没後30年 松田優作という稀有な才能が乗るにふさわしいスズキ「GSX-R1100」

平成元年、松田優作は伝説になった。数々の配役で人々を魅了した松田が最後に出演したハリウッド映画「ブラック・レイン」は、強烈なインパクトで観客の記憶に鮮烈に今も焼き付いています。

松田優作と最後に共演した大型バイクはスズキ「GSX-R1100」

 松田優作という1人の俳優の存在は伝説である。テレビドラマ『太陽にほえろ!』(1973年~74年)、『探偵物語』(1979年~80年)をはじめ、映画『蘇える金狼』(1979年)、『ア・ホーマンス』(1986年)など数々の名作に出演し、強烈なインパクトで観客の記憶に鮮烈に焼き付いている。1989年11月にこの世を去ってしまったが、彼が画面に残した姿は今なお人々を魅了してやまない。

松田優作の遺作となった『ブラック・レイン』(1989年) TM&(C)1989 by Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved. TM,(R) & (C) 2013 by Paramount Pictures.All Rights Reserved.

 日本国内での人気を不動のものにした彼が、満を持してハリウッドへの進出を果たした映画が『ブラック・レイン』(1989年)であり、そしてまた、彼の遺作となってしまった…。この作品で松田が乗ったバイクはスズキ「GSX-R1100」。公称260km/hという最高速度で、当時まぎれもなく公道最速のマシンだった。享年40歳という若さで時代を駆け抜けた松田が乗るにふさわしいバイクだったと言えるかもしれない。

 当時すでに『エイリアン』(1979年)や『ブレードランナー』(1982年)で高く評価され、ハリウッドの第一線で活躍していたリドリー・スコット監督がメガホンをとった『ブラック・レイン』は、大阪を舞台にヤクザとアメリカの警官との激しい戦いを描く。

 主演のニューヨーク市警の刑事を当時人気絶頂だったマイケル・ダグラスが演じ、日本側の出演陣も高倉健、若山富三郎、内田裕也といった豪華な面々が顔を揃える。その中でひときわ異彩を放っていたのが松田だ。彼が演じたヤクザ・佐藤の一挙手一投足が観客の背筋を凍らせ、その狂気あふれる演技が観客の心臓をわしづかみにした。

スズキ「GSX-R1100(1987年型)」

 劇中、彼の狂気が爆発するのが「GSX-R1100」にまたがり、アンディ・ガルシアが演じる主人公の相棒をなぶり殺しにするシーンだ。現在はリニューアルされて当時の面影は残っていないが、場所は地下鉄谷町線東梅田駅から歩いて阪急梅田駅に向かった先に広がっていた、阪急梅田駅ターミナルビル1階コンコース。長身で手足の長い松田が黒塗りの大型バイクにまたがり、長ドスをかまえる姿はまさに鳥肌モノ。「GSX-R1100」の美しいシルエットと相まって強烈な印象を残している。

 ちなみに、松田がバイクに乗るシーンは全てスタント無しで本人が演じている。物語終盤で農場をバイクで駆け抜けるシーンなど、彼のバイクテクニックを堪能できる作品になっている点も注目だ。

 没後30年を迎えた松田優作。あまりに早すぎたその死を悼む意味も込めて、ぜひ作品を鑑賞してみてはいかがだろうか。

 <<ブラック・レイン場面写真>>
 TM&(C)1989 by Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved. TM,(R) & (C) 2013 by Paramount Pictures.All Rights Reserved.

【了】

【画像】松田優作出演『ブラック・レイン』

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