耳にイヤホン、ながらスマホに片手にドリンク…意外と知らない自転車のルール

晴れた日にお気に入りの音楽を聴いて自転車で走る時間はとても気持ちの良いものです。器用な人は片手でスマホをチェックしたり、テイクアウトしたドリンクを持つなんてこともあるかもしれません。しかしこれ全部、違反ではないのでしょうか?

自転車に乗りながらのイヤホンは違反なの?

 子どもから大人まで幅広い世代で気軽に楽しめる乗り物である自転車は、年々普及率が上昇しています。特に今年は新型コロナウイルスの流行により社会的距離が重視されていますが、人との距離を守れる乗り物として関心が高まっています。できる限り「密」を避けたいという思いから、通勤や通学を電車などの公共交通機関から自転車に切り替える人が増えているようです。

自転車は、コロナウイルス拡大もあり、生活には欠かせない乗り物として注目されています

 近距離移動からちょっと足を伸ばした遠出までこなす自転車は、ガソリンいらずで経済的です。さらに、ウーバーイーツなどのデリバリーサービスにも活用されており、自転車で仕事をするという新たな選択肢も加わりました。コロナ収束後も新しい生活様式には欠かせない乗り物として注目されていくことでしょう。

 そのため街を歩いていると自転車を見ない日はないと言っても過言ではありませんが、そのなかでときどきイヤホンをしながら自転車に乗る人を見かけることがあります。好きな音楽を聴きながら走る姿はとても気持ち良さそうですが、イヤホンをつけながらの走行は良しとされているのでしょうか。

 2020年9月現在、国が定める道路交通法で明確に違法とはされてはいませんが、各都道府県ごとに規則が決められています。東京都では道路交通規則第8条にあたり「高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。」とあります。

 また、政府広報オンラインでも「イヤホンで音楽を聴きながらの運転は、音楽に気をとられて注意散漫になったり、後ろから近づいてくる自転車の音が聞こえなかったりして、事故に遭う危険性が高まります。」と注意喚起されています。

 では、周囲の音が聞こえればいいなら片耳イヤホンは大丈夫?と思う人もいるかもしれません。しかし埼玉県道路交通法施行細則によると「片耳での使用なら、もう片方の耳で周りの音を聞くことができそうです。しかし、音量が大きい場合、周りの音が聞こえにくくなりますし、音楽に気を取られて安全運転に集中できなければ危険なことに変わりはありません。単純に『片耳だから大丈夫』ということにはなりません。」と記されています。

ワイヤレスイヤホンの使用についても見つかった場合は、警察官に注意されます

 他にも多くの都道府県が規則として自転車走行中のイヤホンの危険性を伝えています。最近はワイヤレスイヤホンが主流となり、つけているかいないのかわかりずらい場合もありますが、もしイヤホンをつけていることを巡回中の警察官に見つかった際には注意されることもあるようです。自転車に乗る際には、必ずイヤホンはつけずに走行しましょう。

ながらスマホも絶対禁止!両手はしっかりハンドルを握って

 自転車走行中にイヤホンと同じくらい問題とされているのが、スマートフォンの使用です。近年、スマホの画面を見ることに夢中になり車両や歩行者とぶつかったり、さらには足元を見なかったせいで線路に落ちてしまったという事例もあり、歩きスマホが問題視されています。東京都足立区では今年7月に「歩きスマホ禁止条例」を定めたほどです。

東京都足立区では、2020年7月に「歩きスマホ禁止条例」を定められました

 スマホに夢中になるのは歩行者に限らず、自転車で「ながらスマホ」をする人もいるようです。ふらふらと方向が定まらず周囲から見てもとても危険な運転ですが、自転車走行中のながらスマホに関しては、はっきりと安全運転義務違反とされています。

 道路交通法第70条、71条の安全運転の義務にあたり「携帯電話の通話や操作をしたり、傘を差したり、物を担いだりすることなど、ハンドル・ブレーキ等を確実に操作できず、他人に危害を及ぼすような方法で運転してはならない。」と定められています。違反となれば、3ヶ月以下の懲役、または5万円以下の罰金が課せられます。

 実際に起きた事例で言うと、2017年12月に大学生がながらスマホで電動アシスト自転車を走行中、歩行者の高齢者をはねて死亡させてしまう事故もありました。加害者は、ながらスマホだけではなく、左手にスマホ、右手にドリンクを持って、イヤホンもしていたようです。

ドリンクやスマホの操作は、停車後に行いましょう

 スマホはもちろん、バランスを崩しやすくさせるドリンクや、視界の妨げになる傘も違反の対象となるので、走行中は必ず両手でしっかりとハンドルを握ることが大切です。バイクやクルマとちがい、免許がいらず簡単に乗れてしまう自転車だからこそ、乗る人の意識が大切になってきます。

 どうしてもスマホで確認しなくてはならない、急用で連絡を返さなければならない場合には、必ず停車して操作するようにしましょう。

※ ※ ※

 意外に知らない自転車のルールのなかには、酒気帯び運転もあります。クルマやバイクじゃないから大丈夫とお酒を飲んで自転車を運転することも違法です。また、ときどき歩道を自転車で走っている人も見かけますが、こちらも禁止です。知らず知らずのうちにルールを破っていた…なんて事のないようにいまいちどルールをしっかりと確認しておきましょう。

【了】

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