ホンダ「レブル500」とヤマハ「ボルト」 チョッパー雑誌の編集長が二台の“アメリカン”を乗り比べて感じたこととは

国産メーカーの中でも希少な存在となりつつある“アメリカン”タイプのモデルですが、その代表格といえる存在がホンダ「レブル500」とヤマハ「ボルト」でしょう。ハーレーなどを素材にした“チョッパー”専門誌の編集長は、この2台に乗りどのような印象を抱いたのでしょうか。

近いフィーリングを持つホンダ「レブル500」とヤマハ「ボルト」

 結論を先に言ってしまえば、どちらも“乗って面白い”バイク……今回、ホンダ「レブル500」とヤマハ「ボルト」の比較試乗記事を依頼されたのですが、これが二つのバイクを走らせた時に感じた筆者(渡辺まこと)の率直な感想です。

ホンダ「レブル500」(左)とヤマハ「ボルト」(右)

 レブル500とボルト、その二つの共通点をあえて挙げるとしたら、どちらも“アメリカンタイプ”で“トルク重視”のエンジン特性。また“鼓動感”を感じるという部分でも似たフィーリングとなっています。

 もちろん、スペックを見れば水冷DOHC4バルブ・パラレルツイン500ccのレブルと空冷SOHC4バルブ・60度Vツイン941ccのボルトでは根本的な排気量が違うゆえ、単純に比較することは出来ないのですが、どちらも目指した方向性、開発コンセプトは同じような感触を受けます。
 
 実際に乗ってみると排気量にアドバンテージがあるボルトの方が荒々しいフィーリングを感じますし、まるでハーレーのスポーツスターをチューニングしたかのような“パンチの効いた鼓動感”を味わえます。スペック上では最大馬力が54hp/5500rpmでトルクは8.2kgf/m・3000rpmとのことですが、乗って感じるパフォーマンスは数値以上です。

ヤマハ「ボルト」はノーマルのハーレーより楽しい?

 こうしたアメリカン・モデルの場合、比較対象となるのがハーレーダビッドソンであることは否めないですし、どうしても“元ネタ”として見てしまう感情は個人的に否定できないのですが、たとえば人間の記憶や知識をコンピューターのハードディスクのように“初期化”出来るとすれば、ボルトのエンジンフィーリングは文句のつけようがありません。それどころか、ともすればノーマルのスポーツスターより楽しいとさえ感じます。

面白いエンジンフィウーリングを持つヤマハ「ボルト」に乗る筆者(渡辺まこと)

 その一方でホンダのレブル500ですが、こちらのエンジン形式は水冷のパラレルツイン。記憶や知識を“初期化”するまでもなく、ハーレーの型式(Vツイン)とは別モノとなっています。ちなみにパワーは46ps/8500rpmで最大トルクは4.4154kgf/m.・6000rpmとなっており、ボルトに比べると高回転型に感じてしまうかもしれませんが、コチラもアクセルを“グイッ”と捻り、走らせた時に感じる“ゼロ発進”のトルクと“ドコドコ感”はなかなかのもの。また、リアサスの動きが鈍いボルトと比べると車体のバランスも良いです。

 とはいえ、この2車種は単純に排気量の大小からもお分かりのとおり、ヘビー級とジュニアヘビー級を比較するようなもの。どちらにも、どちらの良さがあるように感じます。個人的には街中を軽快に流すならレブル、高速道路を使ったロング・クルージングならボルトといったところでしょうか。どちらも“アメリカン”らしいトルクと鼓動は堪能出来ます。

ホンダ「レブル500」に乗る筆者(渡辺まこと)。街中を軽快に流すのに最適仕様となっています

 たとえば“アメリカン”というカテゴリーで括ると“ハーレーダビッドソン”、特にこの2車種の場合、スポーツスターとの比較は避けようがないと思うのですが、筆者の個人的な感情をあえてここで言わせて貰えば、私自身はことさらな“ハーレー信者”ではありません。

 乗ったフィーリングが面白く、スタイル的にオリジナリティを感じるものなら基本的には何でもアリだと思っています。これはお伝えするニュアンスも難しいのですが、アメ車のV8に対してフォルクス・ワーゲンの空冷フラット4やトヨタ・ハイラックス、そしてダットラなどのピックアップ・トラックにも“アメリカ”を感じるとでもいえばいいでしょうか。

 そうした部分を踏まえると個人的にはレブル500の方が好みですが、アタマの中に思い描く“アメリカンらしい荒々しいフィーリング”を求める方にはボルトをオススメします。いずれにしても“カスタム”してしまえば問題ナシでしょう。“素材”としてみれば、どちらも魅力的なバイクです。

【了】

ヤマハ「ボルト」とホンダ「レブル500」を画像で比較

画像ギャラリー

Writer: 渡辺まこと(チョッパージャーナル編集長)

ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。

最新記事