エース不在で戦い抜いたMotoGP 2020シリーズは「完敗」! 負けから多くを学んだシーズン
ホンダがオンラインで、2020年シーズン MotoGP合同取材会を開催。エースライダー不在、新型コロナウイルスの感染拡大など、さまざまな逆境のなかおこなわれた昨シーズンを振り返りました。
エースを失っても、やることは変わらない
ホンダの絶対的エース、マルク・マルケス選手の怪我による欠場などの影響もあり、MotoGP通算7回目の優勝を逃した2020年シリーズのホンダの戦績は、中上貴晶選手がランキング10位、アレックス・マルケス選手がランキング14位、カル・クラッチロー選手がランキング18位、ステファン・ブラドル選手がランキング19位、コンストラクターランキングは5位という結果となっています。

そんなホンダが、2020年シーズン MotoGP合同取材会を開催。オンラインで、昨シーズンの振り返りをおこないました。

まず、2020年シリーズの総括として、レース運営室長 桒田哲宏氏は次のように話します。
「未勝利に終わった2020年は、ひとことで表すと完敗のシーズンでしたが、その負けにより多くの学びもあった1年でした。そしてそれらは、今シーズンに繋がるものになったと考えています。
まず、ウィンターテストから始まって、新しいリアタイヤにかなり苦しめられ、カタールテストまで苦戦を強いられました。

その後、新型コロナウイルスの感染拡大により、テストやレースがすべてキャンセルになるという難しい状況に陥るなかで、マシンの開発を進めて行きました。
そして、なんとかいい状態に仕上げられたマシンを開幕戦のへレスに投入し、マルク・マルケス選手が圧巻の走りを見せてくれるも負傷。その後は2020年シーズンのRC213Vのポテンシャルを引き出してくれるライダーがなかなか現れず、どうすれば我々のマシンのポテンシャルを他のライダーに引き出してもらえるのかを考え続けた1年でもありました」

しかしホンダは、マルク・マルケス選手が不在となるなかで、常にランキング上位をキープしていた中上貴晶選手のさらなるサポートを開始。さらに、シリーズ後半には、アレックス・マルケス選手が表彰台を獲得するなど、じわじわとポテンシャルを上げてくるなど、マシンの熟成やタイヤに対する理解を進め、来季に向けては好感触です。
また、マルク・マルケス選手の怪我による欠場が決まった後の戦略変更については、「目標は毎年、3冠を取ること。それを実現するために、何をやっていくかということなので、マルク・マルケス選手が欠場となった後は、ステファン・ブラドル選手に乗ってもらうことを決定。マシンの開発を進め、成績をだしてもらうというという点においては同じなので、戦略としてはあまり変わっていないと思います。
ただし、そのなかでランキング上位の選手に対しては、サポートを強めていくというのは当然のことなので、今年でいうところの中上選手やアレックス・マルケス選手が、極力成績を出せるようにさらなるサポートを追加しました。我々のなかでは、特別何かが変わったということはありません」と説明しています。