the「燃費」ホンダ同門対決!! 快速125ccスクーター「PCX」と「PCX e:HEV」で実走比較した結果は!?

125スクーターで不動の人気を誇るホンダ「PCX」シリーズから、2021年新型「PCX」と「PCX e:HEV」の燃費を実走で比較してみました。どのような結果が得られたのでしょうか。

燃費研究会「ハイブリッドって、効くの?」編

 the「燃費」の取材・研究班は、日々あのバイクこのバイクと、次なるネタを物色してはターゲットを探しています。今回のテーマがこちら「ハイブリッドの効果はどれぐらいあるのか?」というもの。2021年にデビューした新型「PCX」比較です。

ホンダ「PCX e:HEV」(写真左)と「PCX」(写真右)

 用意したのは同門ライバルとも言える「PCX」と「PCX e:HEV(ハイブリッド車)」の2台。エンジンはともに共通新設計となる排気量124ccの水冷OHC4バルブ単気筒エンジンです。

 ご存じ「PCX」シリーズには、ホンダお得意のACGスターターというエンジンの回転により作動する発電機をそのままスターターモーターに活用することで、エンジンの始動音を静かに、アイドリングストップシステムも搭載することで商品価値を上げています。

 じつはこのACGスターターが「PCX e:HEV」の心臓部。スターターでも活用するこれを、走行時はアシストモーターとしても活用することで、ハイブリッドシステムとしたのです。

 駆動電源は補充電可能なリチウムイオンバッテリーです。電源ケーブルや制御システムなどを搭載する必要はありますが、「PCX」と比較して41kg増しに納めたのは、ACGスターターを発電、始動、駆動の3パターンで使えたからこそ。

 125ccスクーターと言えば、通勤快速需要が多いクラスです。両モデルの価格差は9万1300円と意外にあり、車両価格のおよそ25%アップを高いと見るか安いと見るか……「PCX160」よりも高額(4万1800円アップ)となると、確かに考えてしまいます。

 ハイブリッドモデル「PCX e:HEV」の価格は44万8800円。価格差分、燃費で元を取ればイケルでしょ!? という計算は成り立つのでしょうか……。

「PCX」と「PCX e:HEV」(ハイブリッド車)で比べる市街地燃費

 今回の対決は都内を巡る環状道路であり、日々交通量の多さでお馴染みの“環七”こと環状七号線を含むルートで行ないました。いつもの市街地計測ルートから湾岸沿いの国道で浦安方面へ。そこから環七ルートを通り、羽田周辺までを実走しています。

燃費が良いのはどっち? ホンダ「PCX e:HEV」で実走調査する筆者(松井勉)

 2機種のカタログデータを見ると、燃費性能は次の通りです。

■定地燃費値(60km/h、2名乗車時)
PCX 55km/l
PCX eHEV 55.4km/l

■WMTC(クラス1、1名乗車時)
PCX 47.4km/l
PCX eHEV 51.2km/l

 なお、今回は両車とも計測時のアイドリングストップ機能はオンにしています。距離、燃費のデータは車載のメーターに表示されるトリップメーター、平均燃費計の数値です。

 まずは、いつものthe「燃費」市街地計測ルートです。都内外苑周辺から青山通り、皇居沿いを抜け、丸の内へ。そして銀座、晴海と直進。首都高湾岸線沿いの国道357線、東雲付近までの12.2kmにて計測。大型の交差点が多く、一度の停止は長め、しかし両車アイドリングストップの恩恵で停止中の燃費データの悪化はナシ。125ccクラスのため常に市街地燃費ですが、the「燃費」市街地ルートでの結果は……

燃費が良いのはどっち? ホンダ「PCX」で実走調査する筆者(松井勉)

■PCX 41.7km/l
■PCX e:HEV 45.1km/l

「PCX e:HEV」が3.4ポイントリードしています。

国道357号線で東雲から浦安ディズニーリゾート周辺までの約10km

 国道357号線は、首都高湾岸線と併走するまさに快走路。信号が極端に少なく、まるで高速道路のようです。今回のルートで移動距離あたりの信号待ちが最も少なく、ゼロ発進でthe「燃費」を稼ぐハイブリッドの効果を逆に知るコトになりました。その差が今回の計測中最初となる1.1km/l差でした。4バルブ化されたエンジンもあって「PCX」はこうした快走路で楽しい走りを見せてくれます。スムーズでパワフル。進化を感じた場面でした。

■PCX 49.6km/l
■PCX e:HEV 50.7km/l

「PCX e:HEV」が1.1ポイントリード。

環七ルート前半、板橋エリアまでの32.9km

 気持ち良いリゾートエリアから357号線を数km戻り、環七の東側の起点へ。国道357号線から曲がった場所から、あとは環七の旅です。都市圏で環状七号線はポピュラーな道ですが、環状線ゆえ、一周することはまずありません。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「PCX」と「PCX e:HEV」の実走燃費比較。ここは東京丸の内

 今回走って解ったのは、環状線だけに都心から放射状に郊外へ向かう多くの通りと交差します。スムーズに流すために立体交差の数も少なくありません。それでも平面交差点もほどよくあり、実際の燃費データに開きが出始めます。

 環七一周53km弱の中間地点、板橋区までディズニーリゾート周辺からおよそ1時間20分。2台の燃費は……

■PCX 48.9km/l
■PCX e:HEV 53.4km/l

「PCX e:HEV」が「PCX」より4.5ポイント燃費を伸ばします。

環七世田谷線踏切、47.4km地点

 環七を巡るテストは意外なる旅情を味わえます。例えば、歴史の時間に習った江戸の街道筋。ここまで水戸街道、日光街道、中山道、甲州街道と交差。この先で環七は東海道の下をくぐります。125スクーターという機動性を活かせば、そんな寄り道もまた楽し。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「PCX」と「PCX e:HEV」の実走燃費比較。環七を巡る旅

 途中、今なお現役の踏切として残る東急世田谷線と交差する場面も同様です。三軒茶屋と下高井戸を結ぶ街のトラムは、時に環七の直進信号が青の時は世田谷線が交差点で信号待ちをする姿が見られます。

 ここまで浦安から2時間20分ほど。痛くなってきたお尻を休めるため、踏切の近くのコンビニでコーヒーブレイク。信号と交通量も前半よりも多く、2台の記録は……

■PCX 47.4km/l
■PCX e:HEV 53.4km/l

 ここでも4.3ポイントのリードを「PCX e:HEV」が保っています。

感動!? のゴール地点、京浜島つばさ公園でスタートから64km

 環七の旅は大田区大井で完結します。しかし、フィニッシュを思わせる写真が撮れない! コンテナ輸送の大型トレーラの邪魔にならぬよう移動。少し走った湾岸エリアにある京浜島へ。対岸に羽田空港が見えるつばさ公園をゴールとしました。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「PCX」と「PCX e:HEV」の実走燃費比較。ここは羽田空港を臨むゴール地点

 ここまで途中のスナップ撮影や休憩を含め、浦安から3時間弱。走行距離は約64km、市街地ルートを含めれば移動距離は85kmに。帰路を含めると110kmとなりました。そして気になる最終結果は……

■PCX 48.6km/l
■PCX e:HEV 53.2km/l

 この区間でも4.6ポイント「PCX e:HEV」がリードです。

the「燃費」ホンダ同門対決!! 「PCX」と「PCX e:HEV」の実走燃費比較。ここは羽田空港を臨むゴール地点

 乗り方、走り方、道路状況で変わるものの、ハイブリッドに効果あり。環七テストでは同ルートで時に10%近い差を付けることも解りました。

※ ※ ※

 最後に、「PCX e:HEV」のアシスト時の加速感は気持ち良く、先代の「PCX150」や先代のハイブリッドモデルをしのぐ走りを体験出来ました。燃費差で価格差を回収するのは時間が掛かりますが、「どっち買う?」と聞かれたら、迷わず「PCX e:HEVを買いたい」と思ったのが、今回のテスト後の印象です。モーターアシストで押される感が、思いのほかキモチ良かったからです。

【了】

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Writer: 松井勉

モーターサイクル関係の取材、 執筆、プロモーション映像などを中心に活動を行なう。海外のオフロードレースへの参戦や、新型車の試乗による記事、取材リポートを多数経験。バイクの楽しさを 日々伝え続けている。

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