海外レースにいってみよう! ニッチな職業バイクタレントが観戦までの道のりをレポート!~中編~
ニッチな職業「バイクタレント」として活躍する岸田彩美さんは、2019年に自身初の海外レース観戦を行いました。岸田さんが見たトライアルとはいったいどのような競技なのでしょうか。
そもそもトライアルってどんな競技??
前回に引き続き、イビサ島で開催されたトライアル・デ・ナシオン2019初めての海外レース観戦についての流れでお届けします。
が! まずはトライアルという競技について知らない方も多いと思うので、ここでレクチャーしちゃいますね。

イギリスで発祥されたと言われているトライアルは、その当時は馬で競い合っていたと聞いています。それが時代の変化によりバイクに変わってきたというわけです。語源も色々あるそうですが、試す=トライから来ているんだそうですよ。
トライアルは、自然の岩や急な上り坂などに設定されたセクションと呼ばれるコースを、制限時間内にいかに足を着かずに走り抜くことができるかを競う競技です。大自然の中で戦う競技でもありますが、“エックストライアル”という屋内スタジアムでのトライアル競技もあるのです(現在エックストライアルは日本では開催がありません泣)
国内では世界選手権をツインリンクもてぎ・全日本選手権を年間全7戦転戦し、北は北海道、南は九州で開催します。
また、2018年には新しい試みとなる“CityTrial”(街中でのトライアル競技)が大阪の通天閣で行われました。
オンロードやオフロードトラックを使用した誰が一番速いかを競うレースとは違い、選手が戦う姿を間近で見ることが出来るのもトライアルの魅力です。しかも、ヘルメットも表情が見えるオープンフェイスなんですよ。
また選手同士がフレンドリーなので、難しいセクションがある時は、皆でどういうラインを走るか話し合ったりすることもあるんです。私はそんな人間性が垣間見えるところがトライアルの大好きなところです。声援も送りやすいですしね。
また女子のみなさんにとっては選手の筋肉美もたまらないかも…… !? ウエアがピタッとしているのでお尻がとっても美しいのです。※機能性を考えてのウエアです
そうそう、バイクってシートに座って操作をすると思いますが、このトライアルバイクは、シートがありません! ステップに両足を乗せ、スタンディングした状態で技を競い合うのです。
また、この競技で忘れてはいけないのが「マインダー」と呼ばれる、選手のサポート役です。一緒に走るラインを考えたり時間を伝えたり。マシンに異変が起きたらチェックしたり、選手に危険が及びそうなときに支えたりとマインダーさんは影の立役者! 二人三脚で戦います。
トライアルのルールは?
トライアルのルールがわかったらより競技を楽しめると思いますよ!

トライアルはセクション内、一度も足を着かずに走りきるとクリーン=減点0
足を地面に1回着いたら1点減点・2回着いたら2点減点・3回着いたら3点減点です。足つきは、3回以上は何度足を着いても3点です。
後ろに下がってしまった・セクションテープの外に出てしまった・ゲートマーカーを動かしてしまったなどは最大減点の5点を取られます。
また世界選手権では、ノンストップルールがあり、競技中は常にタイヤを動かしてないといけないのです。少しでも止まってしまったら最大減点5点を取られるというシビアな世界。一見地味に見えるかもしれませんが、ものすごい運動量と集中力、ラインを正確に読み取る判断力がないと戦えないのです。
では次こそ!トライアル・デ・ナシオンの観戦レポートをお届けします。お楽しみに♪
【了】
Writer: 岸田彩美
食べる事とインコが大好き。愛称:あやみん。2011年駒澤大学準ミスグランプリを取得後、ツインリンクもてぎのイメージガール、ツインリンクもてぎエンジェルを務めた。任期中に様々なバイクの楽しみ方に出会いその魅力に心を奪われた。トライアルデモンストレーション、MotoGP 日本グランプリでステージMCなどバイクのイベント出演や司会も務める。