ミドルクラスのロードスター BMWモトラッド「F900R」はどんなバイク?

BMW Motoradのミドルクラス「F」シリーズがモデルチェンジしました。排気量アップ、燃料タンクの移設、最新の電子デバイスなど、新型「F900R」は先代からどのように進化したのでしょうか。海外で行なわれた試乗会に参加した松井勉氏が解説します。

とにかくクールな、新世代「F」シリーズ

 2020年に二輪の新環境規制「ユーロ5」が始まり、それに適合した新型モデルが続々とリリースされています。BMW Motorrad(以下、BMW)もその例外ではなく、この春、世界に向け複数の新型を投入します。その中の1台が、ここに紹介するF900R(エフ・キュウヒャク・アール)です。

BMW Motorrad新型「F900R」に試乗する筆者(松井勉)

 BMWのミドルクラスを受け持つ「F」シリーズ。先代のF800Rはその乗りやすさ、デザイン性の良さ、BMWお得意の豊富なオプションアイテムを選べば、ストリート仕様にもロングツーリング使用にも早変わりできる多面性を持つ優れたネイキッドとして多くのライダーに支持されてきました。その最新型がF900Rなのです。

 先代モデルがアシンメトリーなGSフェイスから現代的で力感のあるフェイスとボディを手に入れたのが2015年のこと。新型はそのイメージを踏襲しながら、一目で新鮮かつ力強くなっているのがわかります。LEDを採用したライトユニットは、コーナリングランプを持つ多機能タイプでありながら小型で凝縮感があります。

 ボディまわりでは、先代Fシリーズが単気筒時代から長らくリアサブフレーム一体形の燃料タンクを採用してきました。新型ではリアまわりのデザインの自由度と、軽量な樹脂タンクの採用により燃料タンクをエンジン上部に置き、リアまわりを一挙にコンパクト化しています。それでいて、しっかりとパッセンジャーを含めた居住空間が確保されているのが、いかにもBMWらしいところです。

 ラジエターのスポイラーや、エンジン下部のパネルもフロント周辺に視線を引き寄せます。とにかく、見た目がクールです。

排気量895ccの水冷並列2気筒OHC4バルブエンジンを搭載

 搭載されるエンジンは、並列2気筒ながら270度位相クランクで、パルス感あるエンジンサウンドを奏でるほか、後輪が地面を蹴る感じが明瞭なのも新世代Fエンジンの特徴です。

 2018年デビューのF850GS用エンジンをベースに、2mm外径の大きなピストンを採用し、排気量を42cc上乗せして895ccへ。パワーもGS比で10馬力上乗せされています。

 このエンジンを搭載するフレームは、スチール製ブリッジ型メインフレームとボルトオンされるサブフレームの組み合わせで、ライディングの正確性を生む剛性バランスが与えられています。

 また、ライダーの足つき性を向上させるため、シート前端部分周辺のフレームをしっかり絞り込んでいます。ここにも燃料タンク移設の理由が潜むように思えます。

インストルメントパネルにはすべてのグレード共通で6.5インチTFTディスプレイを装備

 エレクトロニクスの進化も忘れてはいけません。まずインストルメントパネルは6.5インチTFTカラーモニターとなりました。このモニターはインターフェイスの面でもBMWが一日の長を誇っています。左グリップ部にあるマルチコントローラーと上下キーを操作するだけで情報表示を切り替え、また欲しい画面へとアクセスすることも可能です。

 また、ライディングモードもレイン、ロード、ダイナミック、そしてダイナミックプロを選択することが可能で、とくにダイナミックプロでは、トラクションコントロールやABS、新たに搭載された「エンジン・ドラッグ・トルク・コントロール」の介入度合いも好みに合わせてチューニングができるようになっています。

 同時に、BMWのアプリ、コネクテッドをインストールしたスマートフォンとリンクさせることで、様々な情報のやりとりや、ナビゲーションも可能になったのも大きな特徴です。

BMW Motorrad新型「F900R」に試乗する筆者(松井勉)

 新型「F900R」でどのようなライディングが楽しめるのか? 試乗インプレッションはあらためてお届けします。

【了】

【画像】BMW Motorrad「F900R」(9枚)

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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