ヤマハは2台のEVコンセプトモデルを発表 コーナーリング性能やハンドリング性能も妥協なく仕立てるのがヤマハの使命

ヤマハのコンセプトEVスクーター「E01」「E02」は、全く違う考えで作られた次世代都市型コミューターです。ヤマハらしい作り込みについてお話しを聞きしました。

共同でEVモデルを作り上げた台湾Gogoroの技術を一切使わない理由は?

 ヤマハは、東京モーターショー2019で2台の次世代EVスクーターを出展しました。E01は、都市間を快適に移動でき、急速充電にも対応した都市型コミューター(エンジン出力125cc相当)、E02は、着脱式のバッテリーを装備し、都市内の移動に最適な次世代電動コミューター(エンジン出力50cc相当)です。

ヤマハの都市型EVコミューター「E01」は急速充電が可能

 E01、E02についてヤマハ発動機モビリティ技術本部EM開発統括部 EM開発企画部 開発企画グループ 福田晋平さんにお聞きしました。

――E02のコンセプトについて

 E02のコンセプトは都市内コミューターです。それに耐えうる性能を出せるように開発しています。

――E02の実用化の可能性はありますか?

 コンセプトなので50:50くらいですね。まだコンセプトモデルなので、どのような可能性があるのか測っている段階です。

――「E-Vino(イー・ビーノ)」が発売されてからだいぶ時間が経過しています。今回のコンセプトモデルの技術的進歩はどこまで?

 具体的な数字は言えませんが、E-Vinoは実用に足りないなど色々と声をいただいています。その声をなるべく払拭できるように開発目標を設定して開発を進めています。

ヤマハと台湾のGogoroが共同開発したEC-05

――台湾のGogoroから共同でEVスクーターを発表されていますが、技術共有等は行われていますか?

 協業モデルなので、Gogoroと専用の技術契約をしています。日本に技術を持ってくる事はできないんです。技術屋が見れば内容や仕様はわかるのですが、それを丸々コピーするような事はしません。

――Gogoro製のEVスクーターとは違う技術をE02は使っているのですか?

 そうです。Gogoroさんは台湾でのみの販売で、我々はグローバルで仕事をしています。台湾だけの開発を行っていても我々には未来がなく、いかに世界展開して行くか、それをやるのはやっぱり本社かなという事で、この2つのモデルを発表しました。

E02は着脱式のバッテリーを装備した次世代電動コミューター(エンジン出力50cc相当)

――EV車の開発で苦労されている点は?

 コストと品質の作り込みです。やはりバッテリーが高いので今後当然コストダウンしていきます。ただ他の部品も安くないです。モーターにしろ、ハーネスにしろ、コントローラーにしろ、その辺りを実現させるために、どんどん安くしていく。ただ、ヤマハというブランドがある以上品質を維持しなくてはいけない。そこのバランスが一番苦労しています。

 大陸に行けばいろんな物が安く買えるのが現実にあります。そういうバイクを作っているメーカーもないわけではないです。

 ヤマハ発動機は、品質を下げる事ではなく技術的にコストを下げていく、例えば2個必要な物を一個にしたり、機能を複合化してみたり、コンパクトや軽量化も含め、お客様の手に届くような価格にできるように努力しています。

EICMA2019で発表された電動スポーツバイクKYMCO「RevoNEX」

――今後EVの車種は増える見込みはありますか?

 今台湾市場では、Gogoroがあれだけ受け入れられて、シェアが10%近くあるところが出てきたので、地域はあるでしょうけど、すぐにロードスポーツまで行くかというと、ちょっとまだ早いと思います。

 ただ、広がりを見せる時代に備えて我々も準備しておかないと行けないと考えています。

――E02の主な特徴は?

 特徴は、ビジュアルでシートの下から真っ直ぐに伸びてくるデザイン(後輪に対してアームで伸びているLのようなところ)と、eパワートレインが凝縮されているデザインと技術が収まっています。シートの下に着脱電池があり、一体化されたパワーコンポーネントが技術のコンセプトになっています。

E01は急速充電にも対応した都市型コミューター(エンジン出力125cc相当)

――E01は、どのようなモデルですかまた、E02との違いは?

 E02とE01は全く違うモデルです。E01は、モーターもインホイールではなく、バッテリーもE02は着脱式ですが、E01は固定式です。2つのモデルは、技術的にも全く違うモデルです。

 コーナーリングやハンドリングは、ヤマハとして拘りがあるので、そこは実験と作り込み、いくつかのモードを用意することによって最適なものを選べるようにできる仕様にしたいと思っています。コーナーリング性能に関しては妥協せずに作り込みます。

ヤマハ発動機モビリティ技術本部EM開発統括部 EM開発企画部 開発企画グループ 福田晋平さん

――E01の1番のポイントは? また、今後の展望は?

 固定式のバッテリータイプの電動スクーターで、今後バッテリーが進化しより小さくなることで、もっと積めるようになります。低重心の固定バッテリーモデルは、お客様にどう受け入れられるか我々も正直わかりません。

 重くていらないと言われてしまうかも知れませんけど、その辺りを検証し、世に出せるように、お客様が手に取っていただけるように作り込んでいく、コーナーリング性能などもより走りをわかっている方々からどういう声をいただけるのか期待を答えられるように技術開発して行きます。

※ ※ ※

 E01 は、スクーター技術とEV技術を融合し、日常ユースでの実用性と従来のスクーターを上回る走りの上質感を両立したモデルです。コンフォート性能と新時代のスポーティーさを特徴的に表現したデザインが採用されています。

 E02は、小型・軽量で扱いやすいボディに、手軽な着脱式のバッテリーを搭載しています。バッテリーとモーターで構成されるパワートレインを視覚化したデザインの採用により、軽快な走りを表現しました。また、E02は、次世代「e-Vino」に名乗りをあげるのか注目したいモデルです。

【了】

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