もしものガス欠に備えて!携行缶の取り付け方とは

燃料タンク容量が小さなバイクで遠出をする際、ツーリング先にガソリンスタンドの所在が不明ならば、それは大きな不安材料です。そんな時、持っていると便利なのがガソリン携行缶です。バイクはエンジンが動いている限り、とても軽快な乗り物です。しかし、一旦ガス欠に陥ると、バイクは巨大な荷物となります。バイクを押してガソリンスタンドを探すというのは、非常に困難な作業です。そんな緊急時に備え、予備のガソリンを持っていれば非常に役に立つ筈です。しかし、危険物であるガソリンを携行する際の注意事項は、知っておくべき大切な事柄です。

ガソリン携行缶の取り付け・携行の方法

「携行缶」とは、ガソリンを持ち運ぶための専用の容器で、危険物保安協会の試験に合格した証である「試験確認済証KHK危険物保安技術協会」の表示がある製品です。ネットショップやバイク用品店、ホームセンターなどで購入でき、0.5リットル程度の小さな容量から20リットル級で四輪車向けの大型缶まで容量・用途に応じて選べます。

携行缶には、ネットショップやバイク用品店、ホームセンターなどで購入できます

 実際にバイクで使えるタンクは、邪魔になりにくい小型の0.5~1リットル程度の携行缶がお勧めです。容量による走行可能な距離はバイクの燃費により異なりますが、この程度の容量でもバイクなら、おおむね10km~20km程度走れる筈です。出先でガソリンスタンドが見つかるまでの応急用としても十分な量といえます。

 ガソリン携行缶のバイクへの取り付けは、専用のホルダーなどでバイクのフレームなどに固定する製品が主流です。また、専用の保存袋に入れてサイドバックなどに入れて持ち運ぶタイプや、DIYでオリジナルの携帯ホルダーを作って運ぶという手もあります。

 ただし、中身は引火性・着火性の高い危険物であるガソリンです。取り付ける場所がエンジン付近など高温になるようなところや、もしもの転倒時にも直接の衝撃を受けにくく、走行中に直射日光が当たらないところを選びましょう。

 また、充填したガソリンを使わなかった場合でも、一定の期間が経過したら揮発した蒸気で膨張した内圧を抜きましょう。また、給油後や内圧を抜いたときには、蓋がしっかり閉まっているか否か、忘れずに確認してください。

 危険物であるガソリンの取り扱いに関しては主に消防法で規制されます。次項では携行缶での給油や運搬についての法的注意事項、ガソリンスタンドでの給油に関する条項について詳しく説明します。

携行缶を取り扱う上での注意点とは

 ガソリンの取り扱いについて、消防法で厳しい規制が多く、消防法の「危険物に関する規則第43条2項」及び「危険物の規則に関する技術上の基準の細目を定める告知」第68条の4により、ガソリンの小分け移動可能な上限数量は「乗用車のときには最大容量22リットル以下」で、1台の車両への積載量が指定数量(200リットル)を超えるときには、危険物積載標識の提示や消化設備が必要になります。また、自宅などでの保管は「貯蔵制限が40リットル未満」となっていて、指定数量を超えるときには消防火災防止条例に基づく届け出が必要になるなど、細かく定められています。

 ほかにも、ガソリンの持ち運びに関しての規制では、消防法で定められている危険物保安技術協会の性能試験に合格した金属製の缶でなければなりません。規格に沿わないポリタンクやペットボトルはもちろんのこと、金属製でも性能試験に合格していないオイル缶や一斗缶での運搬は禁止されており、これに違反し「給油したものは消防法第10条第3項」、「運搬したものは消防法第16条」の条項が適用され、それぞれ3カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

セルフスタンドでのガソリンの小分け給油販売は禁止されています

 注意が必要なのは、性能試験に合格しているガソリン携行缶であっても、どのガソリンスタンドでも給油できるわけではないことです。消防法の危険物の規制に関する規則第28条の二の四により、セルフスタンドでの小分け給油販売は禁止されているのです。また、適法なガソリン携行缶であっても、ナンバーが付いていない(自走できない)バイクやクルマなどで運搬はできません。

 このことについては、たとえば出光興産(本社:東京都)の公式サイトで確認すると、「ガソリンや軽油のセルフスタンドでの携行缶などへの小分け給油はお断りします」としていて、系列の全てのセルフスタンドでスタッフの携行缶への代行給油も行わないこととなっています。

 このため、携行缶への給油については、フルサービスのガソリンスタンドでスタッフに依頼することになりますが、2019年12月20日に公布された「令和元年総務省令第67号(危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令)」により、2020年2月1日以降は「使用者の本人確認」と「使用目的」の内容を記録として残さなければならなくなりました。2019年7月18日に発生した、京都アニメ・ビルへのガソリンによる放火殺人事件が影響していると思われます。そのため消防庁と警察庁の提案によって、携行缶への給油前に免許証などの身分証の提示と使用の目的を記録することが義務付けられました。

 また、この前提として、消防法によって「店舗が販売できる量は1日200リットル未満」と決まっています。コスモ石油販売(本社:東京都)のように、フルサービスの「営業所すべて」ではなく「同社の定める有資格者などの給油条件が備わっている営業所だけで行える」として、ガソリン携行缶への給油可能な営業所を限定している企業もあり、フルサービスの店舗ならどこでも給油できるというわけではないのです。

 バイクのガソリン携行缶を購入するときには、給油できるスタンドの存在を確認しておかないと、買った後で使えないことにもなりかねません。また、実際に利用するときには、常に状態の管理を怠らないようにしなくてはならないことも覚えておいてください。

※ ※ ※

 ガソリンの携行缶は、もしものときに役に立つ、非常に便利な装備ですが。が、携行するガソリンは引火性・着火性・揮発性の高い危険物であり、静電気や衝撃によって引火爆発する危険性があります。そのため、管理と取り扱いには細心の注意を払いましょう。

【了】

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