スズキ「GSX-R125」の魅力! 原二の車体に凝縮された「GSX-R」シリーズ直系のスポーツバイクとは?

スズキのスーパースポーツ「GSX-R」シリーズにあって最小排気量エンジンを搭載する「GSX-R125 ABS」は、いったいどのようなバイクなのでしょうか。

ルックスもライディングも、なるほど「GSX-R」シリーズ直系だと納得

 スズキの「GIXXER(ジクサー)」が「GSX-R」を発音したときの聞こえざまを表現した愛称から名付けられたことはお馴染みです。スポーツマシンGSX-Rが持つ強いブランド力、サーキットとスポーツライディングの雄です。

スズキ「GSX-R125 ABS」(2020年型)に試乗する筆者(松井勉)

 今回「GSX-R125 ABS」を走らせて、このコンパクトな直系モデルにも、それに相応しいDNAが注入されていることに嬉しくなりました。それほど走りが楽しめたのです。

 まずスタイルを見て下さい。LEDヘッドライトが収まるカウリングは「Moto3マシンか!」という空力スタイルです。細身の燃料タンクとシートカウル、セパレートハンドルと後退した位置にあるステップ、それにブランドカラーのブルーメタリック攻めはどうです。

 足まわりに目を移すと、細いスポークで反対側の抜け感が軽さを主張するホイール、インナーローターを省き、バネ下重量と慣性モーメントを減少させたフロントのブレーキディスク、リアサスペンションもリンク式です。どこを見てもスポーツマシンの必須項目の集積体。サーキットのアロマが香るではないですか!

 エンジンも見逃せません。ほぼカウルで見えない部分ですが、DOHC4バルブ、ボア×ストロークが62mm×41.2mmから解る通り、ビッグボア、ショートストロークです。最高出力の発生回転数が11,000rpm、最大トルクの発生回転数が8,000rpm。125ccらしく回るのみ、とスペック表から連想しました。

 跨がると、単気筒エンジン搭載車らしい細身の車体が印象的です。ライダーの動きやすさを最優先したデザインがされているのが解ります。コンパクトにも関わらず身長183cmの私(筆者:松井勉)でも窮屈さがない。ここは嬉しいポイントです。手足の長い若いライダーにも同様の印象が得られることでしょう。

スズキ「GSX-R125 ABS」(2020年型)カラー:トリトンブルーメタリック

 エンジンを始動すると、規則正しい単気筒サウンドを奏でます。コックピットのLCDモニターは、コンパクトながら必要な情報が見やすく配置され、ギアポジションインジケーター、レブリミットライトも装備。125クラスとはいえ、GSX-Rだけに抜かりなしです。

 市街地へ走りだします。4スト125ccのエンジン、134kgの車体に大柄なライダー。発進から気を使うかな、と思ったものの、スルスルと力強く押し出されました。ミッションレシオを見ると1速をローギアードにして2速から6速までをクロスさせたギアレシオ設定もあり、試乗中にエンストするかも、という危機感は一度も味わいませんでした。

 アクセルを軽く開ける程度でしっかり加速、エンジンの回転数にして5000rpmから7000rpmまで回してシフトアップ、マックストルクを生み出す回転数周辺の加速にしっかりと盛り上がり感があり楽しめます。シフトアップ時に感じるクラッチの切れ、つながりにも質感があります。

 そして減速しはじめた瞬間、ブレーキレバーのタッチと制動感のバランス、そしてフロントサスペンションの吸収性がスポーツバイクとしてチューニングされているのがわかります。気持ちが良いのです。

 交差点をスっと曲がる瞬間、確実な旋回性とライダーを驚かさないようにリーンしてくれます。つまりイメージ通りに曲がれるのに優しい。バイクが自分だけ曲がってしまったり、曲がる実感がないまま曲がり終えたり、ということがない。交差点レベルから一体感があるチューニングなのです。

搭載される排気量124ccの水冷単気筒DOHC4バルブエンジンは最高出力11kW/10,000rpm、最大トルク11N・m/8,000rpmを発揮

 郊外へと足を伸ばします。里山のワインディングを走る時も、バイクが軽くてフワフワする、ということがなく、市街地で感じたようにしっとりとした乗り味で確実に曲がり、走り、止まります。このバランスが絶妙。GSX-R1000が持つスポーツライディング時に感じる充実感を楽しめます。

 レブリミット周辺まで回すとエンジンのヘッド周りが賑やかになるものの、そこまで回す前の9000rpmでシフトチェンジしても力不足を感じません。ワインディングで大排気量のバイクを追いかけながら走った時、コーナーへの進入や旋回では軽快で手ごたえのある走りが光り、互角以上の走りを楽しませてくれます。

 荒れた路面からの衝撃を吸収するサスペンションですが、旋回時間の長いカーブでペースを上げた時、もう少し減衰圧を上げてみたいかな、というのが、今回唯一の「あればもっと良かった」という項目です。

細身の車体で左右の間隔も狭いフロントフォークにはセパレートタイプのハンドルバーを装備。デジタル表示の多機能メーターにはフル液晶ディスプレイを採用

 結局、楽しくてお尻が痛くなるほど距離を走ってみたものの、夢中になれる楽しさは変わらず、想像以上に燃費も良好でした。ABSをあえて作動させてみても、安心感があるもの。これからバイクの世界に入る人はもちろん、シンプルで軽量なだけにライディングを磨きたいライダーにも推薦したい逸材です。さらに、インターネットを探って見ると、いじりたくなるパーツが豊富でカスタム派にも良質な素材だと言えるでしょう。

 侮りがたし125、さすが「GSX-R」の看板に偽りなし、でした。

※ ※ ※

 スズキ「GSX-R125 ABS」(2020年型)の価格(消費税10%込み)は39万3800円です。カラーリングは「トリトンブルーメタリック」「ブリリアントホワイト」「タイタンブラック」の3色設定です。

【了】

【画像】スズキの原付二種スポーツバイク「GSX-R125 ABS」詳細(12枚)

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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