信号待ちでバイクがエンスト? 焦らないために覚えておきたい対処法とは!

バイクに乗って信号待ちをしている際に、エンストを起こしてしまった経験がある人も意外に多いのではないでしょうか? 一発でエンジンが始動すればよいのですが、何度やってもスタートできずにそのままレッカー依頼ということもあるようです。今回は、バイクが信号待ちの際にエンストしてしまった時の対処法を紹介します。

バイクがエンストする主な原因とは?

 バイクは意外とエンストしやすい乗りもので、信号待ちのちょっとしたタイミングでいきなりエンストしてしまう場合があります。JAFによると走行中のエンストで考えられるポイントには主に次の3つが挙げられています。

唐突にエンジンがストップする場合は、電気系のトラブルも多いようです

 1つ目は「唐突にエンストする場合は、電気系の不具合の可能性がある」です。前兆がなくいきなりエンジンがストンと止まってしまう場合は、電気系統に何らかのトラブルが発生しているケースが多くあります。点火装置やセンサー類に不具合が生じてしまうと、たとえ再始動できたとしてもすぐにエンストしてしまうことが想定されます。特に最近のバイクは電気系のパーツが多く使用されているため、たった1つのセンサーの不具合のせいで再始動ができない場合もあるようです。

 2つ目のポイントは「徐々に止まっていく場合は、燃料系のトラブルが考えられる」です。特にガス欠の場合は、いきなりエンストするのではなくエンジンがブルブルと震えるようにノッキングし、アクセルを入れても回転数が上がらずやがてエンストします。燃料がホースやフィルターに多少残っているとすれば再始動できる可能性もありますが、その燃焼が尽きてしまうと再始動は望めません。

 3つ目のポイントは「加速する際のエンストは、燃料噴射量の制御系のトラブルの可能性」です。信号待ちの際、青に変わりアクセルを入れたとたんにエンストする場合は、燃焼噴射量がうまくコントロールできていない可能性があります。燃料と空気、どちらも理想空燃比に近くなくてはならず、多すぎても少なすぎてもエンストを起こしてしまいます。また、燃料ポンプの故障やフィルターやノズルの目詰まりをした場合も同様の症状が発生し、一度エンストすると自力での再始動は難しいようです。

信号待ちでエンストした時の対処方法

 青信号に変わる前になんとかエンジンを掛けなおしたいと焦る気持ちは分かりますが、焦れば焦るほど余計に状況を悪化させてしまうケースもあります。特に注意しなくてはならない行為は何度もセルモーターで再始動を試みることです。セルモーターを動かすためには多くの電力を消費するため、セルを回すたびに電力消費を繰り返した結果、最悪の場合バッテリー上がりを起こしてしまう可能性も考えられます。また、セルを回すたびに燃焼室に燃料が噴射されるため、点火プラグに燃料がかぶり火花が発生しなくなってしまうといったトラブルもあります。

青信号に変わる前になんとかエンジンを掛けなおしたいと焦れば焦るほど余計に状況を悪化させてしまうケースもあります

 もしも信号待ちでエンストしてしまった場合の対処法として、まずは数回程度エンジンの再始動を試みます。それでもかからなければ無理はせず、追突や交通渋滞を避けるためにも路肩や安全の確保できるスペースまで手押しで移動する必要があります。その後、エンジンが冷えるのを待ってから再始動を試みるといった対処法も有効と言えます。

 また、キックスターターで再始動するためのコツとして、スタンドを立ててから後輪にブレーキをかけ、アクセルを全開にしないように注意しながらキックスタートをするといった方法も覚えておくと良いでしょう。

 エンストは何かしらの不具合があるからこそ起きてしまう現象であり、たまたま再始動ができたとしても修理や整備の知識がなければそのまま乗り続けるのはリスクを伴います。ガス欠などのはっきりとした原因がわからないのであれば、バイク店で点検や修理をしてもらうことをおすすめします。

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 信号待ちのエンストは誰しもが焦る気持ちの方が強くなってしまうのはしかたありません。交通量の少ない道路ならならまだしも、複数の車線があるような大きな交差点でのエンストは事故を誘発してしまう恐れもあるため、再始動をあきらめる冷静な判断も大切と言えます。

 日頃からの定期点検はもちろん、適度な暖機運転や消耗品の定期交換などをしっかりと行っていれば防ぐことができる不具合も多くあります。大事な場面でエンストをしないよう、定期的なメンテナンスとある程度の知識は身に着けておいても良いのではないでしょうか。

【了】

【画像】あ!エンスト! 覚えておきたい対処法をチェック

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