なぜ海外製の電動自転車を国内に導入? 日本の道路交通法に適合させるための変更点とは?
海外製の電動アシスト自転車の輸入・販売などを行う株式会社レガリスは、シンガポールのブランド「COASTCYCLES(コーストサイクル)」の電動アシスト自転車「Buzzraw」シリーズの販売をMAD BOLT GARAGE(マッドボルトガレージ)およびオンラインストアで開始しました。同社が海外製の電動アシスト自転車に力をいれる理由と日本で使用するために変更した点などについて伺ってみました。
コロナ禍に伴い需要も増加
海外製の電動アシスト自転車の輸入・販売などを行う株式会社レガリスは、シンガポールのブランド「COASTCYCLES(コーストサイクル)」の電動アシスト自転車「Buzzraw」シリーズの販売をMAD BOLT GARAGE(マッドボルトガレージ)およびオンラインストアで開始しました。

レガリスはこれまでにもカリフォルニアで流行したミニバイクから着想を得たフレームにファットタイヤを備えたモデル「Super73」の輸入・販売を行い、オリジナルのカスタムパーツなどを展開してきましたが、同社はなぜ海外製の電動アシスト自転車の取り扱いを開始したのでしょうか。

マネージング・ディレクターの北嶋直人さんに導入のきっかけや日本で「電動アシスト自転車」として使用するための変更点などを伺ってみました。
―――COSTCYCLES製やSuper73など、海外製の電動アシスト自転車を扱い始めたきっかけについて教えて下さい。
日本の電動自転車にはないバイクのようなデザインに惹かれたことが発端です。単なる移動手段としてではなく、自転車本来のアクティブな走行やカスタムなどを楽しむことでき、尚且つエコなアイテムとして注目されるだろうと考え取り扱いに踏み切りました。

そこから徐々にSUPER73の人気が日本でも出始め、コロナウィルスの発症のタイミングで自転車需要が高まったこともあり供給が追いつかなくなりました。
そこから社としてもこの部門に力を入れて行く方針となり魅力あるCOAST CYCLESなどの他ブランドも販売する経緯となりました。
―――海外製の電動アシストを日本仕様にするうえで苦労した点や変更した点について教えて下さい。
そもそも国によって自転車の定義が違います。例えばアメリカの電動自転車を扱う際、スロットル操作のみで漕がずに走ってしまうモデルが一般的となるので、そのままでは日本では原付扱いとなってしまいます。
まだこのような自転車が国内で目立っていない中、海外から個人で輸入されている方もいらっしゃいましたが日本は世界でも自転車の規制が非常に厳しく、公道を自転車と思って走ってしまうこのような状況が拡がると後々販売するにあたり障害となるのではと考えていました。

そこで自転車として公道走行可能な日本仕様を開発してもらうことにしました。
日本ではペダルを漕ぐ電動アシスト自転車でなければならないことと、アシストが24キロで切れなければならないので、日本のルールを本国に伝えて開発してもらうには時間とテストを繰り返し労力を要しました。
―――どのような層をターゲットにしているのでしょうか。
販売開始当社は自転車にしては高いというイメージを持たれる方も多く富裕層向けの商材でした。
しかし、現在では若い方も含めて様々な方の日常生活に愛用されるアイテムとなってきております。

バイク愛好家、アウトドアなどのレジャー用、アーバンユース、通勤用などオンオフ問わずご使用いただけますし、カスタムで個性を出すこともできるので 。
―――予約・販売台数は現状でどの程度でしょうか。
COAST CYCLESにおいては初回は200台輸入し予約120台程で、3ヶ月程で初回分は完売を見込んでいます。スタートとしては順調です。
また、SUPER73は年間1800台の販売です。
―――今後の展開などについて教えて下さい。
弊社(レガリス)直営店のMAD BOLT GARAGEにてスタイルある電動アシスト自転車を取り扱い、カスタムやメンテナンスを充実させ皆様のより身近な乗り物にしていきたいと思っております。
※ ※ ※
「ペダル付電動自転車」(電動で自走する機能を備え、電動のみ、又は人力のみによる運転が可能な自転車)とは、道路交通法上の「原動機付自転車」に当たるため、日本メーカーなどが国内で販売する「駆動補助機付自転車(電動アシスト自転車)」とは全く違うものになります。
そのため、日本の電動アシスト自転車とは根本的に考えの異なる海外製のペダル付電動自転車、および電動キックボードなどの電動モビリティを入手する場合には、適切な変更・調整をしたうえで販売を行う信頼のおけるショップで購入し、法規を厳守する必要があるでしょう。
【了】