群馬県は飲食系自販機の聖地!? バイクで巡りたい昭和スポット『丸美屋自販機コーナー』に行ってみた
自販機で熱々のうどんやラーメン、ホットトーストを頬張り缶コーヒーで暖をとる。絶滅しかかっている飲食系の自販機が、なぜか群馬県には複数残っています。『丸美屋自販機コーナー』に行ってみました。
渓谷沿いの道に現れる、昭和レトロな飲食系自販機店舗
いまはもう絶滅しかかっている飲食系の自販機が、なぜか群馬県には複数残っています。自販機から供給される熱々のうどんやラーメン、ホットトーストを頬張り、缶コーヒーで暖をとる。レトロな自販機を置く店舗は、ツーリング途中の休憩に最適です。

群馬県みどり市(東町花輪1973)にある『丸美屋自販機コーナー』は、バイクで走るとたいへん気持ちの良い、渡良瀬渓谷沿いの国道122号にあります。外観もなかなかレトロな雰囲気を醸し出しており、中に入ると「旅の思い出帳」のようなノートも置かれています。
いきなり太平洋工業社製のトーストサンドイッチの自販機が目を引きますが、いま食べたいのは汁モノです。富士電機の麺類自販機で暖かいラーメンを食べます。
「唐揚げラーメン」というメニューと、普通のラーメンが同じ値段(300円)で並んでいますが、ここは初めてということで、純粋にスタンダードな方をチョイス。
調理中の表示はデジタル数字です。こういう1970年代から1980年代の表示には懐かしさを感じずにはいられません。このころのデジタル腕時計などもいい味を出しています。
気になるのは手書きの貼り紙。「当たり」はニワトリの卵、「ハズレ」はうずらの卵だそうです。そして出てきたのはウズラの卵でした。結果ハズレではありますが、器や麺とのサイズ感が丁度良く、味も良いので当たりの気分を味わえました。

スタンダードな醤油味のスープにツルツルの麺、普通に美味しく頂けます。とくにチャーシューが絶品で、これだけでお金を取れるのではないかというほど。一食のボリュームはよくある中華飯店の小ラーメンくらいなので、まだ食べられます。
ということで隣の「かき揚げ天ぷらうどん」へ。こちらにも貼り紙があり、エビ天が「大当たり」、カボチャとさつま芋は「中当たり」だそうです。そして出てきたのはエビ天! 大当たりです。
また「青とうに注意」とあります。うどんもなかなか、つゆは出汁もきいて大当たりのエビ天もプリプリ。青とうを少しかじるとピリリとした刺激で一味いらず。
ここにはゲーム機の類はなく、純粋に飲食の自販機のみが設置されています。訪れた日にはツーリング中のライダーたちが数名来店しており、1986年型のヤマハ「VMAX」オーナーとしばし歓談。地元で働いているのだろうという人も見られました。
たまたま自販機の食材を納品している業者も見られ、山道にしてはなかなか賑わっています。またここは渡良瀬渓谷鉄道も通っており、近くに無人駅もあります。
都会の人混みとは無縁なこのスポット、バイクやクルマで訪れ、昭和レトロな自販機で味と雰囲気を堪能する、そんな過ごし方も良いのではないでしょうか。
【了】