美味しいアジフライを求めて走る旅 逗子市『魚平商店』三代目は相当なバイク好きだった!?
アジと言えばアジフライ! というライダーのために、美味しいアジフライを味わえるお店を紹介します。三浦半島の逗子市にある『魚平商店』を訪れました。
三浦の仕出し料理店がライダーの聖地に!? 店主が作る弁当を求めてツーリング
バイクやクルマで、都内から2、3時間で来ることが出来る三浦半島には、休日にもなるとツーリングに訪れるライダーも少なくありません。そして三浦と言えば三崎のマグロが有名ですが、東京湾と相模湾に挟まれた半島は水揚げされる魚の種類も豊富です。「松輪鯖」のように全国区で有名な名産もありますが、じつはアジも名産なのです。アジと言えばやっぱりフライ! と、アジフライを求めて走ってくるライダーも多い、三浦半島にあるお店を紹介します。
三浦半島の根元、逗子市の仕出し料理店「魚平商店(うおへいしょうてん)」を訪ねました。昭和3年創業の老舗で、現在の店主は三代目の和田大輔さん。昨年(2020年)はコロナの影響で仕出しの注文が全く無くなり、苦肉の策で弁当の販売を始めたのですが、最初は近隣の人が買っていく程度だったそうです。
ところが、ここで転機が訪れます。じつは和田さんは、マニアックなバイクを複数台所有するバイク好きでも知られ、1940年代のハーレー・ダビッドソンの軍用車「WLA」やカワサキ「Z1」にローソンレプリカなど、バイク好きから見ても相当なマニアなのです。
そんな和田さんのSNSへの投稿から火がついて、今では日本各地からライダーが弁当を求めて走ってくる聖地となっています。天気の良い週末には来店するライダーが100人を超えることもあり、また、昨年秋にオリジナルの昭和テイストなステッカーをネットで販売したところ、1週間で900枚が売れてしまうという、バイク好きの間で人気のお店になっているのです。
さて、そんな魚平商店の一番人気メニューはというと、新鮮な刺身が山盛りの「刺身弁当」です。他にもアジやカキなどのフライも販売しています。ライダーのほとんどは、刺身弁当や日替わり弁当にフライをトッピングしています。筆者(増井貴光)が訪問した日はちょうどアジフライ弁当も販売していたので迷わず購入しました。そこへ更にアジフライをトッピングし、ダブルアジフライ弁当にしていただきました。
揚げたてのアジは、サクサクの食感にふっくらとした白身でかなりの美味しさ。食材は地元の相模湾産がほとんどですが、仕入れの状況によっては九州産を揚げることもあるそうです。
付け合わせには、きんぴらや卵焼き、ポテサラなど、箸休めにちょうど良い副菜が数種入っています。わざわざ遠方から、この弁当を求めて走ってくるのもわかるというものです。
刺身やフライだけではなく、「350円弁当」もSNSで話題になっています。ぎっしり入ったご飯の上に「揚げ物×揚げ物」やハンバーグ、さらにゆで卵や目玉焼き、蓋が閉まらないほど詰まって重さは500グラムを軽く超えるボリューム満点の弁当です。
他にも、鰻弁当、天丼弁当など自慢の弁当を販売しています。現在はコロナ対策でイートインは出来ませんが、これから暖かくなる季節は、お店からすぐ近くの逗子海岸で、海を見ながらランチタイムがオススメです。トンビには要注意ですが、美味しく食べられること間違いなしでしょう。
■魚平商店
所在地:神奈川県逗子市新宿2-9-34
営業時間:10時30分から18時(水曜定休)
【了】
Writer: 増井貴光
旅をライフワークにバイク専門誌などで活躍するカメラマンでコラムニスト。国内だけでなく、アメリカでランドスピードレースやドラッグレースの撮影を続けている。著書としてユタ州ボンネビルで最高速に挑戦するライダーを撮影した写真集『bonneville』と、ルート66を実際に走って撮影した『movin’on』がある。また撮影だけでなく、イベント等の企画・運営にも携わるなどその活動は幅広い。愛車はハーレーFLTRXS、ホンダXR250とCT110