ホンダ「CB-Fコンセプト」はなぜ丸形エンブレム採用? CB750Fと同様の「HONDA」デカールを採用しない理由とは?

ホンダは3月27日にリッタークラスのスポーツバイク「CB-Fコンセプト」をホームページで世界初公開しました。開発者はどのような思いを込めたのでしょうか。

CB-Fコンセプトに込められた開発者の想いとは?

 ホンダは3月27日に大型スポーツモデル「CB-Fコンセプト」をホームページ上で世界初公開しました。

ホンダが世界初公開した「CB-Fコンセプト」とホンダモーターサイクルジャパンの加藤千明社長

 CB-Fコンセプトは、1979年にホンダが発売した「CB750F」をモチーフにデザインされたコンセプトモデルで、当時の外装の雰囲気を踏襲しつつ、最新の足回りやエンジンが搭載されています。

 CB は、実用二輪車中心だった 1959 年、「ベンリイCB92 スーパースポーツ」が登場して以来、 レースで培った独創的な技術の反映とともにライダーとの親和性を高め続け、多彩な楽しさを グローバルに提供する Honda スポーツバイクの代表ブランドです。

 今回の発表に際し、CB-Fコンセプトを開発したホンダの二輪事業本部 事業企画部 カテゴリーGM 坂本順一さんは次のようにコメントしています。

「2019 年には誕生60周年を迎え、日本では様々なCBのイベントを展開する中で、多くのお客様から『次のCB』への熱く、強い期待をいただきました。

 それは私達、開発を担う者にとって『常にお客様とともにあるCB』『新たな市場を創造してきたCB』の 価値を見つめ直す機会へとつながり、この『CB-Fコンセプト』提案への動機となりました。
 
 世界中のお客様とともに築いてきた「F」の系譜、それは市街地での取り回しからツーリング先の ワインディングロードやタンデムライドまで、ライダーの求める幅広いファンライドに応える『懐の深さ』と情緒豊かな走りの提供を意味します。
 
 同時に『日本オリジナルのスポーツバイク』を広く世界中に問い続けてきた先人達の、チャレンジに 満ちたものづくりの気概を、これからも受け継いでいく覚悟の証としてこれを提案致します。
 
『CB-F コンセプト』は、日本からグローバルに提案するコンセプトモデルとして、今後日本のみならず 世界のお客様に実車をご覧いただく機会を通し、『今後のCB』に対する Honda自身の考えをより 深めるために開発致しました」。

当時と異なるタンクの丸形エンブレムは「最高グレード」の証

 CB-FコンセプトのモチーフとなったCB750Fでは、タンクに「HONDA」と描かれたデカールが採用されていましたが、CB-Fコンセプトでは高級感のある丸形のエンブレムが採用されています。なぜ、このようなデザインにしたのか、ホンダの広報担当に伺ってみました。

「HONDA」と描かれたCB750Fとは異なり丸形のエンブレムを備えたCB-Fコンセプト

―――CB-FコンセプトはCB750Fにかなり寄せたデザインであることが伝わってきますが、なぜタンクにデカールではなく丸形のエンブレムを採用したのでしょうか。

 近年、ホンダではスポーツモデル各シリーズの最上級グレードにはご覧の丸形エンブレムを採用する流れとなっています。CBRシリーズ、CBシリーズ、新生代CBシリーズ、アフリカツインなどがその対象で一部、現在ではシリーズ化されていないVFR800Fなどにもこのエンブレムを採用しています。

 今回発表されているCB-Fコンセプトはそうした流れかた当時のような「HONDA」デカールではなくエンブレムとさせて頂きました。

―――スーパーカブC125やCT125ハンターカブ、モンキー125などに備えられたエンブレムとはデザインが異なりますが、なにか理由があるのでしょうか。

 CB-Fコンセプト等に採用されているウイングマークは深みがかった赤とすることで高級感の向上に寄与するデザインとなっております。

 対してスーパーカブC125などの小型モデルに採用されたウイングマークは昔ながらのデザインとすることで、ホンダのアイデンティティを表現するといった意味が込められています。
 
 もちろん大型モデルでもそれぞれのシリーズのアイデンティティは受け継がれていますが、ニュアンスが若干異なるとでもお伝えすればよろしいでしょうか。

※ ※ ※

 ホンダによると、CB-Fコンセプトの市販化については未定とのことですが、各地で開催される「CBミーティング」などでの展示が予定されています。

【了】

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