世界レベルのハーレーカスタム 2020年ニューオーダーチョッパーショーで同率首位に輝いた一台に迫る

大阪のリボルトカスタムサイクルズは、2020年10月25日に兵庫県神戸市の神戸国際展示場で開催された『ニューオーダー・チョッパーショー』で行われたカスタムのコンテストで見事、頂点に輝きました。どのようなカスタムが施されているのでしょうか。

プロをも唸らせる高い完成度

 2020年10月25日、兵庫県神戸市の神戸国際展示場3号館で開催されたカスタムバイクイベント『ニューオーダーチョッパーショー(以下NOCS)』において出展したビルダー同士の投票によって順位が決定されるカスタムコンペティション(競技会)……先日、当サイト(バイクのニュース)でも第15回を数える同ショーで九州、福岡の『インディアンオレンジモーターサイクル』と大阪の『リボルトカスタムサイクルズ』による2台のカスタムが同率の投票数で頂点に輝いたことをお伝えさせて頂きましたが、今回ここでは、その『リボルト』の車両についてをご紹介させて頂きます。

フロントに装着されたガーダーフォークやフレーム、タンクやフェンダーなど主要なパーツすべてがリボルトによるワンオフ(一品もの)で固められたこのマシン。細かな仕事の集大成が隙のない美しくしさを生み出します

 前回、当サイトで披露させて頂いた『インディアンオレンジ』による『ディガースタイル』のカスタム……それを改めて振り返ってみるとロー&ロングのシルエットやエンジン右サイドに取り付けられたスーパーチャージャーなど「誰が見ても分かりやすく」凄まじさが伝わるものでしたが、一方の『リボルト』による車両は「プロ目線で見る」と、より技術の高さが強く伝わる一台といえるかもしれません。

 ちなみに『リボルトカスタムサイクルズ』の井上正雄氏といえば、2014年にNOCSでベスト・オブ・ショーに輝いたことを皮切りに日本国内はもとより、本場米国の『イージーライダースショー』での『2017-1st BIKE OF THE YEAR(年間チャンピオン)』や、同年の『グランドナショナル・ロードスターショー』での『American Most Beautiful Motorcycle AWARD』など歴史と権威のあるショーで数々のトロフィーを獲得してきました。

 2020年のNOCSに出展した『CHARME』と名付けられた一台も、まさに世界レベルのカスタムと言えるでしょう。実際『コロナ禍』の状況でなければ米国の『HAND MADE CUSTOM SHOW』へのインバイト(招待)が決定していたそうですが、現在の世界情勢から今年はショー自体がキャンセルとなり、NOCSへの出展が決まったとのことです。

 車名を直訳すると“魅力”や“(女性の)器量”、“なまめかしさ”や“魔力”などの意味を持つこの一台ですが、「名は体を示す」ということわざのとおり、確かにこのマシンの車体全体には井上正雄氏というビルダーのセンスと技術的に高いスキルが遺憾なく発揮されています。

 車体のシルエット自体はオーソドックスなチョッパーなのですが、フレームおよびフロントのガーダーフォークは共にリボルトによるワンオフ(一品もの)となっており、絶妙なバランスで仕上げられている点は流石です。

細部まで妥協のない作り込み

 また「プロ目線」で見るとシッシーバー(リアシートの背もたれ)やハンドルバー、タンクといったアイキャッチとなるパーツは勿論、エンジン・ハンガーやクラッチレリーズアームなどの細かなパーツに至るまで徹底的な意匠が施されており、妥協のない造り込みを伝えるフィニッシュとなっています。こうした部分こそ、この一台が「プロから選ばれた」要因となっているのはまず間違いないでしょう。

車体のサイドビューから眺めるとタンクのマウント位置やリアフェンダーとタイヤのクリアランスなどが浮き彫りになるのですが、その点もこのマシンはパーフェクト。フロント21″、リア16″のインヴェーダーホイールも定番のセットアップです

 加えてベースとなった1971年式のショベルヘッドといえば数ある“鉄シリンダー”エンジンのハーレーの中で比較的、手に入れやすいモデルなのですが、それを“技術”と“センス”によって極上の一台に仕上げる井上正雄氏のビルダーとしての力量は車両の写真をご覧頂ければお分かりになると思います。

 実際、この車両を前に「常に前の作品を超える気持ち」でチョッパービルドに携わっていると井上氏自身は語るのですが、今回はナックルやパンといった旧車ではなく、ショベルというベーシックな素材だからこそ、そのスキルの高さがより際立った結果となっているといっても過言ではありません。

 このように純粋に“技術”と“センス”が問われるべきなのが“チョッパービルド”の世界なのですが、やはり“ビルダーズチョイス”という審査方法では、その正当な評価がより強く浮き彫りになるような気がします。
 
 今年は“コロナ禍”という状況ゆえ、世界規模でカスタムショーやイベントが中止、もしくは延期という措置が取られているのですが、ビルダーやカスタムバイクをオーダーするオーナーの情熱が絶えたというワケではありません。その事実はこの『CHARME』と名付けられた一台が強く証明しているでしょう。

【了】

【画像】リボルトが手掛けたカスタム・ハーレーの画像を見る(12枚)

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Writer: 渡辺まこと(チョッパージャーナル編集長)

ハーレーや国産バイクなど、様々な車両をベースにアメリカン・テイストのカスタムを施した「CHOPPER」(チョッパー)をメインに扱う雑誌「CHOPPER Journal」(チョッパージャーナル)編集長。カスタム車に限らず、幅広いバイクに対して深い知識を持つベテラン編集者。

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