もうすぐ夏がやってくる!バイク乗りにおすすめの熱中症対策とは

日中気温37℃、38℃の真夏がやってくる前に熱中症対策をしておきましょう。バイクは一部の例外をのぞき屋根もクーラーもないため、十分な熱中症対策をしないと命に関わります。以前の夏より気温が上がった酷暑の夏でどのような熱中症対策がよいのでしょうか。

真夏の暑さ対策はバイカーとバイクの両方に必要

 真夏にバイクを運転するときは、十分な熱中症対策をしないと命に関わります。酷暑の夏でどのような熱中症対策をすべきでしょうか。一言で熱中症対策とは体温を上げない服装、冷却グッズを着込み、水分補給をして、長時間運転をしないことでしょう。

真夏にバイクを運転するときは、十分な熱中症対策をしましょう

 まず熱中症対策の前に、熱中症とは何かを確認しましょう。公益社団法人全日本病院協会Webサイトには「熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かなくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のこと」と説明しています。加えて熱中症の段階をⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度と段階ごとに対処方法を分け、Ⅱ度以上になったら病院に搬送が必要とされています。

 体温では37.5度以上あると危険性が高まるとされますが、平熱とされる体温が個人によって違うため、明確な基準を提示することは難しいでしょう。しかし、1つ言えるのは体温を上げない仕組みが必要です。

 従来の夏用バイク用品にメッシュ生地のライダースジャケットやメッシュ生地のシートクッションなどがありました。しかし、今の夏の気温ではメッシュ生地は熱中症対策には不十分と言えます。理由は外気温が37℃、38℃になると走行風は熱風となり、よほどの高速走行であれば話は別ですが、一般公道の走行風では冷却が望めません。その反対に少しずつ体温が上がっていくことになります。

 熱中症対策グッズの例として、小型の水タンクを背負う水冷ベストが有効といえるのではないでしょうか。水道水の温度は平均15℃、夏であっても25℃前後とされ体温上昇を防ぎ、冷却するのに役立ちます。

 THANKO(サンコー)「水冷クールベストLite」は背中のパックに水と氷を入れて、水を循環させて体温上昇を防ぐベストです。バイク専用のベストでないため、ライダースジャケットとの相性や着込み方に工夫が必要になるかもしれません。しかし、熱中症対策に有効と言えるでしょう。

 タンクを背負うタイプではなく、ベスト自体を冷やす「QUANS クールベスト」であれば、メッシュジャケットの下に着て運転することも可能です。

 そして長時間の運転は避ける。特に都会の低速、信号待ちが続くときはこまめに休憩をとりましょう。立ちくらみや頭痛が起き始めたら、すでに熱中症と思ってください。そうなったら、すぐに体調が良くなるまで休憩が必要です。

熱中症対策としては、水分補給も重要です

 まとめると真夏の熱中症対策は、外気温で体温の上昇を防ぐベストやグッズを使い、都市部での長時間の運転は避け、水分補給をする。この長時間の運転を避けるのはライダーを熱中症になるのを防ぐのもありますが、バイク自体の暑さ対策にもつながります。

真夏のバイク走行で注意すべき点とは

 ライダーの熱中症対策に加えてもう1つ。真夏のバイクで注意すべきことは「熱ダレ」です。熱ダレとはオーバーヒートの1つと言ってもよいでしょう。オーバーヒートと聞くと自動車のボンネットを開けて、ラジエターから白い蒸気があがるのを想像する人もいるのではないでしょうか。

水冷エンジンがオーバーヒートする理由は、冷却水の温度上昇が考えられます

 オーバーヒートのときに出る白い蒸気は水冷エンジンの冷却水の温度が上がりすぎて起きます。一方でバイクでは空冷エンジンを搭載するモデルもあり、空冷エンジンには冷却水がありません。そのため冷却水のオーバーヒートの代わりに起きるのが「熱ダレ」です。熱ダレはエンジンオイルの温度が上がりすぎて、加速やエンジンの回転数が上がらなくなる現象とともに発生します。もし、そうなったらすぐにバイクを駐車して、時間をおきエンジンオイルの温度が下がるのを待ちましょう。

 油温計や水温計を備えるバイクはあらかじめ温度が分かるため、事前に熱ダレや冷却水の異常過熱に気づけますが、温度計を持たないモデルは加速が遅くなったり、回転数が上がらなくなったり、エンジンが止まるなどの現象が起きてから気づくことになるでしょう。

空冷エンジンを搭載したモデルの熱ダレ防止は、こまめにエンジンを止めエンジンオイルの温度が上がりすぎないようにしましょう

 熱ダレを防ぐには、空冷エンジンに涼しい走行風を当て続けるか、こまめにエンジンを止めエンジンオイルの温度が上がりすぎないようにする必要があります。

 特に真夏の渋滞や走行風が発生しないような低速走行を続ける都市部での運転は注意してください。ライダーも熱中症になりやすい環境のため、ライダーとバイクの両方のためにこまめに休憩をしましょう。

 熱ダレの予防策としては、エンジンオイルの粘度を高温に対応した粘度に変える。頻繁にエンジンオイルの交換をする。ラジエターや冷却フィンの清掃などをします。とはいえ、熱ダレは完全予防が熱中症同様に難しいため、熱ダレを起こさないことが大切です。加えて、一度熱ダレを起こしたと気づいたら、早めにエンジンオイル交換をしてください。理由は高温でエンジンオイルの役割である冷却や洗浄、密閉作用などの性能が落ちているとされるからです。

 間違っても水をかけて急冷は厳禁です。理由は水で急な温度変化が起きエンジンパーツの破損や最悪ヒビが入る場合もあるからです。

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 真夏の熱中症対策は体温を上げないような備えをして、こまめに休みながら、水分補給をする。同様にバイクもエンジンオイルや冷却水の異常過熱を起こさないように温度管理に注意しましょう。

【了】

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