初心者にもできる!? プロカメラマンに聞いたバイクレースをカッコよく撮影する方法

毎年、さまざまなサーキットに行って、バイクのレースを取材している私(先川 知香)ですが、実はカメラは自己流。プロのカメラマンとは、機材のレベルも違えば、知っている知識や経験の量も違います。でもやはり、どうせなら「カッコいい写真が撮りたい!」もの。そこで、プロカメラマンに、サーキットでの写真の撮り方を聞いてみました。

上級モデルでなくても撮れる、カッコいい流し撮り

 毎年、さまざまなサーキットに行って、バイクレースの取材をしている私(先川 知香)。コースサイドで走行写真も撮っていますが、実はカメラはド素人。レースの写真を撮るために最低限の機材を購入し、自己流で必死に撮影しているに過ぎません。そこで、プロカメラマンに、サーキットでの写真の撮り方を聞いてみました。

撮影中の奥隅カメラマン

 教えてくれたのはカメラマン歴35年、モータースポーツの撮影から建築写真、イベント撮影、ポートレートなど、なんでもこなすスーパープロフェッショナル、奥隅 圭之さんです。

桶川スポーツランド

 撮影場所に選んだのは、埼玉県にある桶川スポーツランド。多くの有名ライダーを輩出する、全長840m、最大直線155mのミニバイク用サーキットです。

まずは、普段私が使っている撮影機材のチェックから

 奥隅さん「モータースポーツを撮るには、コースの規模にもよるけど、300㎜から400㎜ぐらいの望遠レンズが欲しいですね」

 ということで、私が普段使っているカメラ、キヤノン「EOS 7D マーク2」と望遠レンズ、シグマ「100-400mm F5-6.3 DG OS HSMキヤノン用」を使い、早速レンズの設定に移ります。

シグマ「100-400mm F5-6.3 DG OS HSMキヤノン用」

 まず、走りだけを撮るならフォーカスリミッターは、「FULL」よりも「6-∞」がおススメだそう。

 奥隅さん「まあ、俺はFULLで撮っていますけど、6-∞に設定しておいた方が、ピントが外れた時に被写体が遠くに行ってしまわないので、復帰しやすいと思います。
 
 ∞というのは、遠くのエリアに制限なくピントが合うっていうモード。ちなみに、・-6は、近場にしかピントが合わないモードです。走りを撮るときは、近くのピントは要らないので、6-∞にしておいた方が、被写体が居なくなりづらいと思います」

 次に、手振れ補正機能。一般的な撮影に適しているのはC1で、モータースポーツ等の流し撮りに最適なのはC2なので、今回はC2に設定するのがおススメだそう。

 奥隅さん「キヤノンの設定だと、モード2がモータースポーツでの横走り用。モード1は、人の顔写真のアップを撮るときなどに使います。なので、シグマは分かりませんが、キヤノンと同じなら、C2にしておいた方が、走行写真はキレイに撮れると思います」

キヤノン「EOS 7D マーク2」

 続いては、カメラ本体の設定へ。ちなみに、私が普段コースサイドでの撮影で使用しているのは、絞り優先の「AVモード」。絞り値を自分で設定し、シャッタースピードはカメラ任せの、半自動のモードです。

 奥隅さん「それは、ダメですね。M(マニュアル)で、真横を向いているバイクを撮るときは、シャッタースピードを125から200の間に設定します。シャッターの速度が遅い方が、背景が流れるから、かっこよくなるんです。
 
 前から向かってくるライダーを7:3(サイズ)とかで狙うときは、シャッター速度が遅いとブレてしまうから、シャッター速度はだいたい320から400辺りがいいですね。露出はモニターを見ながら、絞りを調節する感じかな。走っているバイクを撮るときは、絞りよりもシャッターが優先だから。

 とはいっても、絞りも最低8ぐらいは絞りたいから、足りないときはISO感度をあげて、調節するといいと思います」

【画像】サーキットでカッコいい写真を撮りたい! プロカメラマンの技術を画像で見る(14枚)

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