シート下収納も確保した電動スクーター 原付2種扱いのniu「NQi GT」の特徴は?

日本で電動バイクの輸入販売を展開する「XEAM(ジーム)」では、原付2種に区分される電動スクーター、niu「NQi GT」をラインナップしています。どのような特徴があるのでしょうか。

バッテリーを分割することでシート下の収納スペースを確保

 日本で電動バイクの輸入販売を展開する「XEAM(ジーム)」では、原付2種に区分される電動スクーター、niu「NQi GT」をラインナップしています。「niu」は中国のNiu Technologies社が展開する電動バイクブランドです。「NQi GT」の詳細を確認してみましょう。

電動スクーターniu「NQi GT」(写真は2020年モデル)

 BOSCH製のモーターに、定格容量2100Whのバッテリーを2個搭載しています。定格出力は1000W、最大出力は3500Wとなっています。取材、試乗したのは2020年モデルでしたが、2021年モデルではバッテリーがパナソニック製から中国製に変更され、それにより価格が2020年モデルの43万7800円から34万9800円へと引き下げられました。定格容量や定格出力、最大出力には変わりありません。
 
「NQi GT」にはシート下に1個、フラットなステップボードの下に1個、合計2個のバッテリーが収納されており、シート下のバッテリーを外した状態でも走行が可能です。その場合、3つある走行モード(SPORT、DYNAMIC、E-SAVE)のうち、SPORTモードが選択不可になります。

 スクーターといえば収納力による利便性がポイントのひとつですが、電動スクーターの多くはシート下にバッテリーを収納するため、そのメリットを犠牲にせざるをえませんでした。「NQi GT」はバッテリーを分割収納することで、その弱点を克服したと言えるでしょう。

シート下のバッテリーは取り外した状態で走行可能とすることでシート下収納を確保

 スペック上の最高速度は70km/h、航続距離は134kmとなっています。片道60km以上を走行できると考えれば、余裕を持った行動範囲を考えることができそうです。

 実際にまたがってみると、身長153cm、体重40kgの筆者(伊藤英里)で車体サイズに不満はありませんでした。着座位置やフラットなフロアボード(ステップ)に置く足の位置には余裕があり、乗車姿勢に違和感もありません。足つき性という点では筆者が小柄ゆえ良好とは言い難いものの、停止時に前方または左右へ体をずらせば問題ありません。むしろ125ccクラスのスクーターに比べればコンパクトな印象です。

 まずは走行モードE-SAVEで発進します。走行モードはハンドル右のスイッチボックスで簡単に切り替え可能となっています。なるほど、マイルドな出力で、加速感もゆったりとしたもの。

 続いてDYNAMICモードでは、スロットルを回すとドッとトルクが湧いてきますが、扱いにくいほどではありません。試乗した短いストレートでもあっという間に60km/h近くに到達しました。一般道の走行を考えれば、十分な加速感とスピードの伸びで、基本的にはDYNAMICモードで走行するのが現実的だろうと思える走り味です。

 一方SPORTモードは、発進でより加速感が欲しいときに使えそうです。スロットル操作に対する反応が少しシビアになっています。確かに内燃機関のバイクでも、スロットルレスポンスが過敏なモデルはありますが、この感覚は内燃機関のそれとはまた異なる印象です。とくにSPORTモードではスロットル操作に多少の繊細さが必要だと感じました。

モーターはBOSCH製。niuが開発したFOCベクトルコントローラーを採用

 また、音がない、という点も「急にトルクが出る」という印象を色濃くしているようです。日ごろバイクの運転に親しむ人は、少なからずアクセルを開けるとともに聞こえるエキゾーストノートで、車体の加速度合いを想像しているところもあるのではないでしょうか。

 電動バイクにはその音が無いので、やってくるパワーに掴みづらさを感じます。ただこのような感覚も、電動バイクの特徴に合った走りに慣れていく中で、また変わっていくものでしょう。

「NQi GT」はCBSブレーキ(制動力を前後のブレーキディスクに適度に分配)を備えており、しっかりとした制動力を感じることができました。例えば直線で加速し、そこから少し強めにブレーキをかけても、利き過ぎる、または不足を感じることがありません。ちなみにこのモデルは、ブレーキを握るとアクセルは停止するタイプなので、その点は注意が必要です。

 サスペンションについては、とくにフロント側がもう少し動いても良さそうに感じましたが、それは体格(体重40kg)によるところもあるでしょう。と言っても、コントロールに支障を来すほど路面の凹凸が伝わるということはありませんから、許容範囲内です。車体の動きはクイックとはいかないまでも、一般道を走る分には十分です。

 バッテリーの充電にはアダプターを車体につなぐか、バッテリーを取り外して充電器にセットします。家庭用の100Vコンセントで充電可能です。気になったのは、バッテリーは1個約11kgなので、2個とも外して移動する場合は少し大変かもしれません。一方で、自宅で充電できる点はメリットでもあります。

ディスプレイにはスピードメーターや走行モード、バッテリー残量などが表示される

 利便性や走行性能など、総じて全体的にまとまった電動スクーターniu「NQi GT」は、通勤や通学、街乗りスクーターのひとつの選択肢として、候補に挙げることもアリではないでしょうか。

■niu「NQi GT」スペック(2021年モデル)
定格出力(最大出力):1000W(3500W)
最高速度:70km/h
航続距離:134km以下
車体重量:約109kg(バッテリー重量約11kg×2含む)
サイズ:1815×725×1185(mm)
シート高:740mm
最低地上高:160mm
充電:100V対応
充電時間:7時間から10時間×2
バッテリー:中国製
バッテリー種類:リチウムイオン電池
バッテリー定格容量:2100Wh×2(60V/35A)
バッテリー定格容量:35Ah×2(並列)
最大登坂角度:15度
モーター:BOSCH製
ブレーキ:前後油圧ディスク式
タイヤサイズ:90/90-12(前)、120/70-12(後)
バッテリー着脱:可能
アプリ対応:可能
製造国:中国

【了】

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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