MotoGP2020の最終戦に決定したポルトガルGP! 初開催のポルティマオってどんなサーキット?
FIM(国際モーターサイクリズム連盟)は2020年8月10日、MotoGPの最終戦をポルトガルにあるポルティマオ(アウトドローモインターナショナル・アルガルベ)で開催すると発表しました。MotoGP初開催となるポルティマオは、いったいどんなサーキットなのでしょうか。
別名ハイスピード・ローラーコースター
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、多くのレースがキャンセルとなるなか、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)は2020年8月10日、MotoGPの最終戦をポルトガルにあるポルティマオ(アウトドローモインターナショナル・アルガルベ)で開催すると発表しました。
最終戦の日程は、11月20日から22日。ポルトガルでMotoGPが開催されるのは、約8年ぶり。2012年に、エストリルサーキットでおこなわれて以来となります。

ちなみに、ポルティマオでMotoGPが開催されるのは初めてで、新型コロナウイルスの影響により、多くのサーキットでグランプリの開催が困難となったことを受け、2017年より控えのサーキットとして契約を交わしていた、同サーキットでの最終戦が決定となりました。
そんな、MotoGP初開催となるポルティマオは、いったいどんなサーキットなのでしょうか。

ポルティマオは、全長4658km(2輪)、右コーナー9左コーナー6の合計15コーナーからなる、テクニカルなサーキット。
その最大の特徴は、波のようにうねうねと上下するアップダウンの激しさで、そのユニークでスリリングな形状から、ハイスピード・ローラーコースターとも呼ばれています。

今季は、8月7日・8日にSBK(スーパーバイク世界選手権)第3戦がおこなわれたばかりで、Kawasaki Racing Team World SBKのジョナサン・レイ選手がレース1と2、スーパーポール・レースで勝利し、完全優勝を果たしました。

そんなポルティマオのホームストレートは969m。鈴鹿サーキットのホームストレートが800mなので、その約1.2倍という長さです。

一番標高が高いのが11コーナーで、10コーナーからのかなりの急こう配を登り切った直後に11コーナーの急な下り坂が出現するため、ライダー達は先が見えないポイントでブレーキングをおこない、下りながら11コーナーを立ち上がっていくことになります。

そして、11コーナーから12コーナーへ下り切ったら、13コーナーは再び登り。そんな、大きく下った後の13コーナーでも、パドックが見下ろせるほどの標高となっており、ライダーに休む暇を与えません。
そんなポルティマオサーキットでおこなわれたWSBK2020 第3戦のWSSP300クラスで日本人初のポールポジションと、レース2で3位という結果を残した岡谷雄太選手に、ポルティマオを走った感想を聞いてみました。

「ポルティマオは唯一無二なサーキットで、他には無い激しいアップダウンがあり、登ったと思ったらすぐに降りるの繰り返し。僕も昨年初めて走った時は、攻め切れるまで他のコースより時間がかかりました。
コース全体を通して、まるでジェットコースターに乗っているかのような気分になります」

また、CEVレプソルインターナショナル選手権のmoto2クラスに参戦する石塚健選手も次のように話します。
「ポルティマオは、とにかくアップダウンの連続で、そのうえブラインドコーナーも沢山あり、今まで経験したサーキットのなかでも1番難しいサーキットでした。
スロットルやブレーキングの加減も細かく、とても神経を使います。攻略するのにも時間がかかり、少しのミスが大きなタイムロスに繋がるポイントが多いので、気の抜けない、難易度の高いサーキットだと思います」
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新型コロナウイルスの影響で、大幅なスケジュール変更を余儀なくされたことにより、最終戦としてMotoGPのカレンダーに追加されたポルティマオ。
2019年からSBKが開催されている、実績のあるサーキットではありますが、独特なコースレイアウトに荒れた展開が予想されます。

そんななか、注目となるのは初の母国グランプリとなる、ミゲル・オリヴェイラ選手(レッドブルKTMテック3)の活躍です。オーストリアGP終了時点でのランキングは14位と苦戦するオリベイラ選手ですが、走り慣れた母国では、一味違う走りを見せてくれるはず!
コロナウイルスの状況とドルナおよび現地保険当局の判断で、3万人の観客が動員される可能性も示唆されているポルティマオでの最終戦は、いったいどんなレースになるのでしょうか。今から楽しみです。
【了】