タンデム走行に向いているバイクとは? 2人乗り時の交通ルールも確認!

バイクは、後席で美しい景色を眺めながら風を感じるというのも、楽しみ方のひとつと言えます。今回は、2人乗り(タンデム)に向いているバイクについて解説します。また、2人乗りをする時に確認しておきたいルールも合わせてご紹介します。

タンデム走行に向いているバイク、向かないバイクとは?

 ひとくちに「バイク」といっても、ロードモデルやオフロードモデル、ツーリングモデルなど車種は多岐に渡っています。モデルによっては、最初からタンデムシートが備わっていない車両もあり、道交法上はタンデムが可能であっても、実用性がほとんどないモデルも存在します。

 一方、近年人気が高いカワサキ「W800」やホンダ「CB1100」といった、いわゆるネオクラシック系のバイクは、ライダーシートとタンデムシートが一体化したフラットシートが多く採用されており、タンデムをしやすいモデルと言えるでしょう。

グランドツアラー系は、タンデム走行を前提に設定されています

 また、ホンダ「Gold Wing」やBMW Motorrad「K1600」といった、タンデムでのロングツーリングが想定されているグランドツアラー系バイクのタンデムシートは、補助的な役割のモデルとは一線を画する重厚なシート設計が大きな魅力です。

 同様に、「アドベンチャー系」と呼ばれるBMW「GS」シリーズやスズキ「Vストローム」などのモデルも、ロングツーリングが想定されているため、比較的タンデムがしやすいモデルです。

 一方、ホンダ「CRF250L」のようなオフロード系バイクの場合、後部座席の優先度は決して高くありません。同様に、スーパースポーツ系のバイクもまた、タンデムを重視したモデルではないことから、後部座席の快適性には期待しすぎない方がよいかもしれません。

 ただ、オフロード系やスーパースポーツ系は、そのコンセプト自体はタンデムを想定していないにせよ、実際には街乗りの快適性にも配慮されているので、タンデムに向いていないわけではありません。例えば、スーパースポーツ系は着座位置が高いことが多いため、タンデムシートに座る際に苦労する場合がありますが、一度乗ってしまえばその視界の高さが快適かつ安心なライディング体験を提供してくれるという意見もあるようです。

 ここまで代表的な車両ごとのタンデム性能について解説をしてきましたが、これらはあくまで「ノーマル」の状態での話であることには注意が必要です。バイクはクルマに比べて趣味性が高いことから、カスタム(チューニング)を行うユーザーの割合がクルマに比べて多いと言われています。

タンデムバーやタンデムベルト、タンデムステップは二人乗りには必要です

 ノーマル(純正)の状態であれば、タンデムベルトと呼ばれる同乗者が捕まるためのベルトが装備されていたり、同乗者の足置きとなるタンデムステップなどが基本的に標準装備されています。

 しかし、シートを社外品に交換したりタンデムステップを取り外すと、そもそもタンデムが不可能になる場合もあります。また、マフラーなどを社外品に交換した場合は、同乗者の足が火傷する恐れもあるため、特に注意が必要です。

 いずれにせよ、快適かつ安全なタンデム走行を行うには、次に紹介する基本的なルールを守らなければなりません。

見落としがち?タンデムのルールとは?

 誰もが一度は憧れるタンデム走行ですが、どんなバイクでも可能というわけではありません。

 まず、排気量50cc以下の原付一種は、乗車定員は1名と法律で定められていることから、そもそもタンデムは禁止されています。そのため、タンデムが可能となるのは、51cc以上125cc以下の原付二種より上の免許区分で運転可能なバイクとなります。

タンデム可能な免許取得から1年以上経過すると二人乗りができます(高速道路を除く)

 しかし、原付二種以上の免許であればすぐにタンデムができるわけではありません。道交法第71条の4、第5項では「第八十四条第三項の大型自動二輪車免許を受けた者で、当該大型自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く)が通算して一年に達しないもの(同項の普通自動二輪車免許を現に受けており、かつ、当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く)が通算して一年以上である者その他の者で政令で定めるものを除く)は、運転者以外の者を乗車させて大型自動二輪車又は普通自動二輪車を運転してはならない。」とされ、その他の免許区分についても同様の記述があります。つまり、タンデムができるようになるのは少なくとも免許を取得してから1年以上経過している必要があります。

 また、第71条の4、第3では「大型自動二輪車(側車付きのものを除く。以下この条において同じ)又は普通自動二輪車(側車付きのものを除く。以下この条において同じ)の運転者は、高速自動車国道及び自動車専用道路においては、運転者以外の者を乗車させて大型自動二輪車又は普通自動二輪車を運転してはならない。」、第71条の4、4項では「第八十四条第三項の普通自動二輪車免許を受けた者(同項の大型自動二輪車免許を現に受けている者を除く)二十歳に満たないもの又は当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く)が通算して三年に達しないもの(当該免許を受けた日前六月以内に普通自動二輪車免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるものを除く)は、高速自動車国道及び自動車専用道路においては、運転者以外の者を乗車させて普通自動二輪車を運転してはならない。」とされています。原付二種以下はそもそも高速自動車国道及び自動車専用道路を走行できないため、いわゆる「高速」でタンデムをするためには、小型二輪免許以上かつ免許取得後3年経過している必要があります。

 その上で、タンデムを行うためには、上述のタンデムベルトとタンデムステップが備わっていること、そしてそれらを適正な状態で使用できなければなりません。つまり、乳幼児などを背中におぶって走行することはできません。これらに違反すると、当然道交法違反で処分されることとなります。

※  ※  ※

 このように、タンデム走行には守らなければならない最低限のルールが少なくありません。しかし、タンデムをする同乗者側にも守るべきマナーがあります。

 タンデムする際は、両膝でライダーを抱え込むようにして身体を安定させる「ニーグリップ」を行うこと、手はタンデムベルトやタンデムグリップをつかみ、ライダーの肩や腕をつかまないこと、ライダー同様に常に周囲の状況に気を配ることです。

 ただ、タンデム時のルールを守りさえすれば、とても快適かつ楽しい体験ができることは間違いありません。バイクならではの体験を、ライダーも同乗者も安心して楽しめるように、しっかりとルールを理解しましょう。

【了】

【画像】タンデム走行の基本とルール(6枚)

画像ギャラリー

最新記事