電動バイク「Storm Bee」は普通自動二輪免許で公道走行可能なオフロードモデル その走行フィーリングは?

電動バイクメーカー『SUR-RON(サーロン)』から、普通自動二輪免許で公道走行可能なフルサイズのオフロードモデル「Storm Bee(ストーム・ビー)」が日本で発売予定です。早速試乗しました。

これは新鮮! オフロードモデルを電動にしてみたら、というひとつのカタチ

 現在、新たな電動バイクメーカーが続々と誕生しています。そんな中、日本における地道なPRが功を奏し、認知度とシェアを着々と広げているのが『SUR-RON(サーロン)』です。2014年に中国で設立され、これまではMTB(マウンテンバイク)に似たスタイルを持つ「Light Bee(ライト・ビー)」シリーズを展開してきましたが、そこに加わる本格オフロードモデルが、この「Storm Bee(ストーム・ビー)」です。そのプロトタイプにいち早く乗ることができたため、どんなフィーリングだったかをお届けしましょう。

SUR-RON「Storm Bee」に試乗する筆者(伊丹孝裕)

「ストーム・ビー」には、フロント19インチ、リア17インチホイールを組み合わせるロード仕様と、フロント21インチ、リア18インチのオフロード仕様がラインナップされる予定で、今回試乗したのは、オフロード仕様の方です。

 車体はアルミフレームと倒立フロントフォーク、リンク式リアサスペンションから成り、パッと見はガソリンエンジンを搭載するフルサイズモデルとなんら変わりありません。先鋭的な「ライト・ビー」に対して、「ストーム・ビー」はオーソドックスなスタイルにまとめられているのが特徴です。

 シート高は940mmあり、身長174cmの筆者(伊丹孝裕)がまたがると両足のツマ先が接地。この種のオフロードモデルとしてはとくに悪くはなく、車重はバッテリーを装着した実走可能状態で136kgに抑えられていますから、取り回しや引き起こしは簡単に行えます。

シート高940mmの車体に身長174cmの筆者(伊丹孝裕)がまたがった状態

 スタートの手順はキルスイッチをONにし、キーを回せば完了。あとはスロットルを捻るだけで力強く走り出します。レスポンスやパワーが変化するモードには、エコ/レイン/スポーツの3パターンが設定されていますが、発進時にスロットルを大きく開けるとかなり勢いよくパワーが立ち上がるため、基本的にはレインかエコで充分でしょう。スポーツはある程度車速が上がってきた時や、クローズドコース走行時に選択することをおすすめします。

 クラッチ操作でトラクションを微妙にコントロールするようなテクニックは使えない代わりにエンストのリスクがなく、ライントレースに集中できるため、とくに初級者や中級者にはアリ。もしも狭い枝道や斜面で立ち往生した場合は、ボタンひとつで作動するバックギアを使って脱出できるという小技も備え、モーターの回転方向を自在に制御できる電動ならではメリットになっています。

 上級者になれば「もっとパワーを!」というライダーもいるに違いありません。ユニークなのは、そういうリクエストに備えて「TURBO」ボタンが用意されているところで、これを押せばスポーツモードのさらに上をいく加速を披露。エンジンで言えば、中回転域からパワーが大幅に上乗せされる、2次曲線的な特性に急変するのです。

電動で走るフルサイズのオフロードモデル、SUR-RON「Storm Bee」

「ヒュウウゥー……」というモーター音にはあまり変化がないにも関わらず、車速だけが猛烈に高まっていく様は新鮮そのもの。最大出力は22.5kw(30.6PS)あり、絶対的な動力性能に関して不満を覚えるライダーは、そう多くないでしょう。その静かさを活かし、人や動物を驚かせないように林道をのんびりツーリングする。そんな使い方にぴったりハマるのが、電動オフロードバイクという新しい世界だと思います。

 電動特有の鋭いレスポンスは、もちろんアスファルト路面でも堪能することができます。というよりも、ダート路面のようにそう簡単にホイールスピンすることはないため、パワーを楽しむなら、むしろこちらが本領発揮のステージと言っていいでしょう。

 タイヤをオンロード重視のものに交換しさえすれば、ヒラリヒラリと軽やかなハンドリングでコーナーをクリアできるに違いなく、最高速度は110km/hに到達するとのこと。小排気量エンジンのように、振動に耐えながら高回転まで引っ張ってスピードを稼ぐ……というストレスがなく、日本の法定速度内なら快適な巡航性能が確保されています。

電動特有の鋭いレスポンスとパワーは、むしろアスファルト路面のほうが堪能できる

 さて、気になるのはバッテリーの消費ペースでしょう。今回はオンロードもオフロードも、スロットルの開閉を多用して乗りました。一般的な使用状況よりも負担の掛かる乗り方だったこともあり、2時間ほど乗ってバッテリー残量計は40%を切ったあたりを指示。現状ではツーリングを1日楽しむような容量ではないものの、同車がプロトタイプであることと、日々飛躍的に進化しているバッテリー性能の向上に期待したいところです。

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 サーロンの正規輸入代理店である『KOHAKU JAPAN(コハクジャパン)』によると、「ストーム・ビー」の日本での発売は早ければ2021年末、遅くとも2022年春頃、海外と大きな差が生じないよう販売価格は110万円台を予定しているそうです。

【了】

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Writer: 伊丹孝裕

二輪専門誌「クラブマン」編集長を務めた後にフリーランスとなり、二輪誌を中心に編集・ライター、マシンやパーツのインプレッションを伝えるライダーとして活躍。マン島TTやパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムなど、世界各国のレースにも参戦するなど、精力的に活動を続けている。

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