バイクの林間学校? 「モトミックス・スクール」オープン 廃施設を活用した新たな活動が誕生
千葉県君津市にオープンした「モトミックス・スクール」は、使われなくなった都立高校の寮施設を活用・改修し、長くバイクライフを楽しめるよう知識や経験を育むために作られた、林間学校のような施設です。
バイクに乗ってはいるけれど、上達するには“きっかけ”が近道
千葉県君津市にオープンした「MOTO MIXX School(モトミックス・スクール)」は、使われなくなった都立高校の寮施設を活用・改修し、バイクのジャンルやキャリア、年齢などの垣根を越えて、長くバイクライフを楽しめるよう知識や経験を育むために作られた、林間学校のような施設です。

かつて都立白鴎高校鹿野山清和寮として多くの学生の教育の場として使われてきた歴史ある施設(昭和44年)は、その役目を終えて2006年に閉鎖、その後台風などの影響もあり、土地は荒れ放題となっていました。
およそ8000坪にもなる土地を「バイク乗りのために何か活用できないか」と、2020年4月に「モトミックス・スクール」を立ち上げ、地道な準備活動ののち同年8月22日に“開校”となりました。
スクールの開設、運営は『一般社団法人 安全運転研究所』代表の清水豊さん(元白バイ隊員)と、テクニカルアドバイザーの内藤学さん(元「ライフガード」「メカニック」)といった経歴を持つ“超”ベテランライダーです。

そして注目すべきは、活動メンバーの中に20代、30代のバイク乗りも含まれ、言わば「80年代のバイクブームおじさん」たちと、バイクの楽しさに気付いて数年の楽しさ真っ盛り世代「今そしてこれからのバイク乗り」がワンチームとして活動している点です。
何をするための場所なのか?
モトミックス・スクールはもともと寮だった施設を改修しています。テニスコートは砕石を敷き詰めて駐車場に、サッカー場は1周約200メートルのオーバルコース、乗車技術を学ぶため坂道(ジャンプ台)や障害を設けたインフィールドセクションに、樹木が生い茂る施設間のスペースなどは短い林間トレイルコースにするなど、現在も作業が進行中です。

ここで行なわれるのは、主に安全運転講習会(ライディングスクール)や、オンロード、オフロードのテクニカルレッスンになります。施設内のみのレッスンでは「はじめてのオフロード」というプログラムが用意されています。
と書くと“安全運転の啓蒙活動”か、と思われるかもしれませんが、実際その通りです。根底には「すべてのライダーに安全運転とテクニックを」があり、オーバルコースで地面を掻きむしりながらフリーに走り回ることや、ジャンプ台で派手に飛ぶことを目的とはしていません。
施設には小排気量のオフロードバイクやトレールバイクなどのレンタルバイク、プロテクターも用意されており、不安定な地面の上を走るとどうなるのか、転ばないためにはどうしたらよいのか、といったテクニックを、初心者でもクローズドコースで集中して、安全に気付いてもらうことにあります。
そこにバイクのジャンルや排気量の大小は関係なく、自分が好きなバイクを長く楽しむための“気付き”や“きっかけ”の場として開かれているのです。
2輪業界メディアに向けて公開された現場の様子
9月に開催された2輪メディアおよび2輪業界で活動する関係者を集めたプレスデイでは、オーバルコースや林間トレイルコースを実際に走行し、またバイクで20分ほど移動した、起伏のある山間エリアでの走行体験などが行なわれました。

施設はまさに昭和の学校です。トイレも講堂も浴室も、昔懐かしいつくりで初心にかえったような気分にさせられます。大きな棚の中には大量の調理器具(カレーを作るための寸胴やオタマなど)が残り、宿泊部屋には大量のマットもあるといいます。
スクールの利用方法に関しては、現状では個人から団体、法人といった料金設定を設けていますが、今後も施設の充実とともに利用プランも展開予定とのこと。
また、付近のホテルと提携し、ホテル泊付きで一般道でのツーリングとクローズドエリアでのレッスン、といったプランも準備されています。聞けば「場所もあるのでキャンプミーティングもいいかもしれません。キャンプファイヤーなんかもいいですね」と言います。
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はじまったばかりの「モトミックス・スクール」ですが、千葉県君津市を第1号として成功させ、日本全国にも展開していきたいとのこと。今後の活動にも注目したいところです。
【了】