列島横断、日没までに千里浜へ! 冒険好きライダーに人気沸騰中のSSTR2020に参加!!

基本ルールは、日の出とともに自分自身で決めた日本列島の東海岸(太平洋など)からスタートし、日没までに日本海側の千里浜なぎさドライブウェイ(石川県羽咋市)にゴールするという単純明快なもの。自己完結型のラリー「SSTR2020」(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)にバイクジャーナリストの青木タカオさんが参加しました。

「パリダカの感動を日本でも」と冒険家が立案

 ウインターシーズンに入り、バイクツーリングには寒さが厳しい時期ですが、タフなライダーたちが元気に日本列島を横断しています。世界的なオートバイ冒険家・風間深志さんが発案したオートバイによる独創的なツーリングイベント「SSTR2020」(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)の参加者たちです。

独創的なツーリングイベント「SSTR2020」に参加しました

 風間深志さんといえば、1980年にキリマンジャロをバイクで登攀し、82年にはパリ・ダカールラリーに日本人ライダーとして初出場。オートバイでエベレスト6005m到達(ギネス世界記録)し、さらにオートバイで南極点・北極点到達など数々の偉業を成し遂げた世界的な冒険家です。

日本人で初めてパリ・ダカールラリー(1982)に参戦した風間深志さん

 かつてのパリ・ダカールラリーはフランス・パリをスタートし、サハラ砂漠などを走破してセネガル・ダカールにゴールしていたラリーレイド競技大会でした。風間さんは苦難の末にたどり着いたゴールのセネガルの海岸のビクトリーランの感動を、日本のライダーにも味わってほしいと考え、海岸を最後に走るSSTRを発案しました。

スタートは日本海と反対側の海岸線ならば何処だっていい

 ルールは簡単。日本列島の東海岸(太平洋など)にスタート地点を自分自身で設定し、まずは朝日をのぞむ。そしてサンライズを見たら出発し、日が暮れるまでに日本海側の砂浜を目指します。ゴールは日本で唯一、バイクやクルマで砂浜を走れる千里浜なぎさドライブウェイ(石川県羽咋市)。千里浜レストハウスに設置したゴールゲートをくぐれば、感動のフィニッシュです。

早朝横浜ベイブリッジ下にスタート地点を設定した筆者右(青木タカオ)

 優劣やスピードを競うものではなく、それぞれのライダーが無事にゴールし、全国から集ったライダー同士で交流を深めることが主な目的。東京都在住の筆者(青木タカオ)もヤマハMT-25やH-D ロードグライドリミテッドで友人らと参加しましたが、首都圏からだと片道500kmの道のりで、サンセットに間に合うよう千里浜に辿り着くだけでも容易ではありません。

高速道路のパーキングやサービスエリア、一般道の道の駅に立ち寄り、合計10ポイント以上を獲得する必要があります

 そこにきて、ゴールまでにミッションが課せられていますから、ますます面白い。高速道路のパーキング/サービスエリア、さらに一般道の道の駅に立ち寄り、合計10ポイント以上を獲得し、日の入時刻までに千里浜なぎさドライブウェイに到着しなければ完走扱いとならないのです。岬ボーナスポイントなどもあり、奥が深い。もちろん安全運転に努め、無理は禁物。風間さんも「完走扱いを諦める勇気も必要」と、参加者に注意を促します。

“太陽を追い駆けろ”をテーマに大人気に!

 配布されたゼッケンを車体に付けると、ラリーレイド競技に出場しているような気分になってワクワクするではありませんか。そして容易くないミッションも課せられているから、ツーリング好き、冒険好きのライダーたちは魅了されてやまないのです。

SSTRから配布されたゼッケンを車体に貼りいよいよスタートです

 16人でのプレランを経て、2013年の第1回大会は参加130台でしたが、年を追うごとに評判となって、SSTR2020は受付開始からすぐに定員の5000台に達してしまうほどの盛況ぶり。毎年5月に開催されてきましたが、2020年大会は新型コロナウイルスの影響で、初のオープン形式となり、2020年10月1日(木)から2021年3月31日(水)の期間、参加者がSSTR実施日を選択できるようになりました。

 スマートフォンやタブレットでインターネットに接続し、主催者が用意したSSTRシステムを利用。スタート/ゴール登録や立ち寄り地点のポイント付与、走行記録の送信をおこない、完走条件を満たしたライダーはフィニッシャーバッジや走行記録証明証がもらえます。

SSTRのゼッケンを貼ったライダーと休憩ポイントで一緒になることも!

 途中、SSTRのゼッケンを貼ったライダーと休憩ポイントで一緒になると、自然と会話が弾みます。「千里浜で会いましょう」と再会を約束し、またそれぞれ違うルートでゴールを目指します。

 SSTRは「Chasing the Sun」(太陽を追い駆けろ)をテーマとし、風間さんは「パリダカやオートバイの冒険では、いつも太陽だけが唯一の頼りだった。SSTRに参加したその日は、どうか太陽の位置を気にして、雄大な自然を感じてほしい」と願います。

冒険のドラマを自作自演、それがSSTR

 東の海のスタート地点から日の出とともに走り、日中は高い空にある太陽を見ながら走り続けます。冬季開催となった今回は、いっそう太陽のぬくもりがありがたい。そして、ダカールラリーの栄光のゴールを彷彿とさせる千里浜についに到着します。ゴールゲートをくぐれば、形容しがたい感動体験。途中の休憩ポイントで出会ったライダーとも再開し、喜びを分かち合います。

千里浜で夕日を横目に走行すればダカールラリー栄光のゴールを彷彿とさせます

 今回、旅の記録はミツバサンコーワのドラレコ「EDR-21G」にてすべて録画しました。200万画素 SONY CMOS センサー内臓のカメラで万一のトラブルに備えるだけでなく、帰宅後にまた走行の軌跡を見るのが楽しみです。GPS搭載で、PCビューアソフト「Moto DR Player」を使えば、前後カメラの美しい映像とともにマップなども表示できます。

ゴールの千里浜レストハウス駐車場には、多くのバイクが連ねていました

 千里浜レストハウスの駐車場には、バイクがずらり。東海エリアからなら可能と、125cc以下の車両で一般道だけを使って完走する強者もいるから驚きます。SSTRには一人一人それぞれの冒険のドラマがあるのです。バイク乗りで良かったと、沈む夕日を眺めながらつくづく思うのでした。

【了】

【画像】ツーリング好き、冒険好きのライダーを魅了するSSTRを画像で見る(15枚)

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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