日本は道路の舗装もガラパゴス? アスファルト舗装が多い理由とは

日本の舗装はアスファルト舗装が多いという特徴がありますが、海外ではコンクリート舗装の割合が日本よりも高いところが多く、この状況はガラパゴスなのかもしれません。なぜ日本ではアスファルト舗装が多いのでしょうか。

アスファルト舗装が多い日本はガラバゴス?

 現在の日本の道路はほとんどがアスファルトで舗装されています。国土交通省の道路統計年報によると、日本では90%を超える割合で利用されており、この数値は先進国の中では非常に高い数値です。アメリカやヨーロッパ諸国は80%ほどで、日本の気候に近い韓国では40%ほどの使用率になっています。

日本の多くの道路で使用されているアスファルト舗装

 海外では日本ほど使われないアスファルト舗装ですが、なぜここまで多く使われているのでしょうか。

アスファルト舗装のメリットは?

 アスファルトは粘性が高く、熱を加えると簡単にやわらかくなり、変形しやすい性質があります。そして、冷えればすぐに固まり、アスファルトを敷いてすぐに道路として通行が可能です。また、騒音や走行するクルマやバイクの乗り心地という点でもアスファルト舗装が有利です。

 また背景には、アスファルト舗装の安さもあります。関東地方整備局の試算によると、2008年ごろまでアスファルト舗装の価格はコンクリート舗装の約6割ほどでした。とにかく舗装率を上げることを念頭にしていた時代もあったことから、初期コストを抑えられるアスファルトが採択されやすかったのです。

 しかし価格に関しては、近年のアスファルト価格の高騰もあり、コンクリートの8割ほどの価格までその差が縮小してきています。また、日本道路協会の資料によると、設置コストに加えて維持管理コストの合計が、設置から10年~20年で同程度になるという調査結果も出ています。加えて、日差しが直接当たる道路や、重い車両が通る路面は変形が発生し、そのままだと轍(わだち)ができてしまうといったデメリットも存在します。

 特に価格面では、原料となる原油を輸入に頼っていることから、原油価格や為替の影響があり、アスファルトは材料価格が安定しません。

コンクリートには大きなデメリットも

 一方のコンクリートですが、アスファルトとは異なり、圧縮強度を高くできることと劣化しにくいという特徴があり、長期に渡って大規模な補修が不要ということがあげられます。原料のセメントも国内で調達可能な点や価格が安定している点がメリットです。

トンネルや駐車場に使われるコンクリート舗装。アスファルト舗装に比べ白っぽい見た目や継ぎ目が特徴です

 その反面、大きなデメリットがあります。設置の際にアスファルトは敷いて冷えればすぐに道路として通行が可能ですが、コンクリートでは固まるまで何日もかかります。

 固まるまで時間がかかることは新しい道路ならあまり問題にならないかもしれませんが、既存の道路の補修となるとやっかいです。道路に埋設している水道管などを補修する場合に、掘り返すのも手間がかかり、再び通行が可能になるまでの時間がかかります。

 現在のアスファルトなら簡単な道路工事の場合でも、朝に掘りはじめ、夕方には完全に元通りになっていることが多いですが、コンクリートでは掘るにも固まるにも時間がかかり、交通規制の期間が長くなります。維持管理という点では圧倒的にアスファルトが有利です。

場所を選べばコンクリートが普及する可能性

 これまで、コンクリート舗装はトンネルや橋の舗装によく使われてきました。しかし、2000年ごろから前述の設置コストの関係でコンクリート舗装が見直されてきています。

現在、国内外の多くの国で主流のアスファルト舗装。コンクリート舗装とのシェア率はどのように変化していくのでしょうか

 コンクリート舗装は採用例が少ない中、石川県小松市の国道8号や愛知県名古屋市内の国道22号、岡山県備前市付近で山陽自動車道に採用されるなどの例があり、郊外の道路から採用するケースが増えていく可能性が非常に高まっています。

 また、東京都八王子市内の国道20号は古くからコンクリート舗装を採用しており、比較的交通量が多いにもかかわらず50年あまりの期間において大規模な補修なしに利用されています。

 一方、バイクは路面の変化に敏感な乗り物です。アスファルト舗装では轍の問題がありますが、コンクリート舗装は継ぎ目の段差の影響が出やすい特徴があります。今後は身近にコンクリート舗装の道路が出現したり、コンクリート舗装が増加したりする可能性もあるため、路面の違いなどの特徴を捉えておく必要がありそうです。

【了】

【画像】世界各国で主流のアスファルト舗装

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