未曾有の公害病を世界に伝えた写真家をジョニー・デップが演じる『MINAMATA―ミナマタ―』
未曾有の公害病“水俣病”を世界に伝えるきっかけとなった写真集を撮影した実在のカメラマンを、ジョニー・デップが渾身の力で演じた映画『MINAMATA―ミナマタ―』が、2021年9月23日(木・祝)より全国公開中です。
ジョニー・デップ渾身の演技にも注目
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ(2003年~)のジャック・スパロウ役で子どもからお年寄りにまでその顔を知られているジョニー・デップが、そのオーラを封じ込めて実在の写真家になりきりました。映画『MINAMATA―ミナマタ―』はそのタイトル通り、熊本県水俣市で発生し1956年に認定された、未曾有の公害病事件にまつわる物語を描きます。

現在も患者や支援者たちによる戦いが続いている水俣病に関してはぜひ調べていただきたいのですが、ここではジョニー・デップが本作に参加したことの意義と、日本を代表する豪華共演陣について言及させてください。そもそも本作は、伝説の写真家ユージン・スミスと元妻アイリーン・美緒子・スミスが1975年に発表した写真集「MINAMATA」を映画化したもの。共演は英国の名優ビル・ナイをはじめ、日本から真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子という、国際的に高い評価を受ける実力派が集結しています。さらに、あの坂本龍一がユージンと同じ志を持つ者として劇中音楽を手がけています。
世界的に知られる水俣病ですが、あらためてジョニー・デップ主演によって映画化されたことで、事件の風化を阻止することに繋がるでしょう。しかも、あのデップが一世一代の名演技を披露しているとあれば、その注目度もうなぎのぼりです。主演デビュー作『クライ・ベイビー』(1990年)では、リーゼントに革ジャン姿で真っ赤なハーレーダビッドソンKH(1954年)を駆っていたデップですが、『MINAMATA』と比較して観ると俳優としての成長が分かりやすいかもしれません。

史上最も偉大なフォトジャーナリストの一人と言われるユージン・スミスは、日本の公害病“水俣病”を取材することで何を感じ、何を世界に伝えようとしたのでしょうか? 感銘を受けたデップ自らがプロデューサーも兼任する『MINAMATA―ミナマタ―』は、2021年9月23日(木・祝)より全国公開中です。