BMW Motorrad新型ビッグ・ボクサーは低回転トルク型 最新の技術を詰め込んだ古典的なレイアウト
BMW Motorradは、コンセプトR18やR18/2などのコンセプトモデルに搭載してきた1800ccの新型ビッグ・ボクサーエンジンの詳細を公開しました。現行のボクサーエンジンとは何が違うのでしょうか。
低回転域から図太いトルクを発揮
BMW Motorradは、これまで4台のコンセプトバイクに搭載してきた史上最大排気量の2気筒ボクサーエンジンの詳細を明らかにしました。

排気量1800cc(計算上では1801.76cc)の新型ビッグ・ボクサーでは、バルブの開閉タイミングを司るカムシャフトと、バルブを押し込むロッカーアームをプッシュロッドで連動させるOHV(オーバー・ヘッド・バルブ)式を採用しています。
また、同エンジンでは1936年から1941年にかけて製造されたR 5 / R 51や、第二次世界大戦後初のボクサーエンジン搭載モデル「R51/2」と同じく2つのカムシャフトが備えられています。

エンジンスペックにおいては、現行の「R1250GS」や「R1250RS」などに搭載されている空水冷4ストロークDOHC水平対向2気筒エンジンが、ボア×ストローク=102.5 mm × 76 mm、最高出力136PS/7750rpm、トルク約14.6kg/6250rpmであるのに対し、ビッグ・ボクサーではボア×ストローク107.1 mm×100mm、最高出力91PS/4750rpm、トルク約16.1kg/3000rpmとかなり低回転トルク型の味付けとされています。
搭載されるモデルはツアラー? ヘリテイジ?
OHVという古典的なレイアウトと空冷/オイル冷却式ゆえのフィン付きシリンダー/シリンダーヘッドを備えることで、クラシカルな外観とされた同エンジン内部には、熱処理された高強度の鍛造クランクシャフトやコンロッド、アルミ鍛造のピストンほか、内壁にニカジルメッキを施した低抵抗のシリンダーなど、その見た目とは裏腹に最新の技術が投影されていました。

さらに新型ビッグボクサーではデュアルイグニッション、最新のシリンダーヘッド燃焼室形状、インテークマニホールドインジェクション、最高のトルクと燃費性能を実現するBMS-Oエンジン管理システムなどが搭載されています。

別体の6速トランスミッションハウジング、吸気システムなどを合わせれば合計110.8kgとかなり巨大なビッグ・ボクサーユニットは、現状どのようなモデルに搭載されるかは未定ですが、そのエンジン特性や外観、これまでのコンセプトモデルを見る限りではツアラーやヘリテイジとの相性が良さそうです。
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