乗ってみてから評価すべし! ヤマハ新型「MT-09」「MT-09 SP」は優しさ盛りだくさんの実力派モデル

コンセプトは「The Rodeo Master」。これまでの「MT」シリーズの特徴であった「トルク&アジャイル」をより高次元で感じられるよう「トルク&アジャイル+フィール」をテーマに生まれ変わったヤマハのスポーツネイキッド「MT-09」「MT-09 SP」に試乗しました。

不安感無く楽しめる大型バイク

 コンセプトは「The Rodeo Master」。暴れ馬を乗りこなすようなイメージで強大なエンジンパワーをねじ伏せる、バイクの操る楽しさと刺激を追求し、生まれ変わったヤマハ「MT-09」と「MT-09 SP」に試乗しました。

身長165cmの筆者(先川知香)がシート高825mmのヤマハ「MT-09」(2021年型)にまたがった場合、両足のつま先が地面に届きます

 取りまわしの良さや足つきなど、大型バイクとは思えないほど不安感なく乗ることができるモデル、それが私(筆者:先川 知香)にとってのヤマハ「MT-09」のイメージ。そんなMT-09がフルモデルチェンジされたということで、早速試乗してきました。

 初代となる2014年モデルに初めて乗った際は、大排気量を感じさせない取りまわしやすさにかなり驚かされましたが、2代目となった2017年モデルはその更に上を行く乗りやすさと、確実な進化を遂げてきたモデルであったため、3代目にも期待大!私は、ワクワクしながら試乗会場に向かいました。

 そして、新型と初対面した感想は「顔が、虫みたい……」それが第一印象でした。

 たとえば、停めてある愛車の姿を見て「今日も私のバイクイはケメンだな!」と、ニヤニヤしたい派の私にとって、バイクのフロントマスクはかなり重要。「どうして、こんな顔になっちゃったの~!!」と、少し残念な気持ちになったのが、正直なところです。

フルモデルチェンジで大きく印象を変えたフロントマスク

 しかし、乗って楽しければ、だんだんカッコよく見えてくるもの。乗りやすくて、上級者でなくても走りを楽しめる1台であることは、歴代モデルが証明してくれています。

 気を取り直して跨ってみると、今まで通り足つきは良好。身長165cmの私でも、両足のつま先が地面に届いて安定感がありました。と、そこまでは良かったのですが、燃料タンクが最近のヤマハデザインの流れなのか大型化されていて、足元が見えにくいという不安要素が、またひとつ浮上します。

「バイクに乗る時に、足元が見える必要ある?」と、思う人がほとんどだと思いますが、前側が幅広になっているタンク形状は、跨った際に上から見下ろした視覚的な錯覚で、かなり車体が大きいように感じてしまい、初めて乗るバイクなどは、どことなく取りまわしへの不安がこみ上げてしまうという人もいるのではないでしょうか。じつは私もそのひとり。

ヤマハ「MT-09」に試乗する筆者(先川知香)

 そんな視覚的要素からくる錯覚に少し不安になりながらも、走り出すとやはり「MT-09」。タンク形状も上部から見える部分ではなく、太ももが当たる手前側はライダーの体にフィットするよう綿密に計算されているため、マシンをホールドしやすく、思い通りに操ることができました。

 そして、加減速や小回りも自由自在。私が初代モデルから持っている「不安を感じること無く乗ることができる大型バイク」というイメージはそのままに、さらなる加速感と操作性の良さを手に入れた印象です。

 では、「MT-09」と上級仕様の「MT-09 SP」の違いはどこにあるのかというと、私が一番その違いを感じたポイントは急減速した際の低速域のマイルドさ。標準仕様では、急減速した際に少し不安定さを感じた車体の挙動が、「SP」仕様では皆無だったのです。それ以外にも、小回りをする際の安定感が大きく違うなど、バイクに乗る上で不安定になりがちなシュチュエ―ションでの安心感に差を感じることがありました。といっても、マイルドか超マイルドか、というレベルの違いではありますが……。

ヤマハ「MT-09 SP」に試乗する筆者(先川知香)

 色んな意味で「見た目で損をしてるかも?」と思ってしまう3代目「MT-09」の価格(消費税10%込み)は、「MT-09 SP」が126万5000円、「MT-09」が110万円です。

CHIKAちゃんねる

【了】

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