異例の12時間中断! その時いったい何してた!? EWC ボルドール24時間

フランスのポールリカールサーキットで行われた世界耐久ロードレース選手権(EWC) 開幕戦、ボルドール24時間。2019年9月21日の15時から22日の15時までの24時間、レースが行われる予定でしたが、悪天候により18時からの約12時間中断となりました。再開するまでの長時間、現地ではいったい何がおこなわれていたのでしょうか。

18時から6時までの約12時間レースが中断

 2019-2020世界耐久ロードレース選手権(EWC)の開幕戦として、フランスのポールリカールサーキットで行われたボルドール24時間。

 伝統の24時間耐久として行われた同レースでしたが、スタートした約3時間後、悪天候により赤旗中断。その後レースが再開されたのは翌朝6時、約12時間後のことでした。この空白の12時間のあいだ、現地ではいったいなにがおこなわれていたのでしょうか?

レースにセーフティーカーが介入する様子

 雨のなか9月21日の15時(現地時間)にスタートを切ったボルドール24時間でしたが、約50分が経過した頃に転倒車からのオイル漏れが発覚し、1度目のセーフティーカー(SC)が介入します。

 その後、約45分のSCランを経てレースは再開するも、2時間半が経過した頃に再び転倒車からのオイル漏れが発生。

 2度目のSCが介入したことによりスロー走行が続き、タイヤがどんどん冷えていくだけでなく、雨量が増えたことで危険との判断が下り、18時頃に赤旗が出されます。

 通常、レースが赤旗中断となった場合、再開時間は状況によって突然決まることが多いので、刻一刻と変化するコースや天候に注意しながら、ライダー・チームはピットで再開のアナウンスを待つのですが、ボルドールでは赤旗中断の約2時間後となる20時に、レースの再開予定時刻を翌朝6時と発表。そこから約10時間の中断が決定となりました。

 耐久レースでは、ライダーの交代する順番や時間をチームで決めていたとしても、転倒やマシントラブルによる予定外のピットインがあり得るため、予定は目安。ライダーやメカニックなどすべてのスタッフが、いつでもそれぞれのポジションに対応できるように準備をします。

 そのため24時間レースとなると仮眠が取れるか取れないか、極限の覚悟でレースに挑むのですが、レースが約10時間再開されないことが確定したとなると話は別。いったいなにをするのかと様子を見ていると、ほぼすべてのチームがピットを閉め、睡眠をとるというのです。

 そして、1時間、2時間と時間が経過するごとに、ピットやピットビルの電気は消えていき、明かりは街灯のみの状態に。騒がしかったパドックも静まり返り、人影もどんどん少なくなっていきました。

赤旗中断後のピットの様子

 驚いたのは、静まり返ったのはパドックだけではなかったことで、私(先川 知香)たちプレスが取材時に拠点とするメディアルームの電気も消され、いつの間にかほかのプレスの姿もどこかに消えてしまいます。

 みんないったい何処に行ってしまったのか。雨のなかパドックを徘徊していると、駐車場がモーターホームやキャンピングカー、テントでいっぱいなことに気付きます。

 ボルドール24時間では、ほとんどのチームスタッフやライダーはモーターホームやキャンピングカー、テントでレースウィークを過ごしているため、突然、睡眠を取れることになったとしても、寝床には困らないのです。

 徹夜で24時間耐久レースの取材をするという想定しか考えていなかった私は行き場を失い、居場所を求めて客席側にも行ってみたのですが、昼間にぎわっていた食べ物の屋台もすべて閉店し、観客の姿もほとんどありませんでした。

パドックの駐車場にずらりと並ぶテントとキャンピングカー

 レースが異例の12時間中断となった、EWC ボルドール24時間。その長い空白の時間に、現地ではなにがおこなわれていたのか。その答えは、まさかの「睡眠」でした。

 そしてレースは何事もなかったかのように、予定通り翌朝6時に再スタート。

 24時間の耐久レースを戦う過酷さを経験できなかったことは残念でしたが、ボルドール24時間という伝統あるレースの真っただ中で、参加するほぼ全員が寝静まる。そんな貴重な光景を、目の当たりにすることができました。

 いつかEWCの24時間レースに行きたいと考えている人は、「レースが長時間中断した時は、みんな寝る」という想定も、旅の準備に入れておいた方がいいかもしれません。

ボルドール空白の12時間の様子を写真で見る(27枚)

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