モーターサイクルをこよなく愛するアメリカの芸術家 旅の相棒に選んだハーレーは彼らしい姿に仕立て上げられていた
稀代の吟遊詩人Ray E. Hornick(レイE.ホーニック)が手掛けた1951年製のハーレーダビッドソンは、グランドツアラーを指標する「走る芸術」でした。その特徴をご紹介しましょう。
“走る芸術”と呼ぶべき「One of a Kind=唯一無二」
米国オハイオ州デイトンを拠点に様々な創作活動を手掛けたRay E. Hornick(レイE.ホーニック)は、モーターサイクルをこよなく愛する芸術家として、当時のハーレー・ダビッドソン界隈では知る人ぞ知る存在でした。

1951年、当時のハーレー・ダビッドソンのフラッグシップ機「FL/Hydra-Glide」を購入した彼は、数年それに乗った後、よりロングランに特化させるべく愛機のモディファイに着手します。
まず、ガソリン/オイルタンクを大幅に加工して容量を増大、さらに二輪側車の名門として知られる英国『WATSONIAN(ワトソニアン)』社のサイドカーをセットアップし、より多くの荷物を積載可能としつつ、旅の伴侶を迎え入れる仕様とします。
それらをカスタムペイントで鮮やかに彩り、仕上げたレイ自身が緻密な彫金やメタルプレートで飾り付け、愛機を“GREEN DREAM”と命名しました。

『AMA(米国モーターサイクリスト協会)』の前身『ALLIED TRADES ASSOCIATION』のメンバーにして、メキシコシティ・モーターサイクルクラブの終身会員でもあったレイは、アメリカ大陸では飽き足らず、カナダやメキシコまでを走破した筋金入りのバイカーだったのです。そんな彼の愛機、それは正しく“走る芸術”と呼ぶべき「One of a Kind」でした。
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現在、レイの愛機は旧車の殿堂として知られる大阪の「船場モータース」に輸入された後、関西の旧車マニアの手に渡りましたが、普段は同店のショールームで展示保管されています。紛う事無き歴史遺産、機会があればぜひ実車をご覧ください。
撮影協力/Tsuyoshi Kobayashi(車両オーナー)、SEMBA MOTORS





