バイク泥棒に注意!その手口と対策とは

バイク泥棒は以前に比べ件数そのものは減っているとはいえ、令和の時代になっても盗難は後を絶たず、その手口は悪質かつ大胆、そして巧妙化しています。もはやバイクを安心して駐車できる安全な場所もなかなか確保できないのが実情です。大切な愛車を“バイク泥棒”から守るには、どのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。

バイク盗難の現状と実態

 公益社団法人 日本防犯設備協会によると、バイクの盗難事件は2000年の25万3433件をピークに減少傾向にあり、2013年には5万1588件まで減少しました。しかしながら、全国7677万6278台の保有台数のうちの0.03%が被害に遭っています。

減りつつあるバイク盗難、しかし犯行の手口は巧妙になってきました

 しかも、このうちキーを抜いている状態での盗難が、74.3%を占めており、検挙率は10.9%となっていました。日本防犯設備協会の報告によれば、盗難の多かったバイクの上位10位は、各主要メーカーの原付バイクが占めている点、盗難被害あったバイクのうち95%に盗難防止装置(イモビライザーなど)の装備がなかったことを例に挙げ、盗難防止装置の普及が乗用車より遅れているのも影響しているとしています。

 また、警視庁の発表した2019年の東京都内でのバイク盗難事件は1133件で、前年に比べてマイナス382件となっています。ところが、発生場所は「住宅敷地内52.3%」「駐車場・駐輪場21.2%」「道路上19.8%」、ほか「会社・商店・公園・学校(幼稚園)・その他」となっており、持ち主が油断しやすい住宅敷地内での犯行がもっとも多いことが特徴として挙げられるとしています。

 その犯行の手口もさまざまで、施錠していても鍵やチェーンを切断して盗む単純な手口から、大がかりな手口として「車輪を外す」、または「台車に乗せる」などが挙がっています。また、チェーンを繋いでいる対象物を破壊や解体して行うなど、犯行手口は多様化しています。加えて、高級車などを狙った犯行で、クレーン車を利用する大胆な手口も実際にありました。

 安全と思われている「バイクガレージ(コンテナ)」などでも、扉を施錠している南京錠を壊すような荒っぽい手口や、コンテナごと盗難するなどの大胆な手口もあり、このような施設でさえも、必ずしも安全とは言えない状況です。

 これについては、自動車盗難防止を図る官民合同プロジェクト「STOP THE自動車盗難」のなかでも、現況の犯行を個人の仕業とは言えないようだとしています。つまり、海外にバイクやその部品を不正に横流し輸出することを目的とした「プロの犯行グループ」の存在があるとされているのです。一見、大胆に思える盗難手口についても、このような犯行を行うプロの犯行集団が数人でクレーンを使って作業し、端(はた)から見ると、あたかも「依頼された専門業者がバイクの撤去作業している」ようにしか見えない巧妙な犯行だと云います。

 そして、そのような準備をしてくる以上は、持ち主が犯行時に絶対に現れないことを、しっかりと下調べしているということもわかります。住宅の敷地内での盗難についても同じことが言え、犯行前には必ずその持ち主の生活習慣・生活パターンなどを、下見で把握しているということがわかります。

 バイクの盗難件数は減ったとはいえ、年々大胆かつ悪質化していくバイク盗難の手口から、愛車を守るには一体どのような方法があるのか、以下で探ってみます。

バイクを盗難から守るために

 大切な愛車を守るためには、盗まれやすいと予想される環境を排除して、対策していくことが重要です。雨の日にバイクが見えない場所にあると、持ち主には雨の音などで作業音に気付きにくく、人通りが少なければ誰にも見られずに作業が行え、バイク盗難には絶好の状況が整ってしまいます。

「音が漏れにくい雨などの日」、「人通りが少ない」、「暗くなる時間帯」などは盗難を警戒すべき環境なので、それらを排除するべきであると言えます。

 さらに、暗い時間帯では、作業している人間の顔も見えにくく、人物の特定は難しく、他人が見ても持ち主が作業しているように見えるとも考えられます。

 では人通りが多ければ良いのかというと、それも完全に安心というわけではありません。その理由は、前述した警視庁データの盗難場所のなかで「駐車場・駐輪場・道路上」を合わせた数字が、全体の40%を占めていることからわかります。もはや自宅の敷地内の駐車場や、人通りを意識した「場所」での防犯対策も、あまり効果がないということが、これらの数字から分かります。

 ならば、“防犯設備の効果に期待すべき“となり、先の日本防犯設備協会でも「イモビライザーなどの電子的な盗難防止装置の効果が高い」としているので、防犯カメラやイモビライザーなどの盗難防止装置によって、バイクの盗難防止に期待したいところです。しかし、現実はそう簡単では無いようです。

防犯カメラやGPSなどの装置も事前の下見で犯行グループはそれに応じた装備を準備しています

 防犯カメラやGPSなどの装置は、盗難を抑制にある程度効果が期待できても、事前の下見でカメラ位置やGPSが備わっていることがわかれば、犯行グループはそれに応じた装備を準備するので、あまり意味がありません。

 また、イモビライザーの特徴である「個体ごとのID電波信号」そのものを無効化してしまうことで、簡単にエンジンをかけてしまう「イモビカッター」と呼ばれる装置の登場など、盗難の手口も年々進歩しており、これらの電子機器も過信できない状況です。

 バイクオーナーが対応できる防犯対策は大きく3つとされています。それは「隠す」「手間を取らせる」「盗難への意識を高める」で、まずカバーやロックをかけてバイクの存在を目立たせないこと、加えてカバーをかけることでパーツの盗難も防ぐことができます。

 また、ロックの数だけ手間が掛かり、面倒だと思わせるために「キーカバー」「チェーンロック」「ディスクロック」「U字ロック」など、多様な形状のロックシステムを複数使用して、犯行に使う解錠道具をより多数必要とさせる。こうした対策も、手間取ることを嫌う犯人には有効です。また、ロックを繋ぐ先に動かない対象物を選ぶ「地球ロック」も心掛けてください。

 最終的には意識の問題で、駐車後に車両から離れていても、アトランダムなタイミングで車両の存在を確認するなどして、プロの犯行グループほど入念に下見をしている可能性を考えて、普段から防犯に対応する姿勢を周辺にアピールし、隙をみせない対策を講じることが有効と云えるでしょう。

 また、愛車の盗難を防ぐために「ここにバイクがあるぞ」という目立つ行為は避けた方が良いと云われます。そのなかには「家の前で洗車をすることも危険だ」という意見もあり、バイク泥棒が、いつどこで見ているかわからないということを、常に意識しましょう。

※ ※ ※

 2019年1月29日付の産経新聞で報道された内容では、クルマなどで使われるスマートキーに対しても「リレーアタック」と呼ばれる盗難の手口が新たに出現するなど、犯行の手口は年々巧妙化しています。

 家の敷地内や防犯カメラがある施設だから、バイクに盗難防止装置が付いているから、という「場所」や「設備」で安心するという考え方は捨てて、大切なバイクを守るためには自分の防犯意識を高め、愛車の盗難を防止しましょう。

【了】

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