEOLOGY」として「RIDEOLOGY(ライディオロジー)」というテーマを掲げ製品開発に取り組んでいますが、今回の電動バイクもその理念にのっとり開発されたものです。
Ninja650に近いサイズとされた電動バイクは、カワサキのロードバイクと同様の機構を持つサスペンション、NinjaやZファミリーで仕様されているトレリス構造のフレーム、4速ミッションを採用していますが、川崎重工の開発部 松田義基部長は、今回のプロジェクトの目的について以下のように話します。
「今回お披露目した電動モーターサイクルは、2000年初頭からカワサキの次世代パワーユニットの一つとして、スーパーチャージャーなどと共に研究を続けてきたものです。もちろん、パワーユニットが電動であっても“RIDEOLOGY(ライディオロジー)”の信念は変わりません。操る喜び、エキサイティング、パッション……。

パッケージングや車体ジオメトリーを含め、変速機構、サムブレーキ(左手親指で操作するブレーキ)による回生制御など、研鑽を重ねることで数々の特許を取得してきました。
現在はそのコンセプトを更に進化させた次世代のモーターサイクルの研究に取り組んでいます。近い将来、必ず皆さんを笑顔にするモーターサイクルをお届けします。楽しみに待っていて下さい」。
気になる発売のタイミングは?
開発中の電動バイクは、世界各国で取り入れられているCHAdeMO(チャデモ)を採用することで急速充電を可能にしていますが、今回の発表に際し川崎重工業株式会社モーターサイクル&エンジンカンパニーの堀内勇二社長は次のように話します。

「私たちの電動バイクは、ライディング時の“感覚”に焦点を当て開発を進めてきました。トルクと動力伝達の高度な柔軟性を可能にするギアシフト機能を組み合わせたこのバイクは、カワサキが所有するオートポリスサーキットや都市部など、広範囲でテストを繰り返しています。
結果として、私たちの“Rideology”に沿った優れたフィーリングを提供するマシンが完成しました。219kgの車両の中核には、急速なCHAdeMoスタイルの充電システム、または従来の100-240Vの家庭用電源を介して充電可能なバッテリーパックがあります。既存の電動バイクと同様のシステムを採用してはいますが、“乗って楽しい“というカワサキのこだわりが詰まっています。

カワサキは今後もエキサイティングなバイクを拡大していくため、さらに多くの道を探っていきます」。
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堀内勇二社長は、「今回のプロジェクトは研究が目的であり、近い将来にラインナップする計画はありません」とも話ますが、東京モーターショーでの4気筒250ccモデルの発表、ビモータとの提携など、サプライズが続いているカワサキだけに今後の展開に期待が掛かります。
【了】