盗んだ“ベスパ”で走りだす!? アメリカ人パンク・ロッカーが歌う「15の夜」

シカゴ在住メロディック・パンク・ロッカーのスコット・マーフィーが歌う尾崎豊の「15の夜」。新たな解釈と表現で、伝説的ロックスターの名曲に更なる魅力を与えた傑作カヴァーです。

アメリカ人が歌う「15の夜」は必見!

 2000年代後半、日本の音楽シーンに大旋風を巻き起こしたシカゴ在住メロディック・パンク・ロッカーのスコット・マーフィーによる“逆輸入J-POPカヴァー”。CDセールスはもとより、6万人規模の全国ツアーが全日程完売、いくつもの音楽フェスに出演を果たすなど、アメリカ人の彼が日本語で歌う新鮮でユニークな音楽は、多くの日本人の心を鷲掴みにしました。

ミュージックビデオに登場するバイクはベスパのLX50

 彼がカヴァーするのは、スピッツ「チェリー」やドリカム「未来予想図II」、岡村孝子「夢をあきらめないで」、イルカ「なごり雪」などなど、世代を超えて愛され続ける曲ばかり。その選曲からも、彼が抱くJ-POPへの想いの深さを感じ取ることができます。

 今回ご紹介するのは、尾崎豊の代表曲「15の夜」のカヴァーと、そのミュージックビデオです。青春時代の葛藤や衝動を歌ったこの曲は、「盗んだバイクで走り出す」という印象的な歌詞でも広く知られるところ。

 その“盗んだバイク”の車種について、生前の尾崎豊自身が明かしたとされているのがヤマハ「パッソル」という50ccの原付バイクです。一方、スコット・マーフィーがミュージックビデオ制作にあたり、この曲を象徴するバイクとして選んだのはベスパ「LX50」でした。

生前の尾崎豊自身が曲のモデルにしたヤマハ・パッソルの上級車種「パッソーラ(1978)」

 LX50は、ベスパのフラッグシップモデルである「GT」シリーズのデザインの流れをくみつつ、ひと回りコンパクトなボディサイズとなっています。誰にでも乗りやすいオートマチック車ですが、後車輪と一体になったエンジンとドライブユニット、そして伝統のスチールモノコックボディはしっかりと継承しています。

 さて、ミュージックビデオに登場するスコットは、アメリカのスクールの制服を気だるげに着崩し、黄色いLX50で片田舎の一本道を駆け抜けてみたり、後ろに女の子を乗せてツーリングしてみたり。青臭さにほんのりと甘酸っぱさをブレンドし、原曲の持つ圧倒的な世界観とは一味違ったアプローチによって“永遠の青春”をビジュアライズしています。

 スコット・マーフィーならではの解釈と表現で、伝説的ロックスターによる珠玉の名曲に新たなる魅力を与えた傑作カヴァー。もしも知らずにスルーしていたなら、なんとももったいない作品ですよ!

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