「川」マーク初登場 カワサキ「Ninja H2/H2R」 当時のティーザー動画は5本目でも全貌現れず……

2014年にティーザー動画で登場を仄めかしていたカワサキ「Ninja H2/H2R」は、スーパーチャージドエンジンを搭載するカワサキ独自の新開発バイクです。登場と同時にオーナーとなった小林ゆきさんが、当時の様子を振り返ります。

その姿が徐々に明らかに……なっていかない!? 「Ninja H2/H2R」動画チラ見せ考察

 その全貌を見せるまで、じわじわとディティールを切り取りながら公開していくティーザー広告という手法。センセーショナルに登場したカワサキ「Ninja H2」と「Ninja H2R」は、YouTube用のティーザー動画から発表されました。

登場して真っ先に購入したというカワサキ「Ninja H2」(初期型)に乗る筆者(小林ゆき)

 最初の動画、Vol.1が公開されたのが2014年9月1日で、Vol.4は9月8日、まだこの時点で「H2」の全体像はまったく明らかになっていません。

 動画の冒頭では黒背景に白文字で“Ninja”の文字が示されますが、これまでのように、その縁はあまりギザギザしていません。もしかして、このロゴは新たなるNinjaロゴの意匠なのか? と思わせます。

 すかさず文章が浮かび上がってきます。

「Kawasaki’s leading edge.:カワサキは最先端である。」

2014年9月8日に公開された4本目となるティーザー動画『Ninja H2: Vol.4 Performance Leaders: Ninja』

 さらに浮かび上がるのが赤いバイクのシルエット。新しい「H2」はこれなのか? と思っていると、明瞭に現れたのは「GPZ900R」の画像でした。

「Performance leaders of their time:当時のパフォーマンス・リーダたち」

 とのキャプションが添えられ、続いて「ZZR1100」の走りの映像に続きます。さらに「ZX-12R(ZZR1200)」、「ZX-14R(ZZR1400)」の走行シーンへ……。

 いったい「H2」はパフォーマンススポーツの「GPZ900R」の後継なのか? それとも、フラッグシップの「ZZR」シリーズの後継なのか? そう思っているうちに……

「Leading the industry into a new era…:業界を新しい時代に導く……」

……という文字が浮かびあがり、いよいよ「H2」の登場なのか!? と思わせぶり。

 1分13秒……ようやく、H2のシルエットが明らかになります。ただし見えるのはマシンの上側だけ。エンジンなどブラックアウトされていて見えません。

 いまとなってわかるのは、このシルエットは「H2」ではなく「H2R」だ、ということ。バックミラーやウインカーが見当たらず、タイヤがスリックタイヤだからです。

カワサキ「Ninja H2 CARBON」(2020年型)

 物理的にミラーが付いていなくても後方が確認できる新技術を搭載しているのだろうか? タイヤが溝のないスリックに見えるのは、まだスケッチ段階のCGなんじゃなかろうか?

 シルエットから考察すると、どちらかと言えば「GPZ900R」の系譜ではなく、「ZZR」寄りのフラッグシップっぽい雰囲気を感じます。

「なんだ、Ninjaじゃないじゃん」とも思いましたが、“アゴ”のあたりに何やらナマズのヒゲのようなものが伸びているのも確認でき、元祖ニンジャのアイデンティティをここに継承しているのだろうか、とも思いました。

 このティーザー動画が公開された当時を思い出すと、そんなことを脳内でワイワイ言いながら何度も繰り返し見たのでした。

 さて、Vol.4公開から3日後にはVol.5『Ninja H2: Vol.5 Historical Emblem』と題したわずか58秒の動画が公開されました。

2014年9月11日に公開された5本目となるティーザー動画『Ninja H2: Vol.5 Historical Emblem』

 歴史的なエンブレム? いぶかりながら動画を再生すると「Kawasaki River Mark」の白抜き文字が……。

 そして現れたのは、川崎重工業の造船所のドックです。そこには、見慣れた“Kawasaki”の文字ではなく、少し古くさい書体の大文字が並ぶ“KAWASAKI”の文字。

 続いて、サビついた水平対向6気筒のエンジンが現れます。さらにシリンダーヘッドにズームインすると、そこには昔のカワサキに使われていた旗の紋章が象られています。

「これか? これが“River Mark(リバーマーク)”なのか!?」

「川」のマーク(River Mark:リバーマーク)の石碑。1909年(明治42年)に建設された本社社屋の玄関上に設置されていたもの

 次に出てくるのが、何やらモスグリーンのエンジンらしきもの。おそらくこれは発電用のガスエンジンではないでしょうか。こちらも丸い特徴的なマークにズームインしていきます。

 そして20秒経過し、“KAWASAKI AIRCRAFT”の文字が添えられている旗のマークが出てきます。しかし現れたのは、黎明期のカワサキのモトクロッサー「B8」です。ようやくここでバイクが登場しました。真っ赤なガソリンタンクにはカタカナで「キサワカ」(右から読む)のペイント。

 次に「W1」とエンブレムが。
 さらにはヘリコプターが。
 そして、鉄道車両まで!

 川崎重工業の歴史や製品を網羅するような紹介動画になっていますが、「H2」はどこへ行ったのでしょう……?

 そしてティーザーは告げます。

「Return of the Kawasaki Emblem:カワサキエンブレムの復活」と。

 なるほど! 「H2」にはあの丸っこいエンブレムが付くのね! と理解したあとに現れる「H2」のどこかの部分。この時点ではまだそれがどの部分なのか判然としませんでした。

カワサキ「Ninja H2」を手に入れた当時の筆者(小林ゆき)

 発売前に予約して「H2」を手に入れた私(小林ゆき)ですが、ウハウハしながら正面からの写真を知人に見せると、「新しいヤマハを買ったんだね!」などと言われてしまうことがありました。

 遠目に見ると、丸っこいエンブレムがヤマハの音叉マークに見間違えられてしまうようです……(つづく)。

【了】

【画像】カワサキ「Ninja H2」ティーザー動画に込められたメッセージとは!?

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Writer: 小林ゆき(モーターサイクルジャーナリスト)

モーターサイクルジャーナリスト・ライダーとして、メディアへの出演や寄稿など精力的に活動中。バイクで日本一周、海外ツーリング経験も豊富。二輪専門誌「クラブマン」元編集部員。レースはライダーのほか、鈴鹿8耐ではチーム監督として参戦経験も。世界最古の公道バイクレース・マン島TTレースへは1996年から通い続けている。

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