高速道路でふたり乗りってしていいの?その条件と正しいルールとは?

高速道路でふたり乗りをしているバイクを見かけたことはないでしょうか?原付バイク以外であれば、ふたり乗りをしても問題がないと思っている人もいるようですが、実は高速道路でのふたり乗りは条件があります。一歩間違えてしまうと危険なバイクでのふたり乗りのポイントを今一度おさらいしておきましょう。

バイクのふたり乗りには注意が必要

 平成17年4月1日から法改正に伴い、高速道路での二輪車のふたり乗りが条件付きで可能となりました。その条件とは、「125cc超のバイク」であり「年齢が20歳以上であること」と「自動二輪車の運転免許を取得してから3年以上の期間を経ている」場合に限るというものです。

高速道路での二人乗りには注意が必要です

 ふたり乗り(タンデム走行)が許される条件は基本的に日本全国どこでも同じですが、東京都心の首都高速道路の一部など、例外的にふたり乗りが禁止されているエリアもあるため注意しなければいけません。もしも違反を犯してしまうと「大型自動二輪車等乗車法違反」が適用されてしまい、反則金1万2000円と違反点数2点が科せられることとなります。

 また、ひとりで乗る時とは異なり、乗り方にもコツが必要です。バイクはクルマと違いバランスが運転のカギを握る乗りもののため、ふたり乗りであればなおさら注意し、同乗者と息を合わせて走行しなければいけません。

 同乗者のバイクの乗り方については、タンデムステップに足をかけタンデムバーをつかむのが一般的ですが、運転手の腰に手を回すスタイルや肩に手をかけるスタイルもあります。ただし、肩を強くつかみすぎてしまうと、運転手の腕の動きを制限してしまうことがあるため注意が必要です。

 教習所では、同乗者は運転者に対して手よりも足(両もも)で挟むようにして乗ることを推奨しています。また、走行中は車体が傾いた方向に体を傾け、無理に逆らったりせず自然体で乗るのがポイントです。

 しかし、運転手によってはタイミングや傾きに決まりをもっていることもあるため、事前の打合せやインカムを使用してコミュニケーションをとることもタンデム走行では大切なこととなります。

 運転手は、同乗者が振り落とされないように細心の注意を払う必要があり、急加速や急ブレーキ、急ハンドルなどの「急」がつく行為はしてはいけません。また重量が重くなる分、加速が鈍くなり、ブレーキの制動距離が長くなることも頭に入れながら運転する必要があります。

ポイントをおさえて、安全なタンデムツーリングを

 タンデム走行は慣れていないうちは転倒のリスクがある走行方法のため、少しでも安全に運転するために気を付けておくべきポイントがいくつかあります。

高温になるバイクのエキゾーストパイプ

 まずは走行前の準備として服装などの格好があげられます。バイクのエキゾーストパイプは非常に高温になりやすく、体の一部が触れただけで火傷を負ってしまう可能性もあります。また、チェーンなどの駆動部分に着衣が巻き込まれる危険性も潜んでいます。そのため同乗者であってもロングスカートやラフな服装、スカートなどの肌を露出した服装は適切とは言えません。もしもの転倒に備え、ライディングウェアに準じたものや必要によってはプロテクターの装備も安全には欠かせないものとなります。

 バイクのふたり乗りでは運転手だけではなく同乗者にもヘルメットの装着が義務付けられています。ハーフキャップなどはおしゃれに見えますが、転倒の際に頭は守れても顔までは十分に守り切れないこともあるため、ジェット型やフルフェイスの着用がおすすめです。耳や口元が覆われるため同乗者とのコミュニケーションが取りづらい場合には、インカムなどを使用して指示を出し合うことも大切です。

 シューズに関しては、操作をしない同乗者であってもサンダルや靴紐がついたスニーカーなどは避けましょう。できるだけ、くるぶしまで覆えるブーツなどがベストと言えます。万が一、紐がついた靴を履かなければいけない場合には、紐を固く縛り長すぎる場合は靴の中に入れるなど工夫し、回転部に巻き込まれないようにすることが大切です。

※ ※ ※ 

 最近のタンデムツーリングでは、インカムで会話を楽しみながらツーリングをするライダーも増えているようです。信号がなく歩行者がいない高速道路では、コミュニケーションに意識が向いてしまうことも多く、ふたり乗り禁止の道路標識を見落としてしまう事も考えられます。

 気付かずに進入してしまうと、後戻りはできないため確実に違反を犯すことに繋がります。そうならないためにも、タンデムツーリングで高速道路を走行する際は、事前のルート確認を忘れずに行いましょう。

【了】

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