アプリとの連携で高められる利便性 原付2種区分の電動バイク、niu「NQi GT」を検証する

原付2種区分の電動バイク、niu「NQi GT」は、専用アプリ「NIU E-Scooter」との連携によって、遠隔でバッテリー残量やその日の走行ルートを確認、車体のシステムチェックができるようになっています。

アプリでさらに便利になる電動バイク

 原付2種に区分されるスクータータイプの電動バイク、niu「NQi GT」(2020年モデル)の使い勝手を検証する際、遠隔でバッテリー残量やその日の走行ルートを確認、車体のシステムチェックができる専用アプリ「NIU E-Scooter」を使ってみました。

「XEAM(ジーム)」が取り扱う原付2種区分の電動バイク、niu「NQi GT」(2020年モデル)

 じつは「アプリは必要なのだろうか?」と考えていました。スペック上の航続距離は約92km(走行条件はダイナミックモード90%とスポーツモード10%、搭乗者体重76kgにて平坦な道を走行)となっており、原付2種区分のスクーターの主な用途が通勤、通学などの移動手段だろうと考えれば、アプリがなくても十分だと思っていたのです。

 加えて「NQi GT」が備えるフルデジタルの液晶には、しっかりとライダーが欲しい情報が表示されています。バッテリー残量はバッテリーを模したアイコンと数字、両方で表示されており、時刻やスピードも見やすく、使いにくいこともありませんでした。

「アプリ、なくてもいいんじゃない~?」などと考えていたのですが……実際にダウンロードして使ってみると、その便利さに考えを改めることになりました。やはり実際に使ってみなければわからないものです。

デジタルのメーターには、スピード、バッテリー残量、選択中の走行モード、時刻などが表示される

 最もメリットを感じたのは、現在のバッテリー残量であと何キロ走行できるのかがわかることです。この情報はメーターには表示されず、なおかつ電動バイクを走らせる上でかなり重要な情報です。

 同様に、バッテリー残量がアプリで確認できる点もメリットです。はじめこそ「メーター見れば分かるからいらないでしょ」などと思っていましたが、バイクから離れた状態でバッテリー残量を把握できるのは、思いのほか便利でした。

 例えば休憩中のカフェや、仕事場でバッテリー残量や走行可能距離がわかれば、ツーリングの組み立てや帰路の寄り道もしやすくなるというものです。

アプリでは現在のバッテリー残量で予想される走行可能距離が確認できる

 ちなみに「NQi GT」が搭載している2個のバッテリーを取り外した状態でも、アプリからバッテリー残量や走行可能距離を確認することができます。「NQi GT」を日本へ輸入、販売する「XEAM(ジーム)」によれば、ECUに電気を送るバッテリーが別途、積まれているそうです。ECUのバッテリーは2日ほどで消費されてしまうということですが、走行用バッテリーの充電は残り30%からフル充電しても7時間程度(1個あたり)だったので、問題はないはずです。

 アプリによるバッテリー残量と、車体のメーターに表示されるバッテリー残量を比べてみました。場合によって1%ほどのずれはあったものの、ほぼ誤差はなく、アプリの情報は信頼できると言って良いでしょう。

走行したルートが細かく保存されているほか、消費バッテリーもわかる

 専用アプリによって、電動バイクniu「NQi GT」の利便性はさらに高められるのではないでしょうか。

※ ※ ※

 福岡県に本社を置く「XEAM」が展開するniu「NQi GT」の価格(消費税10%込み)は、2020年モデルが43万7800円、2021年モデルが34万9800円となっています。

 今回検証で走らせたのは、定格容量2100Wh(60V/35A)のパナソニック製バッテリーが2個搭載されている2020年モデル。定格出力は1000W、最大出力は3500Wです。2021年モデルのバッテリーは中国製となり、定格容量や航続距離が異なります。

【了】

【画像】電動スクーター、niu「NQi GT」の専用アプリを見る(6枚)

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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